説得は定義づければ、相手の意見、行動、感情、欲求、思考を自分の思い通りに変えることであります。ところが人は十人十色、千差万別だから、なかなか自分の意見、行動、感情は変えられないものであり、それを変更できる力が説得力です。

 


  説得力のある人の心構えは「肯定的」、「挑戦的」、「積極的」であり、「よし、とにかくやってみることだ」、「オレがやらなければ」と、まるで説得することを楽しんでいるように見えます。

 

 

 

  説得する内容を決め、話しを進めるときに必要なのが説得を際立たせる「レトリック」というテクニックがあります。「レトリック」とは「修辞学」とか、「言葉や文章の巧みな表現」方法です。同じ内容の話でも、違った人から聞くと受ける感銘が違ったり、興味が起きたり、起きなかったり、いつまでも覚えていたり、すぐ忘れてしまったりします。これは、多分にレトリックが冴えているか、淡々としているかの違いだと思います。

 

 

 

  自分が言いたいことをうまく相手に伝えて、主張を理解してもらうためには、わかりやすい文章の書き方、わかりやすい話し方が必要ですが、その時に注意してほしいのが2点あります。

 

  (1)できるだけ具体的に話す

   具体的とは、話を聞きながらその場の情景や状況が目に浮かぶようなやり方や、訴えかけたい点

   ( ポイント)が心に食い込む話し方です。

 

  (2)相手のプライドを守る
   人は誰でもいい負かされたくはない。たとえ説得に応じたとしても、心の中は釈然としていないかも

   しれない。こんなとき、相手の心を踏みにじるような言葉、プライドを傷つけるような言葉は避けなけ

   ればなりません。
 

 

 

  いろんなやり方があると思いますが、最終的にものをいうのは、説得しようとするあなた自身です。「情熱」とか「誠意」というのは、口に出してしまうと気恥ずかしいですが、どんなに技術を弄するより、ウラオモテなく「こうしたい」という気持ちをぶつけるほうが、人の心を動かしやすいです。したがって、説得の技術は、そういうあなたの「情熱」と「誠意」がスムーズに相手に伝わるための方策だと言ってもいいでしょう。