軍師官兵衛 第23話「半兵衛の遺言」 その背景 ~有岡城落城から荒木村重のその後~ | テレビ番組 時事ネタなど書いていきます。はい。

軍師官兵衛 第23話「半兵衛の遺言」 その背景 ~有岡城落城から荒木村重のその後~

いよいよ明智光秀の表情が変わってきましたね。
これまでも、以後の歴史を知っている私たちに向けて、
意味ありげなカメラワーク、
春風亭小朝さんの演技もありましたけれど、
いよいよ、その時が見えてきました。




荒木村重がいなくなった有岡城で、
1年もの籠城戦で士気が下がる中、
そもそもの総大将がいない訳ですから、
戦が続けられるものではありません。
村重の家臣の荒木久左衛門(池田知正)が
有岡城の留守を預かっていましたが、
開城を決意します。
その際の講話が尼崎城と花隈城の開城というもの。
それぞれの妻子を助けるというのです。
久左衛門は自身の妻子を人質に残し、
村重が籠もる尼崎城へと向かい、
彼の説得に当たりますが、村重は拒否。
手詰まりとなった久左衛門は
あろうことか自分も逃亡することにしてしまいました。
これで彼の妻子を多くの人たちの命運が決まってしまいます。
信長は見せしめとして、
尼崎七松にて女房衆などを長刀や鉄砲で処刑。
このことについて信長公記には、

百二十二人の女房一度に悲しみ叫ぶ声 天にも響くばかりにて 見る人目もくれ心も消えて 感涙押さえ難し これを見る人は 二十日三十日の間はその面影身に添いて忘れやらざる由にて候なり

と記されています。
続いて荒木村重の一族と重臣、
その家族36人が大八車に縛り付けられます。
京の市中を引き回された上、六条河原で斬首となりました。

近江商人の立入宗継は

かやうのおそろしきご成敗は、仏之御代より此方のはじめ也

と書き残しています。
それでも信長は虐殺をやめません。
高野山が村重の家臣を匿い、
その捜索に来た自分の家臣を殺したとして、
僧侶百余人を殺しています。




当の荒木村重。
彼が有岡城を単身で出た理由については、
ただ単に逃げたという話と、
毛利軍に自ら援軍を求めに行くためというものがあります。
持って出た茶道具については、
後生大事にしていたため、
あるいは毛利への手土産ということになるでしょうか。
結果から見れば、「逃げた」ということになりそうですが、
今後、彼はもう登場しないのでしょうか?

その後の行方は杳として知れなかった

というナレーションでしたけれど、
現実の彼は尾道に逃げたとされています。
昨年、このような発見もありましたので、
脚本に入れてくるのかなと期待してはいたんですが。

官兵衛、幽閉への遺恨なし? 荒木村重への書状確認
http://www.kobe-np.co.jp/news/bunka/201312/0006542207.shtml

荒木村重に宛てた官兵衛の書状展示「2人の関係検証できる重要資料」 伊丹市立図書館
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140124/wlf14012413050026-n1.htm

この書状は有岡城落城から4年後のもの。
黒田官兵衛が村重に対し、
姫路に来られないのは残念、機会があればお会いしたい
と書き送っているようです。
監禁生活を強いて、嫡男を命と黒田家を危機にさらし
その後遺症をが脚や頭に残した張本人の村重に対して、
このような書状を送るあたり、
それが黒田官兵衛という人となりなのか、
あるいはこの時代の武家の価値観なのか、
とても気になるところです。
それが荒木村重の評価にも影響を与えるはずです。

ともあれ、尾道、つまり毛利へ亡命した彼は
本能寺の変が起きると舞い戻り、
堺に移り住みます。
この頃には頭を丸めていてその名も

荒木道糞

としていました。
自虐的に道の糞ということでしょうか。
そんな彼は千利休などと交わるなどして茶人として復活、
利休十哲にも数えられているとか。
面白いことに、秀吉お抱えでもあったんですね。
先の妻子を捨てて逃げた荒木久左衛門も、
本能寺の変で信長が死ぬと戻って来ていて、
秀吉配下として小牧長久手や九州へ従軍しています。
このあたりの人間関係はどうなんでしょうか?
現代人の感覚では理解しづらいです。
久左衛門が身近に村重がいると知った時、
「あいつが逃げなければ、尼崎城から出てきていれば」
というような考えにはならなかったのでしょうか?
それよりも、家としての生き残りが優先されたということでしょうか。
なお、この久左衛門は関ヶ原では徳川方に属し、
功が認められて加増までされていたりも。
村重に話を戻しますと、切支丹に積年の恨みがあったのか、
あるいは有岡城での恨みなのか、
小西行長や高山右近を讒訴しています。
しかし、それが上手くいかず、
さらには秀吉の陰口を叩いていたことが発覚し、
秀吉に殺されることを恐れて出家、
秀吉から罪を赦された彼は法名を

道薫

とし、お伽衆として召し抱えられ茶人として生き、
1586年、堺で死去。享年52でした。









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