『所さんの目がテン！ ゆるキャラの科学 ～大人気！ゆるキャラの魅力を検証～』

ゆるキャラはブームを超えて、
もはや、あって当然、いて当然の状態ですよね。
あらゆる自治体、施設にゆるキャラがいたりします。
現在、その数10000以上なんだとか。

番組の始めに出た映像ですけれど、
この中で知っているキャラ、どれぐらいいますか？

私が上段でわかるのは「ニャンまげ」だけですね。
中段は、「ざっくぅ」と「くまモン」だけ。
下段は「しまさこにゃん」と「いしだみつにゃん」だけです。
それにしても、なぜ「ひこにゃん」ではなく隠れキャラを？

そのひこにゃん。

そして、くまモン。

今はこの2体が両巨頭でしょうか。

それにしても、なぜゆるキャラたちはこんなにも作られるのでしょうか？
一つには予算的に支出が可能な規模だということもあるんですけれど、
作られる動機としましては、
自治体なり企業・団体、施設のことを
憶えて欲しいというものがあるかと思います。

幼稚園児で実験です。
男の子と女の子、20人に集まってもらい、

この5人黒子の名前を憶えてもらいます。
このそれぞれの黒子の名前を3回繰り返し、
大きな声で言ってもらいます。
なお、黒子の名前には園児たちと同じ名前は含まれていません。

15分後に園児一人を呼んで、
黒子を一人ずつの名前を覚えているかを尋ねます。

すると、やはりあまり憶えることは出来なかったようです。
それも当然で、5人黒子たちの差異は、
数字以外にはなかったのですから。

翌日、

5つの自治体のキャラを集め、
同様の実験を行いますが、名前の特徴を消すため、
実験用の名前をつけました。

名前を3回繰り返し、大きな声で言ってもらった後、
15分後に園児一人を呼んで、
キャラクター一人ずつの名前を尋ねます。
その結果が以下です。

黒子の時よりも、ゆるキャラのほうが
名前をよく憶えていました。
思い出す手掛かりが多い方が、
よりよく思い出しやすいという訳ですね。
また、文字よりも画像がよりよく記憶されやすく、
また画像の中でも「顔」の存在するキャラクターは
記憶と認識で優れているとされています。

しかし、この説明では
ゆるキャラの「ゆるい」という部分が説明できていません。
なぜ、ゆるくないと駄目なのでしょうか？

埼玉県羽生市の「いがまんちゃん」に協力してもらいます。

このいがまんちゃんには、
遊園地の広場に5分間立っていてもらい、
時間内に何人がいがまんちゃんに会いに来るかを数えます。

結果は26人でした。

30分後、同様の実験を行いますが、

今度は頭部はそのままに、
体の部分を細くしたゆるくないキャラに立っていてもらいます。

5分後、やって来たのはたった7人でした。

別のゆるキャラでも実験しましたが、

(埼玉県坂戸市さかっち)

29対9と、やはり、大きな差がついてしまいました。

では、どんなものでもゆるくすれば人気が出るのでしょうか？
モデル2名で実験です。

このように、リアルなモデルさんのパネルと、
ゆるく二頭身に加工したパネルを用意、
一般の人たち男女20人に記念写真を撮るならどちらがいいかを尋ねます。

すると、2頭身のパネルの方がより多く選ばれました。

今度は男性モデルでも実験、

やはり、同様の結果が得られました。
どうやら、ゆるくしたほうが人気が出るようです。

名古屋大学認知心理学、北神慎司准教授の説明です。

ゆるキャラというのは、カッコイイ、カッコ悪いでいえば、
カッコ悪い存在です。
カッコイイというのは近づきたいというより、
うらやましいとかこうなりたいとか
一歩引いた形で考えると思うんですけれど、
カッコ悪いの場合は身構える必要もない、
警戒心を抱かなくてもいいってことなので、
近づきたいとか触りたいとか、
ポジティブな感情を抱かせるってことだと思います。

でも、ゆるい、ゆるくないというのは、
感覚でしかないですよね。