江~姫たちの戦国~ 第33話 その背景 -関ヶ原の戦い その2- 武断派と文治派 三成襲撃事件 | テレビ番組 時事ネタなど書いていきます。はい。

江~姫たちの戦国~ 第33話 その背景 -関ヶ原の戦い その2- 武断派と文治派 三成襲撃事件

第33話 「徳川の嫁」 ストーリー関連では、
秀忠との間の2人目の娘、
珠から連なる血脈についてはこちらをご覧下さい。

世紀のワイドショー!ザ・今夜はヒストリー ~浅井家、江の血脈~
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-10956929689.html


さて、関ヶ原の戦いについて学び直しの最中である私なんですけれど、
やはり、高台院がどう振る舞ったかがよくわからないままです。
対して、毛利家については手がかりを得たかもしれません。
関ヶ原を理解するために、
少し前進したと思います。

先週の「江」の引きは、徳川家康が他大名家と婚姻関係を結ぼうとしている、
それも、日本中の大名家と、となっていました。

豊臣秀吉は生前、許しのない大名家間の縁組を禁じていました。
それは、豊臣家の他に強大な勢力が生まれるのを防ぐためだったでしょう。
秀吉が定めた法をないがしろにするこの家康の行いに、
五大老のうち家康を除く四大老と五奉行は、
その罪を問いただすべく、3人の大名を家康の元へ使わします。

失念していた

などと、すっとぼける家康でありましたが、
さらに詰問しようとすると、
恫喝を以て使者たちを黙らせてしまいました。


ところで、石田三成が襲われましたけれど、
この石田三成襲撃事件の原因は根深く、
そして、関ヶ原を理解する上で欠かせない出来事です。
今回はここを掘ってみます。


遡る事、文禄の役は1592年。
そして、慶長の役は1597年。
いわゆる朝鮮出兵ですけれど、
この戦いで徳川家はドラマでも描かれたように、
朝鮮には渡らずに済みました。
それは徳川家が関東に移ったばかりだということが考慮されたものでした。
対して、特に西国の大名たちの多くは、
領地の留守を強いられてしまいました。
その間にも行われる太閤検地、出兵による国力の衰退、
徳川家のほうは力を維持することが出来ました。
これは関ヶ原で大きな意味を持つ事となります。

この文禄・慶長の役では、
「武断派」と「文治派」の対立が顕在化することとなりました。
武断派は主に戦場で武働きで主家を支えてきた諸将の事で、
他方の文治派は政務を司っていました。
戦で血を流してきたのは自分たちだ、という自負がある武断派たちが、
城中で事務仕事をしている文治派を評価するのは難しく、
さらに文治派が戦での論功行賞に口を出されて、
それが不当だと感じ、戦ごとに繰り返されたならば、
その不満は、武断派の間での共通の鬱積となっていくでしょう。
それに、天下が平定されていけば、
戦は日に日に少なくなっていくはずで、
武で身を立ててきた将たちに活躍の場が少なくなるのは
当然といえば当然なのかもしれません。

これは豊臣家に限った話ではなく、
たとえば、徳川家でも見られる話で、
徳川家を代表する勇将、本多忠勝(ドラマでは刈谷俊介さん)は
政務担当の本多正信(ドラマでは草刈正雄さん)を
快く思っていなかったようです。
(元は藤原兼通を祖とする本多氏ですが遠い昔に別れた二家)
武で徳川を支えた忠勝は、正信を「腰抜け」呼ばわりしていますし、
同じく武勇を振るった榊原康政も「腸の腐った奴」と散々です。
ただ、正信の幸運は、
目をかけてくれていた主・徳川家康が
自分の死直前まで生きていたことと、
忠勝が大坂の陣の前には死んでいたことかもしれません。

話を戻しまして、豊臣家での武断派と文治派の対立なんですけれど、
文禄・慶長の役で休戦や講和に尽力したのは石田三成でした。
そして、彼が論功行賞に大きな影響力を及ぼします。

福島正則、加藤清正、細川忠興、浅野幸長、加藤嘉明、黒田長政らは、
朝鮮に渡り、辛酸をなめつつ奮闘し、武功を挙げました。
この戦に派遣された目付が彼らの働きを見ている訳で、
その目付の人選も
最終的に秀吉に報告するのは石田三成だったんです。
福島正則や加藤清正らの武功の評価は、
彼らが受け入れがたいほど低いものだったようです。
石田三成は曲がったことが嫌いだったようで、
この時の報告も、間違ったものではなかったかもしれません。
しかし、その評価に不満を抱いた勇将たちは疑います。

三成が讒言したのではないか

自分たちをおとしめるために、
評価を著しく低くした、事実を曲げたのではないかと。

豊臣の天下は自分たちの武勇があったればこそ、
成し遂げられたものだという自負と、
それが正当な評価を受けられないことの鬱積が石田三成へと向かいます。

それでも、まだ武断派の諸将は行動に移す事はありませんでした。
亡き主の友であり、五大老の前田利家が、
その間に入っていたからでした。

その利家が死亡します。
武断派と文治派、
五大老、五奉行10人の間でも
バランスを担っていた利家がいなくなりました。

上の福島正則、加藤清正、細川忠興、浅野幸長、加藤嘉明、黒田長政に、
池田輝政を加え、この"豊臣七将"が三成を襲います。
(藤堂高虎と蜂須賀家政もいたとかいないとか?)

七将襲撃事件。
七将は大坂城下の加藤清正邸に集結。

大河ドラマ 江~姫たちの戦国~

一気に石田三成邸に踏み込み、三成を討ち取る算段でした。
しかし、三成もこれを察し、重臣・島左近と大坂を脱出、
彼が逃げた先は伏見城。
徳川家康が入っている城でした。

家康が豊臣家を乗っ取ろうとしていると考えていたのは、
誰あろう三成自身。
そこへ逃げ込みました。

三成が何を考えていたのか、
それは当人でないとわからないのかもしれませんが、
三成の計算では、自分を家康が殺すはずはない、
そう考えていたのは間違いないでしょう。
少なくとも、今は。

この時、家康が三成を殺すことは簡単ですが、
その効果は少ないといえるでしょう。
家康にとっては、豊臣家中が二派に分かれてもめている訳です。
もう少し、これを放置するか煽るかすれば、
さらに豊臣の力は失われるはずです。
だから、家康はまだ自分を殺さない、
三成はそう読んでいたのかもしれません。

そして、そのとおり、三成憎しと、伏見城へ押し寄せ、
身柄引き渡しを迫る七将に対し、
それを慰撫しようとしています。

大河ドラマ 江~姫たちの戦国~

この時、三成を匿うことにしたのは、
本多正信の進言があったからとも。

それでも引き下がらない彼らに対し、

三成を斬ろうとするならば、この家康を斬ってみよ

とまで言ってみせたとも。

ただし、家康もただ七将を帰らせた訳ではありません。
ここで三成を討たない代わりに、
彼の居城である佐和山城へ蟄居させることを
条件として提示していました。

石田三成、豊臣秀吉に対する彼の忠誠心は
誰にも負けなかったと思います。
ただ人望がありませんでした。
曲がった事が大嫌い、融通が利かない、
その彼が、豊臣から放り出されてしまいました。

一方、最大の邪魔者を労せずに排除出来た家康は、
豊臣家の中で専横を極めていきます。

豊臣愛に燃える石田三成が
これを許すはずはない訳でして。

大河ドラマ 江~姫たちの戦国~

さらにそれを見越していたのか、徳川家康は…?

ねてしてタペ



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