潜水艦で台風を弱体化??? | テレビ番組 時事ネタなど書いていきます。はい。

潜水艦で台風を弱体化???

台風:潜水艦使い海水温度下げて抑制 三重の会社が特許

ちょっと面白かったので、
記事にしてみようかと思います。

突飛に見える話ではあるんですが、
説明を聞くととてもよくわかる話で、
よく気がついたなあ、なんて思います。


まず、台風の進路の海上にその潜水艦を配備します。
その潜水艦は、目的地に着いたら、
水深30mあたりから海水を汲み上げます。
そしてその海水を上へ、海面方向へ放出します。

これで台風がこの海域を通れば、
台風の大きさ、強さを弱めることが出来るだろうというものです。


台風が出来るのは海水温が25~26℃以上、
また、勢力を維持するためには、27℃以上が必要だとされています。
もちろん、これは海面付近の水温で、
これよりも低い海水を、少し深い部分の海水を混ぜてやり、
海面付近の水温を少し下げてやろうというのが、
この技術の種です。

三重県桑名市の伊勢工業の北村皓一社長(84)によれば、
潜水艦20隻を台風の進路に配備すると、
1時間で周辺海域5万7600平方メートルで水温を3度程度下げられ、
台風の勢力を弱められるとのこと。

気象研究所などは、進路予測の精度の問題はあるものの、
理論上は台風を小さくできるだろうと言っています。

この技術は、既に日米印で特許申請され、
日印では既に認可、さらに間もなく米でも認められる見通しだとか。
これまでも、台風の制御については様々な理論、
実験もありましたが、空、雲に対するアプローチだったように思います。
海から台風を制御しようとは素晴らしいですね。
20日は敬老の日でしたけれど、
ここの社長さんの年齢からも驚きました。


この種の話を初めて聞いたのは、
やはり、「特命リサーチ200X」でした。
調べてみますと、1997年09月21日の放送でした。

かつて、米で台風被害を抑えるべく行われた実験の一つ、
1962年の"Project Stormfury"がそれ。
最初の実験はフロリダ沖のハリケーン。
台風の眼の外側に沃化銀を投入、人工的に積乱雲を作り、
台風の眼を拡大、台風の勢力を縮小しようという計画でした。

Project Stormfury


理論そのものは正しいとは言い切れませんでしたが、
ハリケーンの最大風速を小さくすることには成功しました。
その後、フィリピン沖での実験も計画されましたが、
1971年の台風委員会で日本がこの実験について反対を表明しました。
日本にとっても、大きな被害をもたらしうる台風ではありますが、
年間降水量の20~40%を台風に頼っている現実も存在しています。
技術的な安全性が確認されていない事に加えて、
このような台風が来てくれなければ、
水不足に陥る日本の水の現実が台風を必要としていたのでした。

今回の潜水艦による台風の制御はどうでしょうか。
その運用は、慎重の上にも慎重を期さねばなりませんね。

ねてしてタペ