ひき算の概念 3 「幼稚」
〔助教授〕 「 ひき算ができないのは、差がわかっていないからです。」
「 差がわかっていない。つまり、ひき算の概念がわかっていない。
だから、ひき算の概念を教えないといけない。」
私 ( ひき算の概念? ) 内言
「 ひき算の概念を教えると言っても、小学1年生には難しくないですか。」
「 『 5 - 3 』 についてですが、先ず たして 5 になる足し算が十分できているか
確認した上で取り組んだ方がいいでしょう。」
「 小学1年生なら ‘ おどうぐばこ ’ を持っているでしょうから、
その中の おはじき を使って、
何こ と 何こを足すと 5こ になるか十分練習してから、
『 5 - 3 』 のひき算をします。」
「 だから、ひき算は 初め 差を出す というより、
『 5つのおはじき から 3つのおはじきをひく ( とる ) と 残りはいくつある 』 と操作しながら
『 5 - 3 』 の計算の意味をおさえてみてはいかがでしょうか。」
「 たぶん、このお子さんだけでなく、
同じクラスの中にも ひき算のできない子 がいるでしょう。」
( 私自身が小学1年生のときのことを思い出すと、
ひき算のできない同級生がいましたから。)
お母さんは、うなずいた。
〔助教授〕 「 おはじきを使う!そんな幼稚なことじゃないんだ。
差を ひき算の概念を 教えないといけないんだよ。」
この発言により、 私は幼稚な大学生である という場の雰囲気ができました。
これも言葉のもつ概念の威力でしょう。
【 幼稚 】 おさないこと。
・ 年が少ないこと。子供であること。
・ やり方などが大人らしく成長してはいないこと。子供っぽいこと。未熟。
次回 ひき算の概念 4 「残り」 につづきます。