『 速さの公式は使えるように 14 』
○ v = a t + v₀ と x = v₀ t + (1/2) a t² を使って、
v² - v₀² = 2 a x を導く。
次の [ ] に適切な語句・式などを入れてください。
v = a t + v₀ ・ ・ ・ ①
x = v₀ t + (1/2) a t² ・ ・ ・ ②
v² - v₀² = 2 a x ・ ・ ・ ③
が、それぞれ
[速度] と 時間 、
[変位] と 時間 、
[速度] と [変位]
の関係を表しているから、①と②で t を[消去]すれば、③が導けそうです。
①を変形する。
v = a t + v₀
a t + v₀ = [ v ]
a t = [ v - v₀ ] ( 移項した )
t = ( v - v₀) / a ( ただし、a ≠ 0 ) ( 両辺を a でわった )
これを②に代入する。
x = v₀ t + (1/2) a t²
x = v₀ { ( v - v₀) / a } + (1/2) a { ( v - v₀) / a } ² ( 代入により t を消去 )
x = ( vv₀ - v₀²) / a + (v - v₀)² / 2 a
2 a x = 2 ( vv₀ - v₀²) + (v - v₀)² ( 両辺を 2 a 倍 )
2 ( vv₀ - v₀²) + (v - v₀)² = [ 2 a x ]
2 vv₀ - 2 v₀² + ( [ v² - 2 vv₀ + v₀² ] ) = 2 a x ( 展開 )
v² - v₀² = 2 a x
導けた。 ( これは、a = 0 でも成り立つ )
3つの公式
v = a t + v₀
x = v₀ t + (1/2) a t²
v² - v₀² = 2 a x
が、それぞれ
等加速度直線運動 ( 水平方向 など ) の
速度 と 時間 、
変位 と 時間 、
速度 と 変位
の
関係を表していることを理解すれば、
重力加速度 g m/s² を使った次の 9つの公式 ( 鉛直方向の等加速度直線運動 )
は、とても理解しやすいはずです。
( 重力加速度の向きは、常に 鉛直方向下向き )
自由落下(運動) 下向きを正とする
v = g t
y = (1/2) g t²
v² = 2 g y
投げ下げ(運動) ( v₀ = 0 のとき、自由落下 ) 下向きを正とする
v = g t + v₀
y = v₀ t + (1/2) g t²
v² - v₀² = 2 g y
投げ上げ(運動) 上向きを正とする
v =- g t + v₀
y = v₀ t - (1/2) g t²
v² - v₀² =- 2 g y
【 斜め投げ上げ運動 】
○ 次の [ ] に適切な語句・式などを入れてください。
水平方向 ( 地面 : y = 0 ) からの角度がθである斜め上方へ初速度 v₀ で ある物体を投げると、
水平方向の初速度は、 v₀ cosθ
鉛直方向の初速度は、 v₀ sinθ ( 高校数学の三角比 )
投げてからの経過時間を t とすると、
水平方向には力が働いていない から 加速度はなし、 [ ∵ 力 = 質量 × 加速度 ]
よって、等速直線運動だから、
速度 と 時間の関係式はなく、 Vx = [ ] と 速度は一定
変位 と 時間の関係式は、 x = ( [ ] ) ・ t ・・・ ①
鉛直方向には重力のみが働いている から 等加速度直線運動になるので、
重力加速度を g とすると、
速度 と 時間の関係式は、 Vy = - g t + [ ] ・・・ ②
変位 と 時間の関係式は、 y = ( [ ] ) ・ t - (1/2) g t² ・・・ ③
速度 と 変位の関係式は、 Vy ² - ( [ ] )² = - 2 g y ・・・ ④
重力以外の力が働かない状況で、最も遠くにとどくように投げたとき、
θの値 と その地点までの距離を求める。
投げてから地面 ( y = 0 ) につくまでの時間を求める。
y = 0 を ③ に代入して、t を求める
0 = ( v₀ sinθ)・t - (1/2) g t²
( v₀ sinθ)・t - (1/2) g t² = [ ] ( t の2次方程式 )
[ ] = 0 ( 因数分解で解く )
t = [ ] , [ ]
t > 0 だから、
投げてから、地面につくまでの時間は t = [ ] である。
これを ① に代入すると、
x = v₀ cosθ・ { [ ] }
= ( 2 v₀² sinθcosθ) / g
= ( v₀² sin 2θ) / g ( 三角関数の2倍角 )
最も遠くにとどく とは、x が最大値をとること。
x が最大値をとる とは、sin 2θが最大値をとること。
sin 2θは、x y 座標平面における単位円 ( 中心が原点で 半径が 1 ) の [ ] だから、( 三角関数 )
-1 ≦ sin 2θ≦ 1
よって、2θ= 90°のとき、sin 2θは最大値 1 をとる。
以上より、θ= [ ] のとき、
投げた地点から最も遠い x = [ ] のところにとどく。
次に、最高点の位置 と そのときの t の値を求める。
1つの解き方
y = ( v₀ sinθ) ・ t - (1/2) g t² ・・・ ③ は、
高さ(変位) y と 時間 t の関係式で、
y が t の2次関数であることを表している。
よって、
この t の2次式の最大値が最高点の位置を表し、
このときの t の値が求めるべき値である。
t の2次式を 完全平方式 に変形すればよい。 ( 高校数学 : 2次関数 )
y = ( v₀ sinθ) ・ t - (1/2) g t²
y = - (1/2) g t² + ( v₀ sinθ) ・ t
2次と1次の2項式を [ ] でくくる
y = - (1/2) g [ t² - { ( 2 v₀ sinθ)/g } ・ t ]
[ ] をたしてひく
y = - (1/2) g [ t² - { ( 2 v₀ sinθ)/g } ・ t + { -( v₀ sinθ)/g }² - { -( v₀ sinθ)/g }² ]
2乗、積の2倍、2乗の3項式は [ ] に
y = - (1/2) g { t - ( v₀ sinθ)/g } ² + ( v₀ sinθ)²/2 g
t y 座標平面における この2次関数のグラフについて
・ 向き : 上に凸
・ 軸 : t = ( v₀ sinθ)/g
・ 頂点 : ( ( v₀ sinθ)/g , ( v₀ sinθ)²/2 g )
・ t 軸 ( y = 0 ) との交点の座標 ( 0 , 0 ) , ( (2 v₀ sinθ)/g , 0 )
・ y 軸 ( t = 0 ) との交点の座標 ( 0 , 0 )
ゆえに、
t = [ ] のとき、最大値 y = [ ] をとる。
別の解き方
最高点では鉛直方向の速度が [ ] になる。
鉛直方向の 速度 と 時間の関係式は、
Vy = - g t + v₀ sinθ
これに Vy = [ ] を代入して計算すると、
t = [ ] これが、最高点の位置にあるときの t の値である。
鉛直方向の 速度 と 変位の関係式は、
Vy ² - ( v₀ sinθ)² = -2 g y
これに Vy = [ ] を代入して計算すると、
y = [ ] これが、最高点の位置である。
物理現象を把握して、
変位や速度が 0 になると判断し、公式を使うといいですね。
数学の知識も役に立ちますね。
丸覚えは、丸覚えの連鎖を生む。
丸覚えが有効なときもある。
丸覚えでも、テストによっては高い点をとれる。
丸覚えで成功すると、その成功体験・経験に基づき、また丸覚えする。
しかし、
丸覚えすべき対象の量と質の変化により、やがて丸覚えできなくなる。
これが
小学校の低学年のときできたのに、高学年になるとできなくなる。
小学生のときできたのに、中学生になるとできなくなる。
中学生のときできたのに、高校生になるとできなくなる。
ということの原因の1つでしょう。
高校生になると、テストばっかりですよ。定期考査、実力考査、模擬試験など。
テストのたびに、
良い点・高い点を取るために覚えては忘れる行為をくり返していると、(脳に良くないかも)
だんだんやる気がなくなるでしょう。
「 また覚えないと。」
「 もう覚えられない!」
「 覚えるのは、もうイヤ!」
もう勉強がイヤになるでしょう。
勉強は、少なくとも、ものごとを的確に把握し、適切に対処できることを身につけるためのものです。
それを身につけた結果がテストの高得点につながればよい。
勉強そのものを楽しみ、テスト結果を喜ぶ。
過程(プロセス)を楽しみ、結果を喜ぶ。
小中高と進学するにつれて、
過程をおろそかにして結果のみを喜ぶことは、だんだん難しくなります。
なぜなら、勉強の対象が 1つ1つの知識 から それを組み合わせた知識体系になるから。
次回 『 速さの公式は使えるように 15 』 につづきます。