展開を習得するための流れ
中3数学(多項式の計算1) 前々回
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中3数学(多項式の計算2) 前回
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中3数学(多項式の計算3) 今回
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『まぐまぐ!』の有料メルマガのサンプル誌 次回
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中3数学(多項式の計算3)
負担軽減 「2項式×2項式は、1回目、2回目と3回目、4回目」
2項式×2項式
1 (ⅹ+7)(ⅹ+3) を展開しなさい。
1回目は 前の項どうしのかけ算で スクロールストップ
ⅹ² になる
2回目は スクロールストップ
+3ⅹ になる
3回目は スクロールストップ
+7ⅹ になる
4回目は 後の項どうしのかけ算で スクロールストップ
+21 になる
= ⅹ²+3ⅹ+7ⅹ+21
同類項を計算する
= ⅹ²+10ⅹ+21 (答えの式)
2 (ⅹ+2)(ⅹ-4) を展開しなさい。
1回目は 前の項どうしのかけ算で スクロールストップ
ⅹ² になる
2回目は スクロールストップ
-4ⅹ になる
3回目は スクロールストップ
+2ⅹ になる
4回目は 後の項どうしのかけ算で スクロールストップ
-8 になる
= ⅹ²-4ⅹ+2ⅹ-8 (途中の式、項数4)
同類項を計算する
= ⅹ²-2ⅹ-8 (答えの式、項数3)
2. ⅹ²-2ⅹ-8 解答欄 (答えの式、項数3)
上のように答えをだすのに、
式は、(与えられた式)、(途中の式)、(答えの式)の3つです。
こうして計算して、解答欄に(答えの式)を再度書き込みます。
(途中の式、項数4)と(答えの式、項数3)と解答欄の(答えの式、項数3)
全部で10項
(途中の式、項数4)と解答欄の(答えの式、項数3)全部で7項
次に、「公式」を使ってみましょう。
(ⅹ+2)(ⅹ-4) (与えられた式)
「公式: (ⅹ+a)(ⅹ+b)=ⅹ²+(a+b)ⅹ+ab 」 に対応する項を代入
= ⅹ²+(+2-4)ⅹ+(+2)・(-4) (途中の式、代入の項数5)
= ⅹ²-2ⅹ-8 (答えの式)
2. ⅹ²-2ⅹ-8 解答欄 (答えの式、3項)
やはり、式は、(与えられた式)、(途中の式)、(答えの式)の3つです。
(答えの式)を書かず、(途中の式) のあとすぐに(答えの式)を解答欄に
書き込んでもいいでしょう。
それでも、(途中の式、代入の5項)と解答欄の(答えの式、3項)全部で8項分
公式を使っても使わなくても、書く項数つまり書く分量は変わりません。
公式の丸覚えの場合、
公式への代入、そのあと計算という2つの段階を踏まなければなりません。
計算力のない生徒は、公式への代入だけでも精一杯で計算する余力が
残っていません。当然、時間もかかります。
「 公式を覚えた方が、ラク 」という心地よい言葉に乗せられると、
数学ができなくなります。
ここで少しだけ速く(答えの式)を、解答欄に直接書き込む方法を提示します。
おことわり : これから中学数学、高校受験数学、高校数学そして
大学受験数学に取り組んでいくうえで、計算の(途中の式)はとても大切です。
だだし、今回だけは100点満点をとるために、あえてこの{2項式×2項式}の
計算では(途中の式)を丁寧には書きません。
正確さと速さのバランスが、高いレベルで要求されるためです。
3 ( ⅹ-3y )( ⅹ+2y ) を展開しなさい。
first step
1回目を解答欄に直接書き込みます
(答え) ⅹ²
second step
2回目 と 3回目を(与えられた式)の下に書きます
( ⅹ-3y )( ⅹ+2y ) を展開しなさい。
+2ⅹy-3ⅹy
third step
2回目と3回目の同類項を計算して解答欄に直接書き込みます
(答え) ⅹ²-ⅹy
fourth step
4回目を解答欄に直接書き込みます
(答え) ⅹ²-ⅹy-6y²
この方法だと、項数は5項で上の方法より、2項以上少なくて済むので、
10問で20項以上、20問で40項以上の差が生じます。
中間テストで展開・因数分解の計算問題が50問でると仮定して、
1問あたり1分もかかっていたら、{展開・因数分解を利用する問題}まで
手が回らないのです。100点をとるには、正確さと速さの両立が必要なため、
途中の式(書く項数)の省略も必要になる場合があります。
4 ( 2ⅹ-3y )( 3ⅹ+4y ) を展開しなさい。
first step
1回目を解答欄に書き込みます
(答え) 6ⅹ²
second step
2回目 と 3回目を(与えられた式)の下に書きます
( 2ⅹ-3y )( 3ⅹ+4y ) を展開しなさい。
+8ⅹy-9ⅹy
third step
2回目と3回目の同類項を計算して解答欄に書き込みます
(答え) 6ⅹ²-ⅹy
fourth step
4回目を解答欄に書き込みます
(答え) 6ⅹ²-ⅹy-12y²
second step と third step が暗算で正確にできれば、
いきなり 解答欄に(答えの式) の3項だけを順に書き込めば済みます。
チャレンジしてみてはどうですか。
1回目を書き込む
2回目と3回目の同類項を暗算して書き込む
4回目を書き込む
練習 1 次の式を展開しなさい。
[1] ( a+7b )( a-8b ) [2] ( ⅹ+7 )( ⅹ+8 )
[3] ( ⅹ-3y )( ⅹ-4y ) [4] ( 2a-3b )( 7a+5b )
[5] ( 3ab+2c )( 2ab-3c ) [6] ( 3b-a )( -2a+7b )
[7] ( ⅹ+y-8 )( ⅹ+y+7 ) [8] ( 2a-b+5 )( 2a-10-b )
解答は、下の方にあります。
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平方数を確認しよう!
平方数 : ある数を2乗(平方)した数
1から20までの整数の平方数を求めましょう。
1² = 1
2² = 4
3² = 9
4² = 16
5² = 25
6² = 36
7² = 49
8² = 64
9² = 81
10² =100
小2の「九九」は、とても役に立ちますね。
練習 2 11 から 20 までの整数の平方数を求めなさい。
[1] 11² [2] 12²
[3] 13² [4] 14²
[5] 15² [6] 16²
[7] 17² [8] 18²
[9] 19² [10] 20²
解答は、下の方にあります。
練習 3 次の数の平方数を求めなさい。
[1] 0.2² [2] 1.5²
[3] (1/2)² [分数 2分の1 の2乗]
[4] (3/4)² [分数 4分の3 の2乗]
解答は、下の方にあります。
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練習 1 の解答
[1] a²-ab-56b² [2] ⅹ²+15ⅹ+56 [3] ⅹ²-7ⅹy+12y²
[4] 14a²-11ab-15b² [5] 6a²b²-5abc-6b² [6] 21b²-13ab+2a²
[7] ( ⅹ+y-8 )( ⅹ+y+7 ) 3項式×3項式 を 2項式×2項式 に
共通部分 ⅹ+y をまとめる
={ ( ⅹ+y )-8 }{ ( ⅹ+y )+7 } 1回目、(2回目と3回目)、4回目
=( ⅹ+y )²-( ⅹ+y )-56 2乗、積の2倍、2乗 と 括弧をはずす
=ⅹ²+2ⅹy+y²-ⅹ-y-56
解答への他のアプローチ
( ⅹ+y-8 )( ⅹ+y+7 ) 3項式×3項式だから、9回かけ算をする
= ⅹ²+ⅹy+7ⅹ
+ⅹy+y² +7y
-8ⅹ-8y-56
= ⅹ²+2ⅹy+y²-ⅹ-y-56
[8] ( 2a-b+5 )( 2a-10-b )
={ ( 2a-b )+5 }{ ( 2a-b )-10 }
= ( 2a-b )²-5( 2a-b )-50
= 4a²-4ab+b²-10a+5b-50
解答への別のアプローチ
( 2a-b+5 )( 2a-10-b )
=( 2a-b+5 )( 2a-b-10 )
= 4a²-2ab-20a
-2ab +b² +10b
+10a-5b-50
= 4a²-4ab+b²-10a+5b-50
練習 2 の解答
[1] 121 [2] 144 [3] 169 [4] 196 [5] 225
[6] 256 [7] 289 [8] 324 [9] 361 [10] 400
「筆算」してもいいですし、
「2項式×2項式」を活用してもいいでしょう。
17² の場合 17² = 17 × 17
= ( 10+7 )×( 10+7 )
= 100 +70 +70 +49
= 289
19² の場合 19² = 19 × 19
= ( 10+9 )・( 10+9 )
= 100 +90 +90 +81
= 361
19² = 19 × 19
= ( 20-1 )・( 20-1 )
= 400 -20 -20 +1
= 361
練習 3 の解答
[1] 0.04 [2] 2.25
[3] 1/4 [4分の1]
[4] 9/16 [16分の9]
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