単純な脳、複雑な私
今日の一冊:「単純な脳、複雑な私」本にはその著者(体験者)の言葉で示された多種多様の智慧が詰まっているわたしが好んで読む本特にここ数年の傾向は形ないものについて書かれているものが多い形がないということは目には見えず触ることもできないだけど何となくその存在を認めているもの例えば「心」とか 「思考」とか「時間」「人生」「言葉」 などなどそもそもわたしは自分の心の動きを理解したくていわゆる「心理学」の本を読み始めたどうしてわたしはこんなことを思うのかなんでこの感情は勝手に湧いてくるのか自分の頭で考えてもどうにも上手く収まりがつかないので本という「外の世界」に助けを求めたなーんだわたし以外にもこんなに多くの人間が同じようなことを考えて 悩んだり苦しんだりしてるそう気づいただけで心は軽くなるでも心が軽くなることと 答えを見つけることは違う「どうして」「なぜ」に対する答えらしきものを見つけたとしてもそれが自分の経験に基づかない限り本当の理解にはつながらない本の筆者が語る「なぜ」に対する答えらしきものはその筆者本人が経験を通して導き出したものでわたしの経験ではないそれは彼・彼女の真実であって わたしの真実ではない表面上では理解したつもりになって原因を突き止めたような晴れ晴れとした気分を味わってもわたし自身が実際に経験していない誰かの真実ではその智慧がわたしの中に根付くことはない樹齢千年の大木が嵐にびくともしないのは地下深くまでおろした根っこがあるから一度根付いた自分の真実は必ず自分の力になりさらに多くの経験を重ねて揺るぎないものに生長しやがては他者を救う力にもなるだからといって他者が語る真実に耳を傾けることは 決して無駄ではない真実はひとつそして経験を通してのみ その核心に迫ることができるそれをどうにか言語を駆使して伝えようと核心までは説明できなくとも せめてヒントになるような表現をとあの手この手を使って文字にしている読者はその「智慧のおすそ分け」からインスピレーションを得てそれがいつか自分の真実につながる架け橋になることもある結局「他者」も「自分」も存在しない真実の世界ではすべての存在が独立しながら同時につながっている状態で誰かが悟った真実が 波紋のように拡がって他の存在に影響を与えることは不思議じゃないさて抽象的な概念についてばかり読んでいるとたまには形あるものにも興味を注いでみようと思うわたしが読む本によく出てくる智慧のひとつ「何事もバランスを保って成り立っている」真実は相対的な概念のどちらか一方だけでは説明できない要するに形ないものについてどれだけ詳しく理解したとしてもまた形あるものについてどれだけ精通しているとしてもどちらか一方に偏ってしまっていると真実には近づけない真実とはその両方が同時に存在している場所にあるからこの本は脳研究者が高校生相手にした講義を収録したもの内容はもちろん彼の専門である「脳」の働きや作用について高校生が相手ということでたくさんの興味深い実験と分かり易くかみ砕いた言葉で説明されていて脳についての知識などほとんど無いに等しいわたしの頭でも理解できたわたしの頭、つまり「脳」わたしの「脳」でも理解できた、「脳」についての話わたしたちが「脳」について考えているときそれを考えているのが何を隠そうその「脳」そのもの「脳」が「脳」について考えているううーん。。。こんな不思議な感覚を受ける理由や心(精神)と脳(物質)の関係人間の自由意志について話し合ったりと何とも奥が深く面白がっているうちに読み終えてしまうそんな本だった 単純な脳、複雑な「私」 (ブルーバックス) 1,296円 Amazon