サブタイトルは「メンバーが自ら動き出す『伝え方』のコツ」です。

最近私は組織のリーダーシップについて考えることが増えてきました。

大きな組織に限らずチームのような小さな単位でも

メンバーと協力してよりよいコミュニケーションを

とりたいと思うようになったからです。

正直リーダーや上の立場の人は経験値から自然と

「指導」や「アドバイス」をしてしまうものだと思っていました。

しかし、この本では「アドバイスをしない」とうたっています。

最初は「では、何をするのだろう?」と疑問を持ちながら読み進めました。

この本ではある主任の成長支援を3人の課長をモデルに描きながら

優れたリーダーとはどんな人か」

を考えられる構成になっています。

マンガも交えられておりとても分かりやすい内容でした。

最初のふたりの課長は著者がいう

「陥りがちなパターン」の指導方法を実践しています。

具体的には、

  1. 部下のミスをすぐに指摘したり、解決策を押し付けたりするパターン

  2. 部下に気を遣いすぎて、あいまいな態度をとってしまうパターン

です。私自身もつい前者の関わり方をしてしまったことがありますし

後者のように「相手を傷つけたくない」と思うあまり

はっきり意見を伝えられずに悩んだこともあり非常に共感しました。

最後に登場する課長は「よいリーダー」として描かれています。

部下に頭ごなしに指示するのではなく、部下自身に

「どうすればよいと思うか」

「もう一度やるとしたら、どんな風に進めたいか」

と未来志向で考えさせる関わりをしています。

批判や否定をせず部下の意見を受け止め

一緒に考える姿勢です。

この章を読んで部下が主体的に考え行動できるよう

導くことの大切さを改めて感じました。

さらに印象的だったのは

リーダー自身も完璧である必要はなく

不完全な自分を見せながら一緒に悩む姿勢が自然だということです

完璧な指導ではなく対話を通して互いに学ぶ関係性を築くことが

長期的な成長につながるのだと理解しました。

もちろんすべての場面でこうした関わりが最適という

わけではありません。

仕事にはスピードや効率が求められる場面もあります。

その場合は必要な指示やルールのもとで

自己決定を促すなど状況に応じた判断が重要です。

本書ではその点にも触れられており

読者の疑問を先読みしているようで感心しました。

私自身も少し前に後輩に具体的な指示を出すばかりで

自分で考える余地をあまり与えていなかったことに気づきました。

この本を読んでからは

「どう考えるか」を問いかける関わり方を意識しています。

日々の仕事で少しずつ試すだけでも

部下の自発性を引き出せるのではないかと感じています。

全体的にアドラー心理学の考え方にも通じる内容でした。

フィードバックよりフィードフォワードを意識する」

という表現も印象的で今後取り入れたいと思います。

リーダーとしては「教える」方がやりやすい場合もあります。

自分自身の能力を高めることで

ある程度可能になるからです。

しかし本当に求められているのはマネジメント。

自分以外のメンバーを生かし生産性を高めるためには

リーダー自身の人間性も磨かれる必要があります。

道のりは遠いですが

仕事や日常での協業をよりよくするための考え方が詰まった本でした。