先日に続いてもう一冊、自己啓発系から離れて

小説を読みました。

恩田陸さんの『夜のピクニック』です。

恩田さんの本は『蜜蜂と遠雷』以来になります。

登場人物一人ひとりの心の描写がとても素敵だったので

また読みたいと思った作者さんでした。

この本もまた同様、まるで物語の中に入り込んだような

感覚になりました。

高校生活の一大イベントである「歩行祭」を描いた

この物語は、ただの行事の話ではなく、

人生の中で大切な何かを教えてくれる作品だと感じました。

特にこの本もまた登場人物たち一人ひとりの心情が

丁寧に描かれていて、

その感情の動きがゆっくりと私の中にも

浸透していくのを感じました。

そのため、ページを進めるごとにまるで自分も

80キロの道のりを歩いているような気持ちになりました。

歩行祭は一見すると何でもないような学校行事で

むしろ「やらなくてもいいんじゃない?」と

思う人もいるかもしれません。

でもこの単純な行事の中に「時間」と「挑戦」という

深いテーマが隠されていると私は感じました。

特に、限界に挑む中での「無」に近い状態——

その時にこそ、自分自身に向き合う時間が

持てるのかもしれません。

それがとても特別で深い体験だと思います。

この本を読んだことで、私自身もなぜか

歩きたくなりました。

普段の散歩でも頭がすっきりして新しい

アイデアが浮かぶことがありますが、

それをもっと超えた、疲れ果てるまで

歩き続けた自分を見てみたい、という

気持ちが芽生えました。

長い道のりの中で何を考え、何を感じるのか、

自分がどのように変わるのかを知りたくなったのです。

この年齢になると自分次第で容易に

あきらめる、やめるができることが多く、

学生時代のような「必死で」「頑張る」経験は

自ら意を決して行かないと得られない行動だと思います。

なので、自ら、というところに少し心が

くすぐられた感じです。

 

『夜のピクニック』は青春のきらめきや

儚さを感じさせるだけでなく、

普段の生活や日常の中で見逃してしまうような

「特別な瞬間」に気づかせてくれる素晴らしい作品でした。

小説は自分が経験していないことを追体験させて

もらえるような感覚を得られ、

その時自分がどう感じるか、などの心の動きに

気づくこともできるなとこの本を通じて思いました。

たまには知識インプットばかりではなく

こういう本も読んでいこうと思ったのでした。