最近秋を感じる出来事が続いています。
それだけ10月というのは季節の変化が
はっきりと表れる時期なのだなと実感しています。
そしてその変化をちゃんと感じ取れることに
なんとも言えない充足感を感じる今日この頃です。
私の犬のお散歩コースのひとつに
金木犀の木が並ぶ道があります。
今その道を歩くとなんとも言えない甘く優しい香りがふわっと漂ってきて
思わず深呼吸をしたくなります。
大きく息を吸って秋の空気を体いっぱいに感じながら歩くのは
今の私の楽しみです。
以前どこかで聞いたことがあるのですが
金木犀が花を咲かせるタイミングはとても神秘的だそうです。
春に芽吹いた新芽が夏の間に太陽の光をたっぷり浴びて
光合成を繰り返し、少しずつ花芽を育てていきます。
そして秋の気配が近づき
昼と夜の寒暖差が大きくなってくると
金木犀はその変化を敏感に察知するのだそうです。
一定の積算温度に達したときまるで自然の時計が
「今だよ」とささやくかのように一斉に花を咲かせるのです。
日本に多く植えられている金木犀は
実は挿し木で増やされたクローン株。
遺伝子的にほとんど同じなので環境の変化に対する反応も
ほぼ一緒なのだとか。
だからこそ、街路樹の金木犀がまるで打ち合わせでも
したかのように同じタイミングで香り出すというわけです。
その香りは風に乗ってどこまでも広がり
私たちの記憶の奥にある「秋」の感覚を優しく呼び覚ましてくれます。
そんな話を思い出しながら歩いていたらふと考えてしまいました。
木でさえ自然の変化を感じ取り
きちんと時の流れに応じて花を咲かせているのに
私はどうだろう、と。
最近は寝不足だったり、生活リズムが乱れがちだったり…。
つい自分のことは後回しにしてしまう毎日です。
でも私たちの体や心にもちゃんと「時間」が刻まれているはず。
それを感じることを忘れてはいけないなと思いました。
金木犀は静かだけれど確かな季節の合図。
私自身も自分の「今」をもう少し丁寧に感じ取って
いきたいと思わせてくれる香りでした。