我が家の犬は飼い始めた頃から来客や電話の音、

チャイムの音に反応して吠え続けてしまうことが多く、

ずっと気にしていました。

何度も試行錯誤を繰り返してきましたが

結果的にはうまくいかず、

そのままの状態が続いていました。

そんな中で、最近ふと、

「今からでもできることがあるのではないか」

と思い立ち、この本を手に取ったのです。

この本の中で、さまざまなケースに対して

「なぜそのような行動をするのか」

「どうすれば改善できるのか」

について、具体的にそして丁寧に説明されています。

実際に自分が直面している状況にぴったりな内容も多く、

参考になることがたくさんありました。

しかし、最も印象に残ったのは

巻頭に書かれていた言葉です。

「無駄吠え、というのは人間側が作った

言葉であって、

犬は決して無駄に吠えているわけではない。

犬には一つ一つちゃんと意味があって

吠えているのを、

人間の生活圏の中において都合が悪い場面で

鳴き続けることを無駄吠えと呼んでいる

だけである。

なぜ吠えるのか、を理解するところから

対策は始まる。」

この一節を読んだときドキッとしました。

私たち人間は、犬が吠えることに対して

「無駄」と感じ、

困っているだけかもしれません。

しかし、犬にはそれぞれの吠え方に理由があり、

何かを伝えようとしているのだと考えると、

私たちがその理由を理解することが

重要だと感じました。

犬にとっては、吠えることで自分の存在を示したり、

危険を知らせたり、何かしらの

コミュニケーションを取っているのです。

私たちが犬の気持ちを理解し、

接し方を見直すことで

無駄吠えを減らす方法が見つかるのでは

ないかと思うようになりました。

この気づきは、単に犬のしつけに限らず、

私たちの日常にも通じることがあるのではないかと

感じました。

私たちが相手の行動や言動に対して

「なぜそうするのか」を

理解しようとする姿勢を持つことが

よりよいコミュニケーションを生む

きっかけになるのではないかと思ったからです。

犬も私たちも、同じように

「伝えたい」という気持ちを持っているのだと思います。

これからは、無駄吠えを

「直さなければならない」と焦らず、

犬の気持ちを少しでも理解しながら、

共に過ごしていきたいと思ったのでした。