世間的に新卒の3年以内離職率は3割、という

話を聞いたこともありますが

私が勤めている会社も似たような感じで

優秀だなと思うような子ほど

積極的に自分のキャリアを考えるからこその

離職(転職)をしているような気がして

その経緯もまさにタイトルにあるような

上司側からすれば突然というケースも

お聞きすることから

少しでも現実を理解したいと思って

読んでみたいと思った本です。

金沢大学の教授である金間大介さんが著者です。

ご自身も日々接する学生たちから感じる

実体験やリアルな感想など、熱い思いが

”心の声”としてあちこちにちりばめられ、

私自身が接している若手社員の様子と

重ねながら非常に興味深く、楽しく、

Z世代と呼ばれる子たちの理解に

勉強になったと思いました。

同時に、先輩世代である私たちは

組織を高めあうために何を意識したらよいのか

私たちにとってそれぞれの経験から

様々な気づき学びがある本だとも思いました。

 

この世代の多くが「いい子症候群」であり、

汎用性のあるファストスキルを求め

正解を手っ取り早く求める、

失敗やリスクを恐れる、

平均からはみ出ることを嫌がり安定を願う、

圧力は苦手、という特徴には

非常に納得感がありました。

それはもしかしたら

年代がだいぶ上の私自身にも

通じる点があったからかもしれません。

そう思うと

若い世代の人たちがどうこう、というより

そうやって自分という存在を守るために

人はいろんなことを考えている

働き方についての価値観も多様化している

現代にいかに適合していけばよいかを

模索している人が多くなっているという

ことなのかもしれないと思いました。

そんな中で

会社という組織を維持発展していくために

幅広い世代の人たちで会社のために

それぞれの役割を果たしていき続けることが

欠かせない中、

これまでとは違うコミュニケーションの取り方を

一人ひとりが考える必要があることは

間違いないのではないかと思います。

これを、この本では導入している会社も

多くなってきている1on1の意義を

もう一度考えるという形で

上司や先輩たちがこれから若い世代と

どう接していくべきかを

筆者なりに提案をしてくれています。

終盤に書かれていた

”1on1は若者為にあるのではない、「あなた」のためにある”

という言葉は、

ともすれば年齢を重ねている自分が

若者よりなんでも「できる」「知っている」と

勘違いしていないか、

自分自身を顧みる、むしろ評価されている側にも

なっていることに気づきなさいと

教わりました。

働く姿を背中で見せられる先輩が

たくさんいる会社にいる若者は

きっと「この会社で働く」自分の5年後、10年後を

描くことができ、離職を考える人も

減るのかもしれないです。

”1on1は上司や先輩にこそ学びがある”

これを内省し、

”適切なフィードバック”ができ、それに対し

上司先輩が自ら動く

変化を求めるだけでなく

自らも変わる勇気、行動力を持つことが

活力のある会社になっていくのかも

しれないなと思いました。