お久しぶりの喜多川泰さんの本です。

がっつり自己啓発本なのですが

純粋に小説として読んでも読み終えると

心がきれいになれたような気持になり

自分の中の素直な、純粋な部分を

思い出させてくれるような

感覚になれるのが好きな理由のひとつ

かもしれません。

この本は特に、主人公とそのお相手が

17歳同士という年齢もあって

余計にそんなことを感じたのでした。

 

書店を営んでいる息子であるヨウスケ君が

ある日突然お店に訪れるハルカさんとの

出会いを通じて

それまで将来を漠然としか描けていなかった

でも何も行動を起こせていなかった日々から

自分の未来を真剣に考えることができる

青年になっていく様が物語の内容に

なっています。

 

自分に明日がある、って当たり前に思っている人へ、

もし、明日がないかもしれないという状況だったら

”今日”をどう生きますか?

という問いを一冊を通じて書かれています。

それは物語の終盤に知る事実ですが

ハルカさんは重い病気を抱えていたからで、

ヨウスケ君とは偶然出会ったようで

実は過去の思い出と紐づけられており、

ハルカさんが自分の人生を全うするためにも

ヨウスケ君によりよい人生を生きてもらいたい

という願いがあったことが読み進める中で

わかったときには

”自分(人)の生きる意味”

についてとても考えさせられましたし

誰かの、何かのために生きることへの

尊さについても考えさせられた気がしています。

 

ハルカさんはヨウスケ君に

TAKEのリスト(なりたい、したい、かなえたい夢)と、

GIVEのリスト(誰かにやってあげたいこと)の

両方を考えることで

夢に近づける、なりたい自分になれる

ということを伝えました。

また、

お金の価値を円を”ありがとう”に置き換えることで

考え方が変わってくるということを

伝えました。

読者の私たちもそれを考えさせられ

自分がどんな人生を生きたいか

死ぬこと以外は決まっていない人生であり

できない、無理、いろんな言い訳で

自分の人生の幅を狭めている、あきらめてしまう

ということになっていないかということを

問いかけられた気がしています。

やりたいこと、かなえたいことを

自分が行動するかしないか

それだけの違いだということを

この本のメッセージとして受け取りました。

 

色んな事をいろんな言い訳で

できない理由として並べていても

結局は自分で自分の可能性を

狭めているだけだという

応援メッセージなのだと思っています。

 

この本の最後は悲しい展開に

なってしまっていましたが

一冊を通じて受け取るメッセージは

決して悲観的なものではなく

むしろ、命に限りがある人からの

メッセージを自分事として

いかに受け止められるかだと思います。

どんな人生になるかは自分次第

それであれば

私の口癖である

どうせ

だって

という言葉を使わない人生にすれば

少なくとも頑張りたいと思う私に

自分でブレーキをかけるようなことは

すくなくなってくるのではないかなと

やりたいならやろうよ

という背中を押してもらうような

気持ちになったのでした。

やっぱり喜多川さんの本は

読み終わると力をもらえます。