タイトルに興味を持ったことと、

著者が”福井県立図書館”だったことに

興味を持って読んでみました。

 

このサブタイトルには

『覚え違いタイトル集』と書かれています。

そう、この本のタイトルは

一見子供時代に読んだよね~と

懐かしみそうになる本の題名と

思ってしまうところですが

本当は

『100万回”生きた”ねこ』

なのです。

このように、うろ覚えの本のタイトル、

勘違いで覚えられていた作者名、

話の大まかな雰囲気を手掛かりに

福井県立図書館の司書さんたちが

本に関する「覚え違い」の

エピソードをデータ化し

図書館のHPで公開されているものが

書籍化されたとのことでした。

 

このような、図書館の利用者からの

様々な本の手がかり求めてくる

事に対し、対話を通じてヒントを

得て、答えにつなげていく

お手伝いをする、

探している本に出会うための

対応のことを

【レファレンス】

というのだそうです。

図書館で働く人たちって

(私の個人的な印象ですが)

黙々と、静かに、淡々と

貸出対応を行ってくださったり

各フロア、コーナーの見守り役

みたいな感じで

その方たちと「会話をする」という

イメージを全く持っていなかったのですが、

本当はもっともっと利用者が

出会いたい本に会えるように

関わり方があるのだということ、

またそういう利用者さんを

司書の方々は待っててくださっている

ということを知れたのが

この本を読んだ最大の収穫だった

かもしれません。

 

検索に至るまでの楽しい利用者との

やりとりを

ほっこりエピソードとして

まとめられており、

またそれが「公開されている」

ことにとても公の機関でありながら

民主的な感じがして

好印象でした。

 

とにかく私たち利用者は

本の題名然り、作者名然り

おぼろにしか記憶していないものだと

数々のエピソードを読んで

自分もここに紹介されている人と

同じだな、とくすっと笑える

本でした。

本の中では90ほどのエピソードの

紹介でしたが、

出版時(2021年)時点では

約890件ものエピソードの宝が

蓄積されているそうです。

利用者からの

「〇〇っていう本(これが

記憶があいまいになっているネタの

部分です)ありますか?」

という問いかけに対し

「それは△△のことでしょうか」

みたいなやりとりがひたすら

紹介されているだけといえば

それだけなのですが、

そのシンプルさがとても良い!

今急に思い出しましたが

以前、お母さんが子供にメールを

するときに文字変換を誤って

送るのがネタとして紹介されていた

『おかんメール』という本が

ありましたが、

そのほっこりさにとても似ている

気がしています。

 

本という気負いもなくとても

気軽に楽しい1冊でした。

図書館で働く方々の様子も

垣間見ることができましたし、

もっと楽しく利用できるんだという

ことも知ることができました。

福井県立図書館のHPも

探しました!

新しい出会いを得られたような

キモチです。