しんどい毎日を送っている時

一人で抱え込んでもうどうしていいか
わからなくなった時
助けを求める方法も思いつかず
見えている世界がだんだん狭くなっていき
こんなに苦しい思いをしているのは
日本の中で私だけかも
なんていう極端な心理状態に
なってしまったりしたことがありました。
街で行き交う人たちや

TVで流れる情報も

同じ時間を生きているのに

自分だけ孤島にいるような

交わらないところにいるような

そんなときもありました。

 

かつてのそんな経験を

思い出した時に目に留まった本の

タイトルでした。

岸田奈美さん著。

noteで綴った37日間分の日記を

本にまとめられています。

 

岸田さんのご家族に起きた

出来事で、介護、看護などを

一度に背負った日々の苦闘と

理不尽な想い、

どこにもぶつけようのない

気持ちを綴っています。

その「もうあかんわ」という

想いを絶望で終わらせず

ユーモアを交え

泣き笑いに置き換えていった

筆者のたくましさに

薄い表現しかできませんが

【前を向く力】

をいただけた気がしています。

 

~本より抜粋~

かのチャップリンは

「人生はクローズアップで見れば

悲劇だが、

ロングショットで見れば喜劇だ」

といった。

わたしことナミップリンは

「人生は、ひとりで抱え込めば

悲劇だが、

人に語って笑わせれば喜劇だ」

といいたい。

ユーモアがあれば人間は絶望の

底に落っこちない。

 

私自身のいろんな過去の出来事を

振り返りながら

この文章を何度も読み返しました。

私は悲劇のまま終わらせて

いることが多いな・・・・

 

等身大の筆者の心の動きを

実に正直に綴られながらも

最後はユーモアで締める。

どんなに大変な状況でも

家族に対する愛とやさしさが

あふれているエピソードばかりで

筆者の強さをとても感じました。

 

人に慣れずに吠えまくる愛犬に

人間の都合で吠え防止のアヒル口の

グッズを買ったけど

それを抵抗なくつけている姿が

せつなくなり、

筆者も自分用にアヒル口を買って

ツーショットで写真を撮っている写真や、

命がけの大手術をした車いす生活の

お母様が

去年の東京オリンピックの

聖火ランナーを務めることになり、

そのアテンドをダウン症の弟が

することになったのだけど

当日、本番数分前までドタバタで

絶体絶命のピンチと思っていたけど

堂々と聖火台を運ぶ姿を

見届けることができたという

エピソードは

じんわり涙が出てしまいました。

そこにはやっぱり”愛”があるんです。

 

愛とユーモア。

 

力強く前向きに生きていくのに

とても大事なエネルギー源に

なるのですね。

 

起きた出来事に対して

どう受け止めるか、解釈するか

自分なりの物語に変換するか。

そういう力もつけていきたいなと

思った本でした。