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語学と読解、文化の違いを楽しむ外国「語」人

英語、フランス語、日本語を教え、翻訳をしながら思うこと:
語学力も大事だけど読解力を養わないとね。
15年以上ヨーロッパで暮らし、三か国で子育て。
フランスやベルギーのこと、子育てのこと、文化の違いについて書いています。

 

デンベレとグリーズマンのビデオでの言葉。

差別に当たるのか当たらないのか?

フランスの大新聞がどう伝えているか見てみましょう。

 

まずはフランスで最古の新聞、平均32万部以上のル・フィガロ。

(日本の新聞に比べると発行部数が少ない印象ですが、フランスでは新聞はキオスクなどで買うもので、各家庭がとっているものではありません。)

 

7月5日付けの記事にはこんな記述があります。

 

ils tiennent des propos racistes

「彼らは差別的な話をしている」

 

 «Vous êtes en avance ou vous n'êtes pas en avance dans votre pays ?», ajoute encore Ousmane Dembélé, n'ayant pas peur des clichés sur les Asiatiques. 

 

「さらにウスマン・デンべレは『あんたらの国は進んでるのか?それとも遅れてんの?』と、アジア人についての決まり文句をためらわずに加える。」

 

この「決まり文句」は他の新聞でも問題にされています。

どうしてこれが差別的なのか?

 

フランスに住んでいても、上品な人たちとしか付き合ったことのない人にはわからないと思います。

私は不幸なことに下品なフランス人と話したことも多いので、ニュアンスが理解できてしまいます(-_-)

 

これはヨーロッパの一部の人が、やっかみを込めて極東アジアを貶めるためによく言う言葉なのです。

日本や韓国、中国は今や技術がとても進んでいるはずなのに、日常生活を見ると意外にそうじゃなかったりする、そんなギャップを見つけた時に侮蔑的に使う表現なのですね。

 

あるフランス人の知人はホンダのヴィンテージ・バイクに乗っていましたが、人があまりのそのバイクを褒めるとなぜか頭にくるらしく、

 

「昔はホンダって言えばすぐ壊れる安物って言われてたんだぜ。」といやらしい笑みを浮かべていました。

 

「進んだヨーロッパ」という過去の栄光(今だってけっこう進んでますよ、安心して!ってこれも皮肉に聞こえる?!)にしがみつき、アジアをバカにしたいとき使うフレーズだったりするのですね。

 

言葉って、字面だけ見てもわからないものです。

 

やはり32万部以上売れているル・モンドはどうでしょうか。

7月7日付の記事では

 

Une seconde vidéo, beaucoup plus courte, montre Antone Griezmann en train d’imiter un accent asiatique sur un ton moqueur.

「もうひとつのずっと短いビデオでは、アントワーヌ・グリーズマンがアジアのアクセントをバカにした様子で真似ている。」

 

7万6千部以上発行のリベラシオンは見出しに

Racisme anti-asiatique

「アジアに対する差別」という言葉を使っています。

 

さて、差別問題の研究に関しては、ヨーロッパの方が進んでいると思いますが、いかがでしょうか。

 

この炎上ビデオ事件よりずっと前、2020年にフランスが欧州選手権で敗退した時、怒ったファンが酷いツイートをしました。決定的な瞬間でシュートに失敗したムバッペに対して、曖昧さも誤訳のしようもないガチで人種差別的な言葉を投げつけたのです。

 

今年7月6日付のルモンドによると、この件に関してパリ検察庁が調査しているそうです。

やがて、だれがこのツイートを書いたか明らかになり、相応の償いを迫られるのではないでしょうか。

 

何が言いたいのかと言うと、デンべレやグリーズマンに仕返しとして度を過ぎたことを書くと、調査対象になるかもしれないということです。

 

思い当たる人は、即行で削除するか謝罪することをお勧めします。

 

いずれにしても、差別の仕返しに差別するような最低な人間にはなりたくないものです。

 

 

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