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語学と読解、文化の違いを楽しむ外国「語」人

英語、フランス語、日本語を教え、翻訳をしながら思うこと:
語学力も大事だけど読解力を養わないとね。
15年以上ヨーロッパで暮らし、三か国で子育て。
フランスやベルギーのこと、子育てのこと、文化の違いについて書いています。

 

フランス代表でバルセロナに所属しているサッカー選手、グリーズマンとデンべレのビデオ炎上が続いています。

 

SNSに投稿した謝罪文も火に油を注ぐことに。

 

そうなったのも当然の内容ですが、背景と実際のフランス語を押さえておかないと的を得た批判とはなりえないでしょう。

 

実際に、これ、誤訳なのか。

それとも違うのか。

フランス人にはどう聞こえてる?

 

例えばルモンド紙の記事では、はっきりと

 

「日本のホテルスタッフの外観と言葉をからかっている」

 

と書かれています。

 

フィガロ紙の見出しにも

 

「アジア人を貶める失言」

 

という言葉が躍っています。

 

日本に出回った翻訳が逐語訳でないことは確かですが、最初英語に訳した人(誰かは知りませんが)もおそらくプロの翻訳者なわけで、ビデオの雰囲気を伝えるために意訳したのかもしれません。

 

(しかし翻訳者って責任重大ですね💦)

 

確かに、アメリカで黒人を指して使ういわゆるNワードや中国人を指すCワードに当たるような「差別用語」を使っているわけではありません。

 

言葉面だけ見れば、差別用語というよりは下品で不快な言葉と言った方が当たっています。

 

実際に彼らがビデオで言ったことを逐語訳すれば、

 

「汚いツラ」「くそっ、あの言葉」「あんたらの国、技術が進んでんのかい、進んでないのかい、どーなんだよ?」

 

となります。

 

「後進国の」なんていう表現は一言もない。

だからグリーズマンも「ぼくを本来の姿とは違うものに見せようとしている人たちがいる」と発言したのかもしれません。

 

ただ、「くそっ、あの言葉」の「言葉」はlangueという単語を使っていて、これは日本語とかフランス語とか言うときの「語」に当たります。

 

文脈や話のトーンからすれば、この「くそっ、あの言葉」を「全然わからない言葉」と解釈するのはちょっと無理があります。

やはり、「あの『変な』言葉」という意味だと捉えるのが自然でしょう。

 

最近日本では、もう公衆の面前で他の国の言語をバカにしたり、テレビで外国人のアクセントを真似してヘラヘラ笑うような輩は見かけなくなりましたよね。

 

もし今でもいたら、問題になると思います。

 

そういう意味では、やはりそこには差別があるとしか言えません。

 

コナミが契約解除したのは当然です。

 

では、私が翻訳を依頼されたらどう訳したかといえば、決して「後進国の」などという単語は挟まないでしょう。後で誤訳問題に発展するのは目に見えていますから。

 

さて、グリーズマンは楽天の会長兼社長に謝罪したそうですが、それだけではお金のために謝罪したと取られかねない。まずはホテルのスタッフに謝るべきでしょう。

 

ただ、グリーズマンとデンべレ個人を責めて問題が解決するわけではありません。

これには背景があります。

 

この件に関しては、トルシエ元監督の通訳を務めていたダバディ氏のコメントがさすがに的を得ていると思います。フランス社会を本当によくわかっている人ですから。

 

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