「ビジネス成功者の仕事ゲーム」のスゴロクを制作していると、よく似たキャッチフレーズの会社にぶつかります。
ちなみに、「おいしくて安い」・「安くておいしい」とPRしている2社の社名わかりますか?
答えは、お菓子の日本一を目指す「シャトレーゼ」と飲食チェーン店「サイゼリヤ」です。
この2社、まず経営者が口にする言葉がよく似ています。
「シャトレーゼ」の創業者・齊藤さんは、自社商品について「おいしくて安い」と言い続けています。
「サイゼリヤ」の創業者・正垣さんは、「安くおいしい」と繰り返しています。
もう一つ、事業運営の上である共通点があります。
それは、広告宣伝費です。
両社とも、マスメディアによる広告宣伝に消極的です。
1,000億円を超える大手企業ですかから、おつき合いの広告はしているのでしょうが、テレビCMや新聞・雑誌のマス広告は積極的にしないようです。
広告しない理由について「シャトレーゼ」の斎藤さんは、「創業から”買ってください”の広告をしていません。
なぜなら、買って欲しいのは、会社の勝手な都合になります。
ガンガン宣伝したうえで、かかった費用を商品の代金に上乗せするのは本末転倒です。
しかも、宣伝は中毒みたいなもので、宣伝で売上が伸びると、宣伝しないと売上が落ちるように思います。
そのような考えで、広告費をかけず販売しています」と自筆の本で述べています。
一方、「サイゼリヤ」の正垣さんも、「広告はほとんどしたことがありません」と語っています。
広告費を使うより、その費用で料理を安くしたり、おいしくするほうがお客様のためになるとの考えです。
広告を出さないと、味と価格の満足度が客数に直結し、経営がシンプルになるとの見解をもっているようです。
なお、両社の間で微妙に違っていたのが、コロナ時の業績です。
「シャトレーゼ」は、2019年543億円、「緊急事態宣言」が発令された2020年618億円だった売上は、2023年に1175億円にまで拡大しています。
コロナの影響で売上がダウンすることはなかったみたいです。
コロナ禍でも「シャトレーゼ」の業績が拡大した理由は、郊外ロードサイドを中心に単独店を出店していたからのようです。
そのため、緊急事態宣言下で商業施設や駅内店が臨時休業する中でも、営業を続けることができ売上が伸びたみたいです。
一方、「サイゼリヤ」は都心中心の出店ですから、コロナの外出禁止令などの影響をうけたみたいです。
コロナ前の2018年、売上は1,540憶円でしたが、2020年「緊急事態宣言」が発令ざれた影響でしょうか「サイゼリヤ」の売上は1,268億円にダウンします。
2022年、コロナ疲れの影響もあって外出者がふえたのでしょうか、売上が1,442憶円に回復します。
そして、食品の値上げが目立ち、お米が値上がりを始めた2024年には、売り上げが大きく増加して2,245憶円になっています。
値上げをしなかった「サイゼリヤ」の勝利でしょうか?
「おいしくて安い」、「安くておいしい」両社、今後はどのように成長するのでしょうか?
最後まで広告はしないのでしょうか?
両社の5年後、10年後が気になります。