この1週間、世の中は備蓄米「2000円」の話題ばかりです。
お米の価格ニュースを聞くたびに、気になる会社があります。
毎日、事務所や工場などに「日替わり弁当」を配達している「玉子屋」さんです。
2018年に出版された『東京大田区・弁当屋のすごい経営』によると、次のように会社の実態が紹介されています。
年商は90億円です。
弁当の配達契約事業者は約5000社です。
配達先は1万か所です。
2007年、1日の平均配達弁当数は6万~7万食になっています。
1日3000食提供すれば「大手」とされる弁当業界で食数は群をぬいています。
すごい会社だなあと思っていました。
ところが、最近は非常に不幸な状況が続いています。
まずコロナです。
日本でも2019年頃からコロナの感染が広がります。
2020年4月、首都圏で「緊急事態宣言」が発令されます。
企業はリモートワークになり、オフィスから人が消えます。
オフィスに弁当を配達する業態ですから、1日平均の配達食数は6万食前後から2万食まで激減します。
しかし、弁当の原価率は50%を維持します。
そのため、この年は約10億円の赤字になります。
2022年、状況が変化していきます。
コスト高もあり、弁当価格を470円から500円に値上げします。
2022年10月、配達弁当数が平均月35,000食まで回復します。
11月になると、弁当の価格改定の効果もあり、ようやく赤字が止まるようになります。
2023年になるとコロナも減少をしはじめ、2024年にはオフィス活動が復活していきます。
2024年、「玉子屋」も配達先が回復していきますが、ここで新たな問題が発生します。
コメ不足です。
米が店頭から消えます。
そして、市場の需給状況から米価格が上昇します。
2025年になると、一般消費者が購入できるお米の価格は、5キロ2,000円位からが4,000円台に上昇します。
お弁当屋さんにとって、お米はメインの原材料です。
「玉子屋」さんは、業務用の米を使用されているので原価がいくらなのかよくわかりません。
しかし、市場の状況からすれば、値上がりしているのは確かなはずです。
いったいいくらに上昇しているのでしょうか?
原価的に大きな影響がでているはずです。
つい最近まで、キャベツなど野菜が高騰していました。
お米の値上がりと合わせると原価は大きく上昇しているのでは・・・?
2022年、「玉子屋」さんのお弁当代は500円になっています。
ワンコインという値段です。
ビジネスマンのお昼代としては、ワンコインが安いイメージの上限のような・・?
簡単に値上げできない状況では・・・?
はたして、「玉子屋」は、この米価危機をどのようにして乗り越えるのでしょうか?
非常に興味があります。
コロナに続き米価の上昇と、不幸はいつまで続くのでしょうか?
大いに気になります。
「玉子屋」さん、頑張ってください。
お米の価格問題が解決したら、その詳細を本にしてください。
危機をいかに乗り越えるかの重要な資料にさせてください。
なお「玉子屋」さんの事業についてしりたい人は、2023年出版『東京大田区・弁当屋のすごい経営』扶桑社新書
をご覧ください。