ビジネスからスポーツまで、「パワハラ」がいっこうに減少しないみたいです。
「パワハラ」を誘発しそうな言葉に「気合」があり、よく「気合を入れろ、気合が足りない」と言われます。
ビジネスの世界でも、仕事が旨くいかないとき、つい上司は「気合がたりない」といいたくなります。
「気合」という言葉には、どうしてもパワハラ的イメージがつきまといます。
ビジネスでも、極力使わないようにしたらどうでしょうか?
ところが、意外にも今だによく使う経営者もいるみたいな?
JR九州、元社長の唐池恒二さんは、ご自身の本の中で「気合」が重要といっています。
JR九州の外食事業部が赤字だったのは、「気合が足りない」と指摘しています。
唐池さんは、1953年生れで、京都大学の柔道部の出身です。
体育会系ですので、「気合」にこだわるのかもしれません。
「気合」という言葉に縁のなさそうな経営者でも、よく使ったりしています。
たとえば、「食べログ・クックパッド」を育てたネット経営者・穐田誉輝さんです。
1969年生れ、IT事業を展開してきた起業家です。
IT業界といえば知的世界のビジネスの印象がします。
体育会系の典型的な言葉「気合」にそぐわない人のように思えるのですが・・・?
その穐田さんが、パソコンの価格比較サイト「価格.COM」を運営していた2000年、アメリカの価格比較サイトの有力企業「ディールタイム」が日本に進出してきます。
業界の人々は、「ディールタイム」の圧倒的勝利を予測しますが、2001年「ディールタイム」はサービスを中止します。
「価格.COM」が勝利しました。
勝った原因について穐田さんは、執念とチーム力、そして「気合」だと言っています。
その後、「価格.COM」の快進撃を見て同業者が進出してきますが、「気合」で倒したとしています。
ベンチャー企業は、「気合」が成功のカギになるのでしょうか?
しかし、体育会系でない、優しい雰囲気がするキャラクターの人になると、「気合」といわず「気力」という人もいます。
1948年生れ「ジャパネットたかた」創業者・高田明さんです。
高田さんは、テレビショッピングの売れ行きを左右するのは「気力」だと言っています。
「気力」がどのくらいでているか、それが相手に伝わったかどうか、それで商品の売れ行きがかわるそうです。
「気力」というのは、テレビ画面を通じて、視聴者に伝わり売上に影響するみたいです。
起業の世界においては、いまも「気合」や「気力」が命運を左右するみたいです。
ただ、「気合・気力」がパワハラに関係するなら、「気合・気力」を「集中」という言葉にかえたらどうでしょうか?
「気合」をいれるということは「集中」することです。
何事においても「集中する」ことは重要です。
「集中」なら高圧的な印象もしなくなりそうです。
「気合」より「集中」がよさそうです。
パワハラが減るかもしれません。
なお断っておきますが、「気合・気力」といった言葉が好きな人が、みんな「パワハラ」傾向が強くなるわけではありません。
JR九州の唐池さん、クックパッドの穐田さん、ジャパネットの高田さんたちは、「パワハラ」的でなかったはずです。
この3人は、部下を大切にして、周囲の人達からの尊敬されていたようです。
誤解のないようにしてください。