学習塾・アルバイト講師のバイト料についてトラブルが続いています。
昨年秋の「明光義塾」に続き、この1月「湘南ゼミナール」が、バイト料不払いで労働基準監督署の是正勧告を受けています。
「授業時間分のバイト料しか払わず、授業の事前準備や報告書作成に関するバイト料を払わないのは不法」という勧告のようです。
授業時間外の作業に関しても、バイト料を払えということです。
たしかに、授業のための準備作業についても、アルバイト料を払ってほしいと思います。
そうしないと、優秀な講師が集まらなくなります。
このバイト料の話しを聞いたとき、2つのことが気になりました。
1つは、入社3年以内に会社を辞める「七五三退社」問題です。
新卒で入社して、「こんはずではなかった」という理由で、会社辞める人が多くいます。
「こんなはずでは・・・」と不満を感じるのは、その業界・会社に対する研究不足が原因ではないでしょうか?
塾のアルバイト講師は、人を指導する仕事です。
人を教える仕事に時間の制限はありません。
生徒の成績をあげようとすれば、準備作業は増えていきます。
成績の上がらない生徒のためには、特別な資料を作ったりして、手間ヒマ=準備作業が多くなります。
「人を指導・教育する仕事(正社員・アルバイトに関係なく)」は、労働時間通り賃金の払われない典型的な職種かもしれません。
働いた時間通りバイト料をもらいたいなら、倉庫のピッキングのような現場作業を選ぶべきです。
原則的に、現場のブルーカラー的仕事なら、正確な時間管理でバイト料は支払われます。
アルバイトでも、業界や仕事の特徴を調べて欲しいと思います。
「こんはずでは・・・」のミスマッチをおこさないためには、事前の研究をしてください。
2つ目は、自己啓発の問題です。
仕事で優れた成果をあげようとすると、自己努力が必要になります。
営業職で働いたとします。
売上をあげるには、自らの知識や能力を高めなければなりません。
毎日、新聞に目を通し、社会の動きを知る必要があります。
営業スキルの本も読まなければなりません。
マーケティングの学習も怠れません。
プレゼン資料の作り方も身につけなければなりません。
これらの努力は、なかなか就業時間内では行えません。
時間があれば、お客様を訪問するのが営業の仕事です。
スキルアップは、就業時間外で行わざるをえなくなります。
もちろん、それらの経費は請求できません。
就業時間外の自己努力に関して残業費を払って欲しいといっても相手にされないでしょう。
営業だけでなく事務系の仕事なら常に自己啓発が必要であり、それは就業時間外になってきます。
それくらいの努力をしないと、実績は高まらないでしょう。
会社をでたら、仕事のことを忘れるというわけにいかないのでは・・・?
就業時間外での生き方が、将来を決めるように思えます。
労働時間と賃金の問題を杓子定規にとらえると、組織の中で浮きがる恐れがあります。
ビジネスの世界には、時間外でおこなうべきことが数多くあるという、社会人のルールにも気づいてほしい気がします。