店が閉店間際になり、元ショーガールの女性が僕に意味ありげな目配せをして、連れの友人とともに店を出て行った。
「さあ、俺たちも引き上げようか。」と仮面妻の彼女を促し、店を出て、いつも通り、ラブホに向かう。
タクシーの中で、元ショーガールに嫉妬した反動なのか、彼女は甘えるように身をゆだねてくる。
その心地よい感触に、僕は興奮し、抱きしめて口づけをする。
ラブホでは、いつも以上に彼女は濃厚な性技を求めて交わる。
あの女流画家との浮気がばれた時と同じで、彼女にとって、ほどほどの嫉妬心はセックスの刺激にもなるようだ。
ダンスレッスンの最終日を迎え、なんとか、ルンバが踊れるようになった。
もともと僕は、ロックンロールやディスコサウンドなどの激しいテンポのダンスを好んでいたので、スローテンポなルンバは不得手だった。
だが、男女が身体をくねらせながら踊るセクシーな感じは、チークダンスとは、また違った男女間の甘いムードに浸れる。
「これでジルバもルンバも踊れるから、私のお相手もできるわね。」とダンス教師の彼女が微笑む。
「うん、時々、お相手してもらって、さらに習熟できればいいので、これからもよろしく。」と応える。
その夜は、彼女と居酒屋で飲んだあと、彼女のダンス仲間が営んでいる三軒茶屋のソシアルダンスサロンに行く。
道路際から階段を地下に降りた入り口近くには、開店祝いの花束スタンドが飾られている。
真新しい内装の小ぢんまりしたダンスホールだが、ダンスフロアーを囲むようにテーブルと椅子が横並びに配置され、ステージにカラオケ機材も用意されていて、パブスナックのように酒食もできるようだ。
「ここは、まだ、オープンして間もないから、私の彼氏も知らないし、貴方も彼女と鉢合わせすることがないから、お互いに安心して一緒にいることができるわ。」と悪戯っぽい目つきで笑顔を見せる。
「そうか、二人だけの秘密の隠れ家ってとこだね。」と僕もうなずく。
「あら、いらっしゃい。ご同伴で来ていただいて嬉しいわ。彼氏かしら?」とママさんが来て挨拶がてら、彼女に話しかける。
この女性もダンス仲間とあって、プロポーションがモデル並みの美魔女だ。