子どもが何かを作っているとき、つい聞いてしまう言葉があります。
「それ何?」
でも私は、息子にあまりこの言葉を使いませんでした。
その理由は、私自身のある記憶にあります。
【体験談】幼稚園年中の私が作った“青いゾウ”
年中のとき、父の日に紙粘土で青い物体を作りました。
先生に「それは何?」と聞かれて、私は「ゾウ」と答えたそうです。
でも、そんなゾウには見えなかったと母は言います。
おそらく私は、まだ何を作るか決めていなかった段階で聞かれたため、とりあえず答えただけだったのではないか、と。
今思えば、その青い塊はまだ「何」でもありませんでした。
ただ、作っている途中だったのです。
子どもに「それ何?」と聞くと起きること
子どもの創作活動は、最初から完成形があるわけではありません。
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作りながら形が変わる
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途中でイメージが生まれる
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設定が何度も変わる
そんなプロセスの中にいます。
そこへ「それ何?」と聞くと、
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何か答えなければいけない
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正解を言わなければいけない
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大人をがっかりさせたくない
という気持ちが生まれることがあります。
創造の世界から、説明や評価の世界へと切り替わってしまう瞬間です。
子どもは「違う」と言いにくい理由
例えば大人が、
「動物園?」
と具体的に聞いた場合、本当は違っていても、
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そういうことにしておこうかな
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違うと言ったら残念に思われるかな
と合わせてしまう子もいます。
子どもは親をがっかりさせたくありません。
だからこそ、親の何気ない声かけは大きな影響を持ちます。
子どもの創造力を伸ばす声かけは「それいいね」
私は息子に「それ何?」ではなく、
「それいいね」
と言うようにしていました。
すると息子は、
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これはね、
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さっきは違ったんだけどね、
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ここがこうなっていてね、
と、次々に話してくれます。
「それ何?」は定義を求める言葉です。
「それいいね」は存在を認める言葉です。
肯定から入ることで、子どもは安心して自分の世界を語り始めます。
子どもの自己肯定感を育てる親の言葉とは
子どもの創造力や自己肯定感を育てる声かけは、特別なものではありません。
大切なのは、
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名前を決めさせることよりも過程を見ること
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正解を求めるよりも面白さに目を向けること
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評価よりも共感を先に置くこと
例えば、こんな言葉です。
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「ここ面白いね」
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「すごい形になったね」
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「どうやって作ったの?」
ほんの少し言葉を変えるだけで、子どもの反応は大きく変わります。
まとめ|「それいいね」が子どもの世界を広げる
あの青い紙粘土は、きっとまだゾウではありませんでした。
でも私は、その場を成立させるために「ゾウ」ととりあえず答えたんだと思います。
今、息子が長い説明をしてくれるのは、
「違っても大丈夫」と感じられているからかもしれません。
子どもの作品に、すぐに名前を求めなくても大丈夫です。
まずはひと言、
「それいいね」
その言葉が、子どもの創造力と自己肯定感を静かに育てていくのだと思います。
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