最近、SNSやブログなどで
「CRS2.0が始まって、海外居住者の日本の銀行口座が凍結されるらしい」
といった話題を目にする機会が増えています。

 

ただ、実際に出回っている情報を見ると、
制度の話と銀行の個別対応が混ざったまま語られているケースも多く、
少し分かりにくくなっている印象があります。

 

この記事では、最近何が話題になっているのかを整理しながら、
事実と誤解されやすいポイントをまとめてみます。

 

CRSとは何か、CRS2.0で何が変わるのか

CRS(共通報告基準)とは、
OECDが定めた金融口座情報を各国の税務当局が自動的に交換する仕組みです。

 

日本でもすでに導入されており、
非居住者の口座情報については、居住国の税務当局に共有される制度になっています。

 

いわゆる「CRS2.0」と呼ばれているものは、
この仕組みを見直し、より正確に運用するための改訂を指しています。

 

主なポイントは、

  • 報告内容の詳細化

  • 居住地情報の正確性の向上

  • 形式的な申告による抜け道への対応

などで、
口座を凍結したり、強制的に解約させたりすることを目的とした制度ではありません。

 

「口座が使えなくなった」という話の背景

SNSなどで見かける
「突然口座が使えなくなった」「凍結された」
という投稿の多くは、CRS2.0そのものが原因ではないケースも少なくありません。

 

実際には、次のような銀行側の実務対応が背景にあることが多いようです。

  • 居住地や住所情報の再確認

  • 本人確認書類の提出要請

  • 登録情報と実態が合っていない場合の一時的な取引制限

これらは、マネーロンダリング対策や法令遵守の一環として、
以前から行われている対応です。

 

当事者からすると「突然使えなくなった」と感じやすいため、
それがCRS2.0の話題と結びついて広まっている可能性があります。

 

「非居住者」と「海外在住者」が混同されやすい点

情報が錯綜する理由の一つに、
「非居住者」と「海外在住者」という言葉の混同があります。

  • 非居住者:日本の税法上、日本の居住者に該当しない人

  • 海外在住者:生活拠点が海外にある人

海外に住んでいても、税務上は日本居住者のままというケースもあります。

 

この違いが整理されないまま、
「海外に住んでいると口座が凍結されるらしい」
といった形で話が広がっているようです。

 

非居住者の場合、実際にどうなるのか

すでに金融機関に対して、

  • 非居住者としての届出を行っている

  • 居住国や税務情報を正しく申告している

このような状態であれば、
CRS2.0が始まったからといって、
自動的に不利な扱いを受ける可能性は高くありません。

 

実際に起こり得るのは、

  • 居住地の確認連絡

  • 書類の再提出依頼

といった、事務的な対応が中心と考えられます。

 

 

銀行ごとの対応差について

一方で注意しておきたいのは、
口座の管理や制限の判断は、金融機関ごとに異なるという点です。

 

同じ非居住者であっても、

  • 銀行・証券会社の内部ルール

  • 口座の種類や取引内容

  • 書類提出状況や連絡の取れやすさ

などによって、対応が変わる場合があります。

 

そのため、一般的な制度の説明と、
個別の口座の扱いは、必ずしも一致するとは限りません。

 

本記事について(ご注意)

本記事は、
CRSおよびCRS2.0に関する制度の枠組みと、
現在一般的に見られる実務の傾向をもとに整理したものです。

 

特定の結果(口座維持・利用制限・凍結など)を保証するものではありません。


実際の取り扱いについては、

  • 利用している金融機関の公式案内

  • 金融機関への直接の問い合わせ

などにより、ご自身で確認することを前提としてください。

 

まとめ

  • CRS2.0は税務当局間の情報交換制度の見直しであり、口座凍結を目的としたものではありません

  • 口座制限の多くは、銀行の本人確認や居住地確認に基づく対応です

  • ただし、具体的な対応は金融機関ごとに異なります

  • 気になる場合は、利用している銀行に確認するのが最も確実です

不安を煽る情報も多いですが、
制度と実務を分けて整理して見ることで、
必要以上に心配する状況ではないことが分かるはずです。

 

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