※この記事は、特定の誰かを責めたり、非難したりすることを目的としたものではありません。
制度や仕組みに対する前提知識の違いから、どのように誤解が生まれたのかを整理するための記事です。
デポジット式ショッピングカートとは何か
デポジット式ショッピングカートとは、硬貨を入れて使用し、返却すると硬貨が戻ってくる仕組みです。
これは利用料ではなく、カートを元の場所に戻してもらうための返却担保として設計されています。
海外ではごく一般的な仕組みですが、日本ではあまり馴染みがなく、この仕組みを詳しく知らない人も少なくありません。
「100円がないと不便」という何気ない投稿が発端
今回の混乱のきっかけは、ある投稿でした。
「いつも100円硬貨を持っているとは限らない」
「少し面倒に感じる」
という理由から、100円の代わりに使えるキーホルダーを紹介していたのです。
投稿者自身も、カートは返却前提で使っており、デポジット式ショッピングカートの本来の目的を完全に理解していなかったわけではありません。
つまり、この投稿はショッピングカートを有料だと考えていたのではなく、単に便利グッズを紹介する内容でした。
見た側が「有料カート」と誤解したことで起きた混乱
一方、この投稿を見た人の中には、 「ショッピングカートは100円を払わなければ使えない有料のもの」 と誤解した人がいました。
その前提で見ると、
-
硬貨の代わりに使えるキーホルダー
-
お金を払わずにカートを使える
という構図になり、「詐欺行為ではないか」と受け取られてしまったのです。
正しい指摘と噛み合わない批判が混ざったリプ欄
リプ欄では、
「デポジット式だから返却されれば問題ない」
「カートを元の場所に戻してもらうための仕組みなので、硬貨である必要はない」
といった正しい指摘も見られました。
しかし同時に、
「デポジットならお金は返ってくるのに、わざわざキーホルダーを買う意味が分からない」
という、別の視点からの批判も混ざっていました。
こうして、
-
有料だと思っている人
-
デポジット式だと理解している人
-
単に便利グッズの話をしている人
が同じ場所で会話を始め、前提が噛み合わないまま混乱が広がっていったのです。
トロントでは当たり前すぎて違和感がなかった理由
私自身、カナダ・トロントで暮らしながら、8年近くデポジット式ショッピングカートを使ってきました。
食料品店ではごく一般的な仕組みで、硬貨や専用トークンを使うことに特別な違和感はありません。
そのため、このSNS上のやり取りを見たとき、なぜ「詐欺」と言われているのか理解するまでに少し時間がかかりました。
問題は仕組みではなく、前提が共有されていないこと
今回の混乱は、誰かが悪意を持って不正をした結果ではありません。
問題の本質は、デポジット式ショッピングカートという仕組みについての説明が省略され、受け取る側が別の前提で解釈してしまったことにあります。
知らないこと自体は問題ではありません。
しかし、知らないまま「おかしい」「詐欺だ」と決めつけてしまうと、議論は簡単にねじれてしまいます。
まとめ|前提を知るだけで見え方は変わる
デポジット式ショッピングカートは有料ではなく、返却を促すための仕組みです。
硬貨を使うか、代替トークンやキーホルダーを使うかは、あくまで手段の違いにすぎません。
今回のSNS上の混乱は、制度そのものよりも、前提知識が共有されていないことの怖さを象徴しているように感じます。
仕組みを知るだけで、便利グッズも不正ではなく、単なる工夫として理解できるのです。
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