物語71 | Thinelの世界

Thinelの世界

私の描く世界へようこそ


   日曜日に、カエール侯爵の予感的中。
   レオナ将軍を新しい将軍として紹介をするだけではなく、カエール侯爵の結婚式の一週間後に南に戦の予定の発表もあった。今度はレオナ将軍の隊はカエール侯爵の上司の隊と合同。侯爵の上司は南に詳しいカエール侯爵に全てを任せた。
   レオナ将軍とカエール侯爵は目を合わせる。


   夜、カエール侯爵の屋敷。書斎で、侯爵は今自分の下にいる兵達の場所を示す地図を見つめる。地図ののせたテーブルの上に色っぽく座るレオナ将軍。カエール侯爵の座っていた椅子に寄りかかる私。
   「今度の戦を勝ちますか、ヴェンドメ准将軍」とレオナ将軍は聞く
   「レオナの立場のためにも、勝ちましょう」
   「もう戦略を決めましたか」
   「まだ。戦場に出る前の日に兵達に戦略の説明をするから、その時にレオナにも教える。今はワタシの戦略より、自分の仕事について考える時だろう」
   「今の事務的な仕事より、ヴェンドメ准将軍とお話する方が楽しいです」
   「ワタシのために将軍になっただろう。仕事をちゃんとしてくれないと」
   「分かっています。しかしヴェンドメ准将軍は中々城に仕事しに来てくれないから、楽しくありません」
   「ワタシは家で仕事できるから、城に顔を出さなくてもいい」
   「これからもっと会えると思っていたのに」と残念そうにレオナ将軍は呟くー「来月の戦の話に戻りますが、同じ場所でお互いの隊をまとめるつもりですか」  
   「いいえ。別々にしよう。戦略の説明や細かい動きについて決める時に、レオナと自分の准将軍はワタシのところで二日位泊まればいい」
   「面白くないんです」
   レオナ将軍の言ったことを無視し、話を続けるカエール侯爵
   「准将軍といえば、まだ決まっていないか」  
   「信用できる者をなかなか見つからなくて・・・」
   「この前までお前の副隊長だったヤツはどうした?」
   「准将軍に相応しい人だと思えません」
   「相応しい人を紹介しようか」
   「ヴェンドメ将軍の指定した人なら、歓迎しますよ」
   「考えてみる。お前もワタシも裏切ることのない人をね」
   「来月といえば、ヴェンドメ准将軍の結婚ですね」
   「結婚しないと言っていた男は結婚する。まだ実感がない」
   「アリアネは結婚後、ここに住みますか」
   「この前、アンヌに同じことを聞かれたね。住むよ」
   「私は護衛兵だったらいいのに・・・」
   「お前が護衛兵?想像もできない」
   「私も想像できませんよ。多分アンヌをここから追い払っていたと思います」
   「アンヌへの嫉妬の問題ではない。ワタシを護ることができない点が問題だ」
   なぜレオナ将軍はカエール侯爵を護ることができないだろう
   「確かに、最終的に自分の命を優先にしますからね。誰にも私の命を捧げるつもりはありませんから」
   「お前の父親以外にね」
   レオナ将軍の顔に悲しい微笑みが浮かぶ
   「そうだ。最近レオナと会えないから、ジェアンが寂しがっていたよ」とカエール侯爵は話題を変えようとする 
   「いつものことでしょう?」
   「結婚前、三人で飲みに行こう」
   「できればヴェンドメ准将軍と二人だけ飲みたいです。最近全然相手してくれませんから」
   「わかった」
   「じゃ、今日泊まってもいいですか」
   「来月結婚する男の家に泊まりはないでしょう。今日は帰りなさい」
   「アンヌへの遠慮ではなく、アリアネへの遠慮でしょう」
   カエール侯爵は答えない。ただ微笑む
   「外側が似ていても、ヴェンドメ准将軍は同じ扱いしてくれませんね。帰ります」とテーブルから降りて、ドアに向かえるレオナ将軍だった
   「寂しいなら、部下の一人でも抱いて、ワタシだと思えばいい」
   「ヴェンドメ准将軍と同じレベルの男なんていませんわ。でもやってみます。後で報告書を送りますからね」
   カエール侯爵は大声で笑った。レオナ将軍は笑顔で帰った。
   私に到底理解のできない仲。
   
                                     つづく

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