雨
こんばんは
朝、窓に打ち付ける雨の音で目が覚めた。
足の上でティムはひっくり返って、小さい体をゆっくりと上下に揺らしている。
首がグニャリと曲がって、よくこんな格好で平気だな、と感心してしまった。
寝顔はまるで笑っているようにみえた。
手をのばし、頭をそっと撫でると舌をペロペロと何回かだし、ふぅと大きく息をした。
すべてがやわらかく見えた。
時計を見るとまだ5時を少しまわったところだ。
外を見ると雨は激しく、あるものすべてを濡らしていた。
春を告げる雨が降り、風が吹く。
窓を少し開け春の雨の臭いを嗅ぐ。
いいにおいだ、ティムにもわかるかい?
僕は思い出す。
海に雨が降りピチピチピチと音をたて、雨の音と風の音以外何も聞こえなく、
僕はとても不思議な気分になった時のことを。
今も海に雨は降っているだろう、誰にも気づかれることなく、音をたてて。

