<危険な罠の香り> 前編 | 妄想★village跡地

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に、おねだりしちゃいました★

「香水にムラムラしちゃう話」

お持ち帰りOKとのことなので、ありがたく頂いちゃいました!!




<危険な罠の香り> 前編

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『あなたも一歩、大人の仲間入りをしてみない?』

長い黒髪を靡かせながらモデルウォークで歩く女性。
黒のミニドレスで画面を挑戦的な目で睨むと、ニッと小悪魔の様に微笑む。
くるりと一回転すると、白いドレスに早変わりし、小悪魔は天使の様に微笑んでちゅっと手にキスをする。
ぽんっとそこに口紅が一本現れる。

『春の新色でいつもと違った私に気付いて』

人気化粧品会社の春の新作口紅CMなのだが・・・・

「あ~、やっぱりキョーコちゃん可愛いなぁ・・・・ひぃっ」
「何ですか、社さん。失礼ですね」
「れれれれ~んっ! おま、お前、今どれだけ凶悪な顔をしてるかわかってるかっ!」
「ええ、このCMを見ている男全てを排除したいくらいには」
「・・・・蓮くん、その中にはもれなく俺も含まれるのかな?」
「含んでほしいですか?」
「俺はお前達のキューピッドだよっ!」

そう、三週間前、長いこと想い続けていたキョーコと晴れて恋人同士となれたのは、社さんの努力の賜物だった。
それでも愛しい彼女であるキョーコが艶めかしい顔を振りまく姿が気になって仕方ないのだ。

「蓮、お願いだから楽屋を出るまでに何とかしてくれよ?」
「すみません、もう少し時間ください」

長く深いため息を吐いてみても、頭を巡るのは先程のキョーコの顔で、更に一段落ち込むのだった。
あの顔の原因の一端を握っているのは自分なのだから。

*****

思い起こせば10日前、社さんは俺に袋を一つ渡してこう囁いた。

「社長からプレゼントだって。何でも社長のお抱えの美容師さんが調香したらしい」
「ああ、なるほど」

Msウッズの物なら自然のエキスだけで作られているから安心だ。その時はそう思って気軽に受け取ったのだ。

その夜、キョーコにはメールで部屋においで、と誘っておいたので丁度良かった。キョーコはこの瓶を見ればMsウッズのものだし、可愛いと飛びついて喜んでくれるだろう。

そんなキョーコが見たくてその日は仕事をできるだけ早めに切り上げた。帰りの車で社さんは真っ白に震えて、胃薬を飲んでいたが・・・
部屋のチャイムを押せば、中から扉が開いて『お帰りなさい』の声に自然と顔が緩んでしまう。

「ただいま、キョーコ」
「今日は早かったですね。お疲れでしょうからお風呂入ってきて下さい。ご飯温めて待ってますね」
「ありがとう、キョーコ。愛してるよ」
「・・・・恥ずかしいですぅ」

大和撫子はなかなかハグやキスに慣れてくれず、でもそこがまた可愛く愛しくて、更に加速してしまうのだ。
その時、昼間に社さんから渡された袋を思い出した。

「そう言えばキョーコに社長からプレゼントだって」
「ええ? なんでしょう?」
「開けてごらん、俺もまだ見ていないんだ」
「綺麗な袋・・・・うわぁっ、綺麗な瓶っ! 香水ですねっ!」
「Msウッズが自ら調香したらしいよ。彼女の香水は自然エキスのみだから、肌にもいいらしいよ」
「まさに魔法の香水ですねっ! よかった、相談してみて!」
「え? 相談?」

何かをMsウッズに相談したの?
俺には相談できなかったんだろうか・・・・
そんな俺を見てキョーコが種明かしをしてくれた。

「昨日、実は例のCMが巧くいかなくて、明日撮り直しになった話をしましたよね」
「ああ、口紅のCMだよね」
「はい、それで昨夜事務所に行った時にミューズにお会いしたので相談したら、魔法のアイテムがあるのよ~って言って下さいまして」
「なるほどね。確か『いつもとは違う自分に』がコンセプトだっけ?」
「そうなんですけど・・・・監督のお気に召さず・・・・」

はぁぁぁぁーーーっと、深いため息をつくキョーコ。
最近、そのため息さえも色っぽく見えて仕方ない。でも、監督には色気が足りないと言われたらしい。これから嫌でも付くし、充分色っぽいのに・・・・

「試してみてもいいですか?」
「君へのプレゼントだからね。どんな香りなのかな」

蓋を開けるとバラの香りをメインにしたいい匂いが漂う。
ただ、蓮はキョーコならもっと爽やかなシトラス系の方が似合うかな・・・・と考えていた。

「はぁぁぁぁっ、良い香りぃっ! やっぱりミューズは魔女なんだわぁ」
「キョーコ、魔女っていったら怒られるかもよ?」
「だってミューズは魔女ですよぉ! こんなにいい気分になっちゃうなんてぇっ!」
「え? いい気分?」

慌ててキョーコの手から瓶を取ろうとすると、奪われると思ったのか、誘うような目でくるりとリビングに逃げ出した。
キョーコが立っていた場所には袋が落ち、中から何か紙が覗いている。

『自然のエキスだけど、毒になるか薬になるかは使い方次第よ。あまりつけすぎは蓮ちゃんに毒になりそうだから、加減してね』

俺に毒って・・・・まさか・・・・な。
しかし、嬉しい期待は裏切られずに目の前に現れた。

リビングの入り口から・・・・キョーコの細い腕とその手には白いフリルたっぷりの・・・・下着がぴらぴらと揺れて。

***** つづく

楽しみww

ぴらぴらの続きが気になります~