働き始めて相当な年月になるが、先日生まれて初めて故郷で仕事をする機会があった。それも通っていた小学校や中学校のすぐ近くだった。2日がかりの仕事だったので泊まりがけである。年老いた両親を見舞っておきたかったので、日曜から2泊3日で出かけた。
日曜の晩は暇だったので、小学校の同級生を呼び出した。今まで3,4度、彼が私の近くへ来たときには飲みにいった旧友である。彼は喜んで街中に出てきてくれた。
彼は故郷の病院に勤務する整形外科医である。昨年の夏に骨折をしたとき、彼に相談しようかどうか実は少し考えた。いわゆるセカンドオピニオンというか、専門家の見通しを聞きたかったからだ。でも、けっきょく相談しなかった。X線写真のデータを見せられるわけでもないし、主治医は無口だったが、その方針に特に異論が無かったからだ。
そんなわけで彼と食事をしながら、昨年の夏に大腿骨頸部を骨折したことを初めて伝えた。かなり驚いていたが、待ち合わせから普通に歩いていたので、もう回復したと思ったのだろう。話をしているうちに、来年の夏にスクリューとプレートを抜く手術をする予定を伝えると、彼は「入れておいた方がいいよ」と言った。
年配の人ならそうだろう。でも私はなんとかスキーヤーとして復活したいので、彼にはその気持ちを伝えた。その見解の違いが気になったので手術法とか彼のやり方を聞いてみると、彼なら全身麻酔に人工骨頭を選んだろうことがわかった。老人の症例が多いのだろう。
骨折した後に、彼にセカンドオピニオンを聞かなくて良かった、と心の中で密かに思った。あのとき聞いていたら、かなり迷ってしまったかもしれない。