GAORA開局20周年!スーパーファイト2011!を観に行ってきました。



今大会は、予算の都合で最安値の3階席での観戦でしたが、非常に見やすく、ライブ向けに作られたJCBホールの本領に触れた気がしました。



参加団体は、ドラゲー・全日本・みちのく・K-DOJO・SMASH・新日本・仙女・OZの7団体。



各団体のトップ選手たちがGAORAの開局20周年ということで、集結しました。



多団体化が叫ばれて久しい日本プロレス界ですが、これだけの団体を集めることができるのは、年越しプロレスを除けば、メディアの力が無いと厳しいのが現状です。


古くは『プロレスオールスター戦』や『夢の架け橋』などのイベントに代表されるメディア主催興業ですが、各団体の壁が限りなく薄くなった今でも、このような華やかな他団体参加大会をプロデュースすることはプロレスを発信するメディアの持つ立派な能力の一つです。



この日の客層を観て感じたのは、「“全日本しか観たことがない”や“ドラゴンゲートしか観たことがない”といった人が多いのかな」ということです。


特に、女性ファンにはその傾向が強いのか、自分の周りには女子プロレスの試合や自身の応援する団体以外に所属する選手にはほとんど関心を示さない、全く知識が無いという女性もいました。


このような他団体参加の大会では、選手には自らの所属する団体を普段見ていないファン層にどれだけ届けられるかが問われます。


そのような働きを見せることが最も求められていたのは間違いなく第2試合で行われた女子プロの試合でした。


尾崎魔弓、アジャコング、里村明衣子と女子プロ界のビッグネームが3人も揃い踏みしたこの試合は、終始、尾崎が暴走したためやや消化不良の内容に。


普段のOZアカデミーの興業で行われた試合であれば、これでも良かったのでしょうが、現在の女子プロレスはジャンル自体が存亡の危機に立たされています。



アイスリボンやスターダムが希望を見せてはいますが、以前、状況は厳しいままなのです。



その状況を覆す意味でも、この日の試合はアピールの絶好のチャンスだったのですが…。



尾崎も十分に良い選手なのですが、どちらかというとシチュエーションで勝負する選手の様な気がします。



反面、里村・アジャ・関西などは場所を選ばず輝くことのできる選手です。



里村のキレのある打撃や男子顔負けの非情さ、アジャの抜群の説得力は女子プロをなめていた客層にも十分に届く魅力的な要素だと思います。



その辺りをもっと出してもよかったかなと感じました。


ただ、尾崎魔弓というレスラーの存在を知らしめるには十分に効果があったでしょうから、他の選手がもっと出てくればいいという見方もできますが。



その意味で最もアピールに成功したのは、近藤修司と鈴木みのる、NOZAWA論外でしょう。


近藤は、7年前に「素行不良」を原因にドラゴンゲートを解雇されて以来の遭遇とあって注目されていましたが、試合では解雇されてから全日本への入団を果たすまでの苦労を全てぶつけるように、殺伐とした闘いを展開。


圧倒的なパワーの差を見せつけるように谷嵜を押し切りました。


この試合を観た人は誰もが「近藤すげぇ」という感想を持ったはずです。


この1試合のみで『近藤修司というレスラーが何たるか』を客席に漏れなく伝えきることに成功したと言えるでしょう。


NOZAWA論外も、新崎人生をおちょくるだけおちょくり、退治されることで、自身の小悪党キャラをアピール。



また、鈴木みのるもドン・フジイ相手にその魅力を存分に振りまきました。



こういう試合を重ねることが「鈴木みのるの試合はおもしろい」という印象をアピールすることにつながるのです。



プロレスを扱うメディア媒体がすくなってきている昨今ですので、選手自身の発信力が多分に求められる時代です。


ブログやtwitterももちろんですが、やはりリング上でのアピールの良し悪しはレスラーの評価に直結します。



そんなことを思った大会でした。



続きまして2日目です。


初日は、内容は素晴らしかったものの運営面に若干の課題が残ってしまいましたが、2日目にはしっかり調整してくるところが現在の新日本の企業力。



ルチャルールの試合の前には、「この試合はルチャ・リブレルールで行われ・・・」と尾崎リングアナがしっかりと説明。


ルチャドール達も、なんとか調整をしてきたようで、マスカラも多少ハラハラさせられましたが、試合が進むにつれ調子を上げ、最後にはカンパーナ(釣り鐘固め。マスカラの必殺技)まで出しました。


連日の観戦になる人の心には妙なサクセスストーリーが描かれたことでしょう。


前日の不安要素が払しょくされた時点で、今大会の成功は約束されたようなもの。



オープニングマッチから、マキシモ&男色先生の日墨男色オーケストラの登場で大爆発!


この2daysで日本でのマキシモの評価と人気は格段に高いものになりました。


ほとんどチョップのみで試合を組み立てる邪道&外道も流石の2人です。


第2試合では、ルチャの魅力全開の6人タッグ。


終盤には場外への空中技が乱れ飛ぶ中、バーナード(150kg!)までもがプランチャを繰り出し、場内はとんでもない盛り上がりを見せました。



ここで目を引いたのがアトランティスのケブラドーラ・コンヒーロ(風車式バックブリーカー)の的確さでした。


普通の選手は自らの膝に相手の背中に叩きつける瞬間には、すでに膝が崩れているものなのですが、アトランティスのそれは、見事なまでに膝がしっかりと立ち、バックブリーカーとして機能していました。


何発出そうが、崩れない辺りに大ベテランの安心感を垣間見ました。


ダブルメインイベントⅠのミスティコとアベルノのプレミアムシングルマッチは、スペル・エストレージャ(スーパースター)2人の高度な駆け引きに引き込まれました。


重力を感じさせない飛び技を披露するミスティコ。


ミスティコの飛び技の数々を次々と受けながらも要所は締めるアベルノ。


メキシコのトップの凄さを実感した試合でした。



そしてダブルメインイベントⅡのIWGPジュニアタッグ選手権試合は、戦前の予想・期待を裏切らない試合内容を残し、Apollo55が奪還に成功。


こちらの予想を次々と裏切る攻防の数々に歓声と驚嘆の嘆息が途切れることはありませんでした。


驚きやインパクトという点では昨年10月の方が大きかったかもしれませんが、内容では今回の方が上かなという気がしています。



はっきり言って、この試合を見ずに生涯を終えるプロレスファンがいたらその人は不幸だと思います。



それほど高度な試合でした。



試合後には、なんとTAKAみちのくとNOZAWA論外が登場し、王座挑戦を要求するというボーナストラックまで。



アメリカで鍛えられているのか、TAKAのマイクは堂々としているし、聞きやすいし、かっこいいと改めて感じました。



現代プロレスの申し子的存在であるApollo55のプロレスに、地に足のついた“大人のプロレス”、“サイコロジープロレス”を見せるTAKAと論外の絡みには注目します。



そして、全試合終了後には来日したルチャドール達と出場選手がリング上がり、フィナーレ。


非常にハッピーな空間になりました。


ルールの違いやスペイン語のコールなどには、まだまだ戸惑いを感じる人も多かったようですが、自分はこの大会は定期開催してほしいですね。



ルチャの選手をシリーズ参戦させる団体は多いですが、今大会のようにパッケージごと日本に輸入してくる大会は大事にしていくべきでしょう。



この時期にやるのであれば、どうせなら「ドームが終わったらFANTASTICA MANIAだね」と呼ばれるくらいになってほしいです。



初日にCMLLの管理するシングルタイトルをライガーが防衛、田口が奪取しましたので、今後も新日本とCMLLの関係は良好に続いていくのでしょう。



定期開催に至れば、今回は来日しなかったボラドールJr.やファンタズマ、ウルティモ・ゲレーロ、メフィスト、ミニエストレージャのケ・モニートなんかも観てみたいですね。



いろいろ想像が膨らんだ2日間でした。

1/22、1/23に後楽園で行われた新日本とCMLLのコラボ興業『FANTASTICA MANIA 2011』に行ってきました。



やはり後楽園に行くと、心踊ります。新木場よりも両国よりもディファよりも後楽園が好きです。



今回の大会は、「新日本の大会にCMLLのトップ・ルチャドール達が参戦する」ということではなく、「CMLLと新日本が協賛でルチャ・リブレの大会を日本で開催する」というコンセプトであったように思います。



CMLLが管理する常設会場であるアレナ・メヒコ(武道館や両国国技館と同規模)で活躍する選手が9名も来日し、新日本の選手も“プロレス”よりは“ルチャ”を強く意識した闘いをしていました。



そうしてソフトの面だけでなく、リングアナやルールというハード面もメヒコ仕様。



大会前の煽り映像や、場外カウントのアナウンス、タイトルマッチ前の記念撮影、さらに本場の歌手まで連れてくるという徹底ぶりにこの大会の意義が見えた気がします。



初日から振り返ってみると、前述の通りソフト・ハードの両面で“メヒコ直輸入”をアピールする大会とあって、観客席もルチャファンが多かったように見受けられました。



今大会のオープニングマッチであるタイチvsマキシモ戦から会場は爆発。



普段見るプロレスとは違うルチャの空気を堪能しました。



そして、タイチが嘘みたいに輝いていました。外国人を率いるマネージャー的なポジションを与えると意外と光りそう。



しかし、第2試合のタイトルマッチでは直輸入品の扱いの難しさがまざまざと出た試合となってしまいました。



今回の大会で新日本が提供しようとしたのは純粋なルチャでした。


ですから、CMLLの管理するタイトルマッチは当然3本勝負になります。


ルチャの3本勝負では、相応の戦略性と面白みがあるのですが、日本のファンにはなかなか馴染みの薄いルールです。


そのため、第2試合のマスカラ・ドラダvs田口のCMLLウェルター級王座戦では、1本目の勝敗が決まって時点で「えぇーー!?」という声が会場中から上がりました。


未知の形式ですからこういう反応はある程度仕方ないとは思っていましたが、いけなかったのは1本目が終了した時点で、ドラダのテーマ曲をかけてしまったことです。


これは、その後の各試合を見ても明らかなスタッフのミスでした。これで、客席のルチャに馴染みの無い人は「ドラダが防衛した」という認識に至ってしまいます。


その後、すぐに2本目が行われましたが、場内はややざわついたまま。


そこで、二つ目の問題が発生します。


それは、外国人選手のコンディションです。


CMLLというのは毎週金曜日に定期戦を行い、さらに地方や国外へ遠征するという非常にハードワークを課される団体です。


それに加えて、メキシコのルチャ・リブレの競技人口は日本のそれとは比にならないほどに多いです。そのトップのみが出場できるのがCMLLということになりますので、練習量もものすごいのです。(サムライTVのCMLL中継でミステル・カカオが言ってました)


つまり、国内での活動のみであっても非常にコンディショニングが難しいのです。それに加えて、今回は日本での試合ということで、時差ボケも相当あったことでしょう。


ドラダはドーム大会でも足の負傷があったようで、その傷の治癒は間に合わなかったのでしょう。こちらが、同情したくなるほどのコンディション不良でした。


それでも、あれだけの飛び技を披露してくれたのですから、本当に頭が下がります。


ドラダはまだ良かったのですが、残酷なまでに災難が降りかかったのがラ・マスカラでした。


当日、会場にいた人なら分かりますが、マスカラは航空機のトラブルで予定されていた第2試合に間に合わないほどのバタバタの来日で、急きょ試合順を変更し、セミに組まれたのですが…これが残念過ぎました。



航空トラブルでの疲れに加えて、時差ボケでほとんど眠れず、さらにウォーミングアップも不十分では十分な力など発揮できるはずがありません。



一つ一つの動きが遅く、ロープを使えば足を引っ掛け、相手への攻撃は全て浅い当たり…終いには対戦相手のドラゴン・ロホJr.にも気を使われる始末……。



自分は、この大会のために事前にサムライでやっていたCMLLの中継を見たのですが、そこに映るマスカラは流れるような動きで、正確な技を繰り出す素晴らしい選手でした。



異国でコンディションを良好に保つことの難しさを身を持って証明してくれました。



しかし、さすがにソンブラは来日経験も豊富で、昨年のSUPER Jr.にシリーズ参戦したこともあってか、好調な動きを披露、ライガーと大熱戦を展開しました。



そして、それ以上の驚きを届けてくれたのが、ミスティコとアベルノの2人でした。


ミスティコはIWGPのベルトを奪取したことはありましたが、日本ではいまひとつ調子に乗れない試合が続いていましたが、今回は素晴らしかったです。


そして、ミスティコの良さを存分に引き出すアベルノもまた素晴らしかった。


セミがマスカラの絶不調で、とんでもない空気で終わりましたが、ミスティコが出てくると雰囲気は落胆から期待へと一気に変わりました。


メインは、ミスティコ&棚橋&デビットvsアベルノ&中邑&内藤というカードだったのですが、新日本勢も素晴らしい動きで沸かせました。


中でも、一番の驚きを起こさせたのが中邑でした。


この試合のハイライトシーンの一つとして、自分はミスティコと中邑が向かい合ったシーンを挙げます。


期せずして、この2人が並び立った瞬間、場内は大歓声。何かを背負ってリングに立つ2人に、やはりファンはとても大きな期待を込めてその名を叫ぶのです。


そして、最近はストロングスタイルの権化の様な存在感を持って闘う中邑が、ミスティコと存分にルチャの攻防を繰り広げました。


スピーディーなロープワークにもついていきました。アベルノとの連携も見せました。


さらに、なんとあの中邑がとっておきのトルニージョまで披露したのだから場内は大爆発。


主役はあくまでもミスティコでしたが、しっかりと存在感を示しました。