2011年もすでに5月の終わり。
桜もすっかり散り、木々の枝先に青々とした新緑が力強く並ぶ光景を見ながら、少しの蒸し暑さと時折り吹き抜ける涼やかな風につかぬ間の日常からの離脱を感じるとき、僕たちは思う。
そろそろジュニアの季節だな――-
そう思ったときには、すでに脳内では『スカイ・ハイ』が無限にループされ、かつての名勝負の記憶を巡らせる毎日が始まる。
ボロボロのマスクを首から下げ、素顔を隠そうともせずに戦うサムライ・・・
リング下から睨みつける外道の目からにじみ出る悔しさ・・・
オリジナリティの言葉の本当の意味を教えてくれたミラノ・・・
自他共に認める神になったアニキ・・・
ジュニア新時代を告げたデビットvs飯伏・・・
突然現れ、シーズンが終わっても居着いたタマ・トンガ・・・
僕たちは、彼らの華やかでさわやかな戦いに心を躍らせ、夢を見ました。
そんな一年で最も心が軽くなるシリーズ『BEST OF THE SUPER Jr.』が5月26日から始まりました。
今年は、5月26日~6月10日まで開催され、出場メンバーは過去最多の18名!
参加団体もホストの新日本はもちろん、みちのく、DDT、K-DOJO、CMLL、ROH、スーパークルーなど多岐に渡り、実に参加18名のうち半分にあたる9名が他団体からの参加になります。
大会はすでに3日目を終えており、公式戦は両ブロック合わせて24試合が消化されています。
順当な結果、予想外の結果など様々ありますが、前半戦を軽く振りかえっていきたいと思います。
まずは、Aブロックから、、、
Aブロックは3日目を終えて、9人中5人が4点で並ぶ混戦模様。
中でも存在感を発揮しているのが、みちのくプロレスのフジタ“Jr.”ハヤトです。
これまでの公式戦3試合ではいずれも好試合を展開。相変わらずのバチバチとした攻防で客席を熱くさせます。
特に開幕戦では、念願の“金本越え”を果たし、後楽園ホールに大「ハヤト」コールを巻き起こしました。
ハヤトは、09年12月のSUPER J CUPにて初めて新日本マットに上がり始めてから、何度かスポット参戦してきましたが、その度に彼にとっての標的は金本浩二のみ。
金本は金本でハヤトの攻撃を十分に受け止めた上で、倍返しで勝利してきました。
ここまでは、シングルであろうがタッグであろうが金本の全勝。
今大会の開幕前には、「優勝もしたいが、とにかく金本に勝ちたい」という思いを語っています。
果たして、試合はハヤトの勝利。金本の執拗なアンクルホールドも、顔面に打ち込まれるストレートにも耐え、見事にこだわりのKIDで勝利。
この試合は現時点でのベストバウトです。
2日目のタイチ戦も危なげなく勝利し、勢いは盤石かと思われましたが、3日目のデビット戦ではデビットのハードコア殺法に苦しめられ初黒星を喫してしまいました。しかし、この試合も非常にクオリティの高いもので、試合後にはまたも「ハヤト」コールが巻き起こりました。今後の闘いにも注目です。
他にAブロックではリチャーズとケニーの外国人勢が調子よさそうです。リチャーズは相変わらずのごり押しの攻めで相手を押し切る戦いをし、開幕戦のメインでは現IWGP王者デビットを下すという波乱を起こして見せました。ケニーもパワー・スピードの両面で驚異的な身体能力を発揮しています。
続いてBブロック、、、
こちらは、得点では田口が無傷の3連勝でトップを走り、TAKA・飯伏・サスケなどが4点で追うという状態です。
毎年のように優勝候補と言われ、毎年のように「毎年優勝候補と言われながら決勝戦にも進めない」と言われている田口ですが、今年はコンディショニングもしっかり整え、ミラノコレクションATの遺産であるどどんスズスロウンを繰り出し白星の山を築いています。
今のところ、田口隆祐に死角はなさそうです。
そして、戦前の予想通り圧倒的な存在感を発揮しているのが“東北の英雄”ザ・グレート・サスケです。
開幕戦のTAKA戦こそキャリア通りの地に足のついた戦いをしましたが、2戦目のライガー戦で鉄柱越えのコンヒーロを解禁。エプロンへのミサイルキックなどあまりにもスーサイドな戦いを展開しながら辛勝。
しかし、3戦目の田口戦では、サスケの繰り出す技がことごとく当たらない。特に飛び技はかすりもしませんでした。それでも、ペースを離さないのがサスケの真骨頂です。技が全く当たっていないにも関わらず、ほとんどサスケペースで試合は進み、試合後には戦前の予言通り、田口と共にタグダンス→変なおじさんムーブを披露するというはじけっぷり。勝ったのは田口のはずなのに、客席はもちろんのこと報道陣までもっていってしまいました。全く目が離せません。
また、これまでに行われたBブロックの公式戦の中で屈指の好勝負となったのが、5/28ディファ有明大会でのTAKAみちのくvs外道戦でした。
お互いにユニバーサルを源流に持つもの同士で、プロレスの技術に関しては日本でも指折りの両者だけにテクニックとテクニックがぶつかり合う戦いになることは予想できましたが、軽く想像を超える試合となりました。
2人とも場外への飛び技や雪崩式の技は全く無し、サミング一つ、握手一つでも見るものの視線を集め、たったひとつのヘッドロックにも多くの技術をちらつかせる2人の攻防には素晴らしいものがあります。
当然、2人の歩んで来たキャリアがあってこそのやり取りではあるのですが、いちいちかっこいい。
そして、中盤から終盤にかけてはめまぐるしい切り返し合いが展開されます。これまでのじっくりとした攻防とは裏腹に、
オクラホマロール→マヒストラル→切り返しエビ固め→回転エビ固め→切り返しエビ固め→回転エビ固め→ジャックナイフ式エビ固め→回転エビ固め→逆さ押さえこみ→ジャストフェイスロック→外道エスケープ→ジャストフェイスロック→外道クラッチ→ジャストフェイスロック→切り返しエビ固め→サミング→ヘビーキラー1号
という攻防を、わずか1分あまりの間に、ほとんど互いの身体に触れたまま、あいての技を切り返すことで流れるように繰り出していきました。
中継の解説をしていた棚橋弘至をして「濃厚」や「この試合を見れた皆さんはお得」と言わしめるほどのクオリティです。
飯伏vs田口戦やハヤトvs金本戦、田口vsサスケ戦などもとても素晴らしい試合でしたが、自分はこの試合が今のところ今大会ベストバウトです。非常に高級感溢れる試合でした。
***********************************
ここまでざっくりと振り返ってきましたが、どれも熱い試合であることには変わりありません。また、ヘビー級にもNO LIMT分裂や真壁&小島の初合体、中西超元気などいろんなニュースが飛び込んできています。
今後も目の離せない試合・大会が続きそうです!

