夜が明ける1 | mizuochi understanding

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ロックンロールバンドのブログです。

こんにちは。


最近は歌う事を止めて本ばかり読んでいます。

知り合いのミュージシャンが褒めていたので

彼が勧めるならどんな内容かなと

はじめは興味で読み始めました。


西加奈子さん

1977年イラン生まれ、大阪育ち。

2004年『あおい』でデビュー後、数々の賞を受賞し、『サラバ!』で直木賞受賞。

名前は知っていましたが、新聞の紹介には惹かれなかったので読んだ事はなかったです。


最初に読んだのが、その『サラバ!』。



大概の小説の場合、読み始めて30ページあたりから止まらなくなるケースが多いのに、不思議でした、この本は50ページを過ぎても登場人物の紹介と小さなエピソードが続き、正直なところ引き込まれはしなかった。ただ、文章は上手い。僕より一回り以上若いからだけでなく、新しいと感じました。

何が新しいか。帰国子女特有のものと言うだけでなく、感じて曝け出す方式にむき出し感があり、ヒリヒリとした僕らには出せないロックの匂いがありました。余談ですが、西加奈子さんはロックバンド・チャットモンチーにも作詞しています。


そんな文章力にひっぱられながら読み進めて行くと、不思議と読むスピードが上がって行きます。

ストーリーに展開する登場人物それぞれの心の機微が上手く表現されていて、知らぬうちに100ページ、200ページと進み、主人公の少年時代の友人とのエピソードなどは実にみずみずしく、あっという間に上巻は終わります。

そしてその読むスピードは下巻でも落ちることはなく、家族それぞれの散りばめられたストーリーがまとめられ、種明かしされ、結論に結びついて行くさながらは、ある意味予想通りではありますが、期待は充分に満たされて読後感は気持ちいい余韻が残ります。


西加奈子さん、こりゃ人気があるはずだと思いました。

これはデビュー作も読まねばと次に『あおい』を読みはじめました。

長くなるので、この話しは次回に。