トリックオアトリート!
いつからですのん?そないな騒ぎは。
ま、小さい子はよろしいですが、大人まで浮かれてどうですのん?
別に迷惑掛けてなかったらいいですけど。
先週に引き続き、
高校サッカーの予選を観に行って来ました。
小学生の頃に僕が教えたプレーヤーが
負ければ引退の選手権大会予選、6回戦。
勝てばベスト8。
ようやく頂点が見えて来たところです。
試合前、選手たちと会えたので各自とリラックスして話しましたが、
過去の対戦では勝っているので大丈夫だろうと言っていました。
彼らと戦っていた頃のトーナメントの試合前は、以前の対戦など関係なく、
気の緩みは絶対に禁物だと話していた事を思い出しました。
予定より時間が遅れての試合開始、
立ち上がりから一進一退で互角な状態。
チャンスはあるものの、ゴールには至らず0-0、試合が動いたのは
不用意なファールからイエローカードを貰ってしまったフリーキックからでした。
不用意なファールからイエローカードを貰ってしまったフリーキックからでした。
ベンチでもカードの理由を確認している状態で、チーム全体に不穏なムードが流れ、
こんな時はよく失点してしまう事が、、、
こんな時はよく失点してしまう事が、、、
と、思った瞬間、相手のシュートが決まりました。
後半が始まり、チームはスパートをかける事なく、
0-1のまま相変わらず攻撃の形を作れずに
奪ったボールを中央へ放り込むだけの単調な繰り返しを続け、
やがてカウンターから逆サイドのフリーな選手から
完璧な追加点を奪われてしまいました。
0-1のまま相変わらず攻撃の形を作れずに
奪ったボールを中央へ放り込むだけの単調な繰り返しを続け、
やがてカウンターから逆サイドのフリーな選手から
完璧な追加点を奪われてしまいました。
そのままホイッスルが鳴り、試合終了。
彼らの高校サッカーは終わりました。
泣き崩れる選手、呆然と立ち尽くす選手。
挨拶が終わり、ベンチに戻ってくる選手。
僕の教え子たちは比較的冷静に見えました。
まず、ベンチに入れなかった選手が僕のところに来てくれました。
口を真一文字に結んで、真っ直ぐ僕を見て、何も言いません。
よく声を出したぞ、ご苦労様。
そう伝えて握手しました。
次に10番が来てくれました。
終わっちゃったな、お疲れ様。
目には涙を貯め、何か言おうとしていますが、
嗚咽が止まらず、何も言えずしゃくり上げて来るものを抑えるのが精一杯でした。
嗚咽が止まらず、何も言えずしゃくり上げて来るものを抑えるのが精一杯でした。
8番は試合前、得点の約束をしましたが
残り10分を切って、フリーキックを蹴る前に交代となりましたので
残念だったな、よく頑張った。
そう伝えましたが、彼も何も言えずに真っ直ぐ僕を見ていました。
14番は足を引きずりながら来てくれました。
大丈夫か?足、よく走った。頑張ったな。
彼もまた、何も言わずに涙を溜めた目でこっちを見ていました。
いつの間にか選手たちの中央に自分がいる事に気付き、
輪の中から出ましたが、会場で会った若いコーチが歩み寄って来て、
こっちに来て欲しいと呼ぶので行ってみると
輪の中から出ましたが、会場で会った若いコーチが歩み寄って来て、
こっちに来て欲しいと呼ぶので行ってみると
教え子の親御さんがいました。
負けちゃったね、と伝えると、抱き寄って来られました。
幸せでしたと仰っていました。
一緒に戦っていたのは5年以上前の話なのに、忘れていない。
何も言えないのに、真っ直ぐ僕を見てくる。
ひとりひとり握手をして、ご苦労様とねぎらいながら、
一生忘れない瞬間に立ち会えただけでなく、僕のところにわざわざ来てくれる彼ら。
一生忘れない瞬間に立ち会えただけでなく、僕のところにわざわざ来てくれる彼ら。
あの時、僕も本気で彼らと過ごして良かった。
親御さんに何度もありがとうございましたと声をかけられましたが、
僕の方こそ、ありがとうです。
美しいものを見せてもらいました。
試合が終わったピッチは、夕焼けから日暮れになり、夜の帳が下りて来ました。
あしたはみんなに訪れます。
晴れても、雨でも、あしたが来ない日はありません。
彼らのように。