9月最終日です。
いつも思うんですが、6月の雨から7月に上がり
8月の暑い日を乗り越えて9月にようやくマシになり
10月から一気に寂しくなっていく。
例年と少し違うのは台風と雨の多さですけど、、。
どちらにしても10月はキライです。
うどんジャーニー⑥
前回でうどんがバンドを脱退しました。
話しは終わった?と思いきや、その後がありました。
僕たちは新体制となり、大阪市内のライブハウスへ進出し
意気揚々と活動の幅を拡げて行きました。
相変わらず僕の家での練習も定期的に行い
ご近所の皆さんには爆音を轟かせていました。
そんなある日、、、。
僕の部屋でバンド練習をしていた時、ニコニコ笑いながらうどんが現れました。
「おお!うどん、どないしたん?」
みんなは演奏を止めて彼を歓迎しました。
「、、、、いや、演奏続けて、、ちょっと遊びに来ただけやから、、、」
僕はうどんが練習を聞きに来ただけかと思い、数曲演奏を続けましたが
どうやら様子が違う様なので、一旦休憩としました。
「、、、。では、ちょっとイイかな?」うどんはカバンから何やらゴソゴソと準備をはじめ
「、、、。すみません、お水、お借りします、、。」急に口調を変えて
実権道具にような容器と10円玉を用意して、洗剤で10円玉を洗い始めました。
「、、、。この様に、普通の洗剤です。、、、汚れた10円玉が、みるみると、、、」
ぎこちない口調のまま、茶色の10円玉をピカピカにして見せてくれました。
僕らは目の前でうどんが始めた実験にどう反応したらイイのかも分からず、
ただポカ~ンと眺めていました。
「、、、、。と、言う事で、こんなにキレイに。

その上、手にも安心。みたいな、憶えて来たセリフを喋らされている様な
下手な学芸会を観ているようでした。
「、、、、。洗剤はイイ物なんですが、実は、、、。」
うどん曰く、僕らバンドマンは忙しくてバイトもする暇がないだろう。
今日は、楽して儲かる話しをしに来た。と、のたまいました。
「、、、ゼッタイ、儲かるねん、、、、。」薄ら笑いを浮かべながらうどんが言いました。
「フェラーリにも、乗れるねん、、、、。」
すると、
「おい!黙って聞いてたら何言うてんねん!!」普段は静かですが
元来正義感の強いベースが怒鳴りました!
「お前、久しぶりに来て、どうしたんかと思ったら、友達を売るような事するな!!」
かなり本気で怒っています。
僕なんかは、うどんのする事なんでのんびり聞いていましたが
はじめて会うドラムにもすすめるうどんにとうとう我慢できなかったのでしょう。
普段から滅多と怒らないベースが怒ったんで、うどんも始めの勢いは無くなり
シュンとなってしまいました。
元々根っからのワルではないだけに、そそくさと道具を片づけ
悲しい笑顔のまま小さな声で「、、、、、ゴメンな。オジャマしました、、、。」と
トボトボと帰って行きました。
それから3カ月ほど経って、僕のところに1通の封書が来ました。
(拝啓 バンドのみなさまにはますますご活躍の事と存じます。
先日は突然の訪問、すみませんでした。悪気があった訳ではないので~云々
、、、、、、
夢を実現するためには方法があります~云々、、、
ひとつ・朝早起きすること!
ひとつ・夢を具体化すること!
ひとつ・毎日心で復唱すること!
、、、、、、、、、、、。)
なんだか、本気で残念に思えて、バカバカしくも悲しい気持ちになりました。
この封書が届いて依頼、彼には会っていません。
どこでどうしているのか、、、。
ただ、封書の最後には
(フェラーリを目指して!)
と、書いてありました。
悪いヤツじゃないんですけどね、、、、、、残念。
(うどんジャーニー・おわり)