こんなプレイヤーがいた! ホンマもんのパンクロッカー③ | mizuochi understanding

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ロックンロールバンドのブログです。

こんにちは。

またもや台風ですか、、、

いい加減にして欲しいですね。


ホンマもんのパンクロッカー③

とにかくAは幼なじみで、本来は優しい良い奴なんで、今でも会ったら話しをする間柄ですが

この頃は何をやり出すか分からないジャンキーでしたから、付き合いも一線引いていました。

ただ、中毒患者だと言うだけで付き合いを拒む程冷たい関係ではなく、無理矢理シンナーを辞めさせる程の熱い関係でもなかった。
僕らを繋いでいたのは、バンドを演っていると言う事だけが、なぜか不思議な信頼感があって続いていた様に思います。

ある日、地元の市民会館を借り切ってコンサートをやると言う話しがあり、僕のバンドも声が掛かりました。

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企画自体がいい加減でもあったんですが、
とりあえずチケットを売ってコンサートに出る。機材は持っている奴が持ち寄り、PA屋さえなし。ボーカルは会場のマイクシステムで流用して、その音量に合わせてアンプを調整しました。

リハーサルに集まってみると、当然の様にAもいます。それも3バンドほどに掛け持ちで、ギターやボーカル、ドラムまでやるみたいです。

僕らは唯一のオリジナルを演奏するバンドとして参加したのですが、チケットが酷かった。
手書きで
『出演 キャロル、アナーキー、甲斐バンド、、。』
どんなコンサートやねん⁉︎
って、誰も騙される奴は居ませんでした。
客のほとんどは同級生か、後輩。またはその友達や兄弟。唯一異質を放っていたのがアナーキーの親衛隊。
まあ、最後は彼らが大暴れして終わるのですが、少なくとも僕らの演奏も楽しんで聴いてくれました。

僕らのステージが終わって楽屋で休んでいる時、奥で女の嫌がる声とAの声がして見に行くと、Aが無理矢理客の女の子のパンストを脱がしていました。
脱がしながら、『お、ミズたん、RCやるで!演奏して!』と、僕らに言います。
つまり、僕らをバックバンドにRCサクセションをやろうと言う事でした。

訳も分からないままステージに再度上がって『雨上がりの夜空に』を演奏しました。

この時僕はドラムを叩いていましたが、後ろから見るバンスト姿のAは満面の笑みで生きている事を満喫している様でした。
僕らは、もう長くはないであろう彼の人生のプレゼントの様な気持ちで思いっきり演奏しました。

まさか、その後も、今でもAが生きるなんて思ってもいません。その時は。

エピソードが尽きない彼ですが、次回は塀の中の話しです。

(つづく)