My favorite 100 「デビューしなかったバンドたち」 | mizuochi understanding

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ロックンロールバンドのブログです。

こんにちは。

とうとうMy favoriteシリーズ、100回目。

ラストです。

最後に誰が来るのか、いろいろ考えました。

でも、結局、僕のバンド人生の中で

色々と影響を受けたお気に入りのバンドは

実は全然デビューできなかったり

一部の人にしか受けなかったり

世間的には全く評価されずに

消えて行ったバンドが沢山いることを書いてラストとしたいと思います。


My favorite100
デビューしなかったバンドたち

そもそも、僕がバンドを始めたキッカケは
中学の時にたまたま観た先輩の弾き語りや
親戚の兄ちゃんが弾くピアノやギター
その後、一気にやってくるギターブームから
自分たちが楽器を演奏してもいいんだ、という感覚からスタートして
みんながアリスの「冬の稲妻」や榊原郁恵ちゃんの「夏のお嬢さん」
(なぜ郁恵ちゃんだったのか?それは3コードだったから!)
なんかを練習している時、僕は自分の知ってるコードで歌を作り始めた事が
今まで引っ張っているベースとなっています。
「夏のお嬢さん」を自慢げに弾いてるヤツを見ても
どうとも思いませんでしたが、
ビートルズやロックンロールを弾くヤツや、ブルースを弾くヤツには圧倒されました。

そうしているうちに、近所でもドラムを叩くヤツが出て来て
今思うとただの8ビートに感動するほどショックを受けたりしました。
バンドを組んで活動を始めた頃は
どこで聞きつけたのか、近所のバンドから接触があり
気が付けば僕の部屋で頻繁にセッションが繰り返されるようになり
演奏の上手いヤツに会う度、うれしくて毎日が刺激的でした。
僕らのバンドは演奏こそそれ程上手いとは言えないバンドでしたが
スタートから他人の曲を演奏せず、自分たちで作ったオリジナルを演奏していたので
誰もオリジナルを演奏しているバンドがいなかっただけに
上手いバンド仲間たちからも一目置かれていました。

でも、今でも僕は自分の下手さは負い目に感じています。
それだけに知り合ったバンドの演奏の上手さやカッコ良さ、
レベルの高さを感じた時、悔しいとか、恥かしいと思う前に
すごくうれしくなってしまいます。

はじめに上手い!カッコイイ!と思ったバンドは
僕らが初めてライブハウスに出演したキッカケとなった
The Blackbirdという近所のバンドです。
彼らは中心人物のコンポーザーが、その後何度も一緒に組む事になるのですが
彼を中心とした基本的にビートルズとキャロルをベースにしたロックンロールバンドで
地元の同年代では抜群に演奏力の高い4人組でした。
8ビート、ベースのライン弾き、リードギターとサイドギターの役割なんかは
彼らから教えてもらったようなものです。
このバンドの中心人物は、その後数々のバンドメンバーを変更して
最終的に勝負を掛けた女性ボーカルを入れたリバプールサウンズのバンド
The Notaxという知る人ぞ知るバンドとなりますが
その頃の音源が残っていないのが非常に残念です。
今でも、このバンドのCDが出れば予約してでも買うでしょう。

次に大きな影響を受けたバンドは大阪・西淀川のバンド
Jail Guiter Doors。
バンド名でクラッシュ愛が溢れていますが、彼らに何を驚いたって
それはファッション。
ジョージコックスのラバーソウルを履いて、リーバイスの606の黒ジーンズ
ピストルズの破れたガーゼシャツを着て、近所ではまだ誰もしていなかったツンツンヘアーでした。
僕らは南河内の田舎モンですから、せいぜいジャケットを羽織って粋がっていましたが
彼らは、すでにロンドン直輸入の身なりでした。
その頃、僕のバンドでサイドギターを弾いていた
後に日本を代表するパンクバンドのフロントとなる男は
彼らに会った次の日からパンクファッションに鞍替えしていました。
ただこのバンド、ファッションだけでなくボーカルの歌の旨さと
リーダーのギターのセンスは光っていました。
このリーダーは散髪屋という稼業から、最後は月曜だけのバンド活動を続けていましたが
さすがに月曜のライブには人は集まらず、いつの間にか散髪に専念するようになり
今もクラッシュ絡みの名前で店を切り盛りしています。

Peggy Sue
僕のバンドの貼り紙で応募してきたギターが一緒に組んだ後、独立して作ったバンド。
何年も一緒に苦労して、夜通しああでもないこうでもないと話した間柄でしたが
今では口も利いてくれない関係になっていますけど
このバンドのオリジナルは秀逸です。
もともとファンシーショップで働いていたメルヘンチックな男ですが
メロディーと詞が独自の世界観を作りだし、一定の女性ファンを囲っていました。
上手くチャンスが巡っていれば流行となった可能性は高いと思うのですが
最終的にはメジャーデビューせず、ボーカルだけコーラスグループの一員として
デビューしています。

他にも影響を受けたバンドは数えだすとキリがない程あります。
あえてメジャーからデビューしたバンドは除きました。
どのバンドも思い出すと
なんであのバンドが売れなかったのか?と不思議で仕方ありません。
でも、今となっては売れる事がバンドの価値では無い事は分かっていますが
その頃はみんなが売れる事が続ける事だと信じていました。

今、あの頃の仲間で音楽を続けているヤツは殆どいません。
僕が好きだったヤツラの音楽、せめて音源だけでも残っていれば
僕のレーベルからでもリリースも出来るのですが
惜しい限りです。


さて、今回でMy favoriteシリーズは終了します。

次回からは、新しいコーナーを考えていますので乞うご期待!