バンドの思い出 その37 メンバー募集 ① | mizuochi understanding

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ロックンロールバンドのブログです。

こんにちは。

この歳になって路上からやり直しています。

若い時と確実に違うのは観てくれる人の表情がよくわかる。

「なんだ、こいつ?」なのか

「うるさいなぁ、、、。」なのか

「お、なかなかエエやん、、。」なのか。

10代の頃はそんな気持ちの余裕もなく

どや!どや!どやねん!!

の連続だったように思います。

これは、好きな人はイイかも知れませんが

苦手な人にはタマッたもんじゃないですよね。

演奏に余裕があるのではないですが

それなりに人の表情を見ることは出来る様になっているなと

そう感じました。

バンドの思い出 その37

メンバー募集 ①

かれこれバンドをやって来て、何度かメンバーが代わっています。

最初の頃は学校の友人と組んで

平行して親戚と組んで、その2つを合体させて楽しんでいました。

しばらくは楽しいばかりなのでメンバーも同じく楽しんでいます。

だいたい他のバンドもそうだと思いますが

バンドメンバーが代わる時は学校の卒業とか就職など

メンバーの生活が変わるタイミングで起こります。

僕の場合、3回ほどあったかな。

今回紹介するのは僕が21歳の頃、

メンバーの2名が学校を卒業するタイミングで辞めることになり

残ったベースと2人でメンバー募集をした時の思い出です。


今はネットの普及で便利になっていますけど

当時は音楽雑誌に掲載するか、募集のチラシを作るくらいでした。

ライブハウスでスタッフや知り合いのバンドから情報を得たりしても

なかなか厳しく、とにかくチラシを作る!それが一番だったと思います。

ただ、チラシを作ってもなかなか電話なんか掛けてこないだろう?

と思われるかも知れません。

それに携帯のない時代、家の電話番号なんかそこらに貼りだして大丈夫か?

そう思いますが、そんな事まったく考えていませんでした。

ライブハウス、楽器店、レコード屋、、、。結構貼りまくりました。

すると掛かってくるもんですね、電話での問い合わせが何軒かありました。

「、、、、あの~、バンドの募集チラシ見たんですが、、。」

「あ、どうもありがとう、で、どんな音楽とか好きですか?」

大概そんな会話から始まって

好みが近いと話しも盛り上がり、「じゃ、今度スタジオに入ろう!」ってなります。

最初に電話してきた人はキッチリした同じ歳の男で
(ちなみに女性不可と書いていたかも知れません)

ドラムを習っていたと聞きました。

習うって、どこで?と思いましたが、当時はヤマハのドラム教室はありましたが

バンドやるヤツがレッスン?という印象もありました。

それなりに出来るだろうと思ってスタジオで待ち合わせ。

「こんにちは~。」

すごく真面目そうな、ちょっと僕の周りにはいないような育ちの良い僕ちゃんみたいな人でした。

確実に違っていたのはマクレガ―のチエックのシャツの、第一ボタンが留めてあった事です。

「あ、どうも。 ここ場所わかった?」「、、あ、はい。ちょっとだけ迷った。」

そんな会話があって、音出しが始まりました。

(なんか、電話の雰囲気とちょっと違うかな?)

「じゃ、ストーンズのジャンピンジャックフラッシュやりましょか」

「え?」

「あ、ジャンピンジャックフラッシュ。ストーンズ好きって言うてたね?」

「あ、ああ、ローリングストーンズですね!!」

「うん、ジャンピンジャック、知ってるよね?」

「あ、たぶん、わかるかな?」

「ま、とりあえずやってみましょう!」

ジャーンジャーンジャ、ジャーンジャーン!
ジャーンジャーンジャ、ジャーンジャーン!

「Whachi' !」

ジャッチャー、ジャジャじゃ、じゃじゃ、じゃ?

「あの、ゴメン、俺が Whachi' ! って言うたらドラムも入って、、。」

「あ、わかりました。」

ジャーンジャーンジャ、ジャーンジャーン!
ジャーンジャーンジャ、ジャーンジャーン!

「Whachi' !」

ジャッチャー、じゃじゃ、じゃ?

「、、、、、あ、分かりにくいかな?じゃ、カウント取って、みんな一緒に入ろか?」

「、、、、はい。」

「んな、カウント、取って?」

「カウントって?」

「あ、ゴメン、、、。じゃ、俺、カウント取るわ。

ワン、ツー、スリー!」


、、、、。

終始そんな感じで、経験がないのか、勘が鈍いのか、別に悪い人ではなさそうですが

ちょっと、困ってしまいました。

2時間のスタジオを終え、とりあえず3人でメシでも食おうとなり駅前まで歩きました。

ベースが怪訝な顔で「、、、どう?」と、聞いてくるので「、、、まぁね。緊張してるんかな?」と

彼の歩く後ろでコソコソ話していました。

それでも彼はなんだかずっと楽しそうで、ニコニコしています。

「ここでいいかな?」

ファミレスのような店に入りました。

僕とベースはカレーライスを頼みました。

「じゃ、僕はエビフライとハンバーグのセット、それからクリームソーダ。」

、、、、、、、、。







非常に残念ですが、彼の注文を聞いて、申し訳ないのですが、

一緒に出来ない。

そう思いました。

正直にそう伝えると、彼は少しガッカリしたような表情を見せ

とても悪い事をしたような気になりましたが、ズルズルと答えを伸ばしても意味がないので

「まぁ、またどこかで会おうよ。ライブとか来てよ。」

と、声を掛けたのはちょっと配慮が足りなかったかなと

後で反省しました。

あ、クリームソーダが悪いんじゃないですよ。

決定打となったのかも知れませんけど、、、、。


(つづく)