バンドの思い出 その26 キャンプ2 | mizuochi understanding

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ロックンロールバンドのブログです。

こんにちは。

最近はキャンプへ行かなくなりました。

理由は、キャンプ場だとかやたら管理された場所ばかりになり

夜は騒ぐなとか、火はここでとか、テント張るのに高い金額を払って

木はこれがいくらで、水はこれを使って、トイレはキレイな方がいいけど

それでアウトドアか!って言いたくなりますよ。


バンドの思い出  キャンプ2




晩飯を食べ終わった僕らは
せっかく海に来たので、真っ暗な海を見に行く事にしました。

この時から一番年下のサイドギターは乗り気ではなかったようです。

懐中電灯が一つあるだけで、足元もおぼつかない状態で
岸壁に来ました。

良く見ると、ボートが岸に括り付けてあります。

「おー、船や!船! 乗ろうぜ!」

まず、僕が乗って、岸を足蹴にして沖の方へ進めます。

ある程度行ったら、括られたロープを引っ張ってもらい
岸に帰って来ます。

「次は誰や?」「俺、俺!」

そんな感じで順番に船に乗りました。
夜の海は不気味に真っ黒で今にも何か飛び出して来そうな雰囲気でした。

「ジョーズとかおるんちゃうか!?」

そんな軽い冗談でも
真っ黒な海は一気に恐怖なものに見えて来ます。

「、、、、。お前、まだ乗ってないやんけ!」
「俺?、、、ええわ、、。」

サイドギターは暗闇でわかりませんでしたが
きっとビビった顔でキョドっていたのでしょう。

「そんなん言うなや、乗れよ。」

「、、、、。だって、紐、離すやん、、、、。」
「離すわけないやんけ!」
「絶対離すわ!」

もう、声が泣き声に近い状態です。

「、、、、絶対、離さへんから、まぁ、乗れて。」

みなさんの想像通りの展開です。

この後、半分無理やり乗せられたサイドギターは
案の定、思い切り船をキックで沖へ蹴飛ばされ
こけそうになりながら沖へ沖へと向かう船から
「頼むわ!紐!引っ張って!!!!」
と半泣きに叫びながら、どんどん遠くなって行きます。
「やめて!助けて!引っ張って!!」

「キャハハハハハ!!!!」

僕とボーカルは死ぬ程笑って、わき腹が痛くなっています。
でも、心の優しいリードギターは「もう助けたろう、、、。」と
紐を引っ張ります。
「アカン!まだ引っ張るな!!ワハハ!」


ようやく岸に戻ったサイドギターは
「、、、だから乗りたくないって、、」と、ブツブツ呟いています。

「お、次はカクレンボしようぜ!」

「、、、、、、、、、、。」

サイドギターはまたもや不安気な顔。

予想通り、サイドギターが鬼になった時
みんなでまとまって防波堤の裏の壁まで隠れました。


「、、、、、。ちょー、どこー? もう、怖いって~。」

「どこなん?、、、、頼むわ~、出て来て~!」

僕らはサイドギターの不安気な声に笑いを堪えるのが大変でした。
特にボーカルなんかはわき腹を押さえながら、苦しそうに笑いを堪えていました。

5分、10分と経ち、だんだんと声もか細くなっていきます。

「、、、、、。もう、、、頼む、、、頼みます。、、、出てきてぇ、、、。」

ベースがもう出て行ったろかと言うのを押さえてるその時。

「あ!おった!!」

懐中電灯の灯りがこっちを照らしています。

「おった!!」
「おー、見つかったな!」

ん?

?????

なんで壁の内側に隠れているのが分かったのでしょう?

、、、、、、、。

見えないはずの壁の向こう、ましてや夜中の暗闇でなぜ?

「、、、。だって、アタマ、出てたもん!!」

!!!!!

リードギターはみんなよりアタマ一つデカいので
そのアタマが壁からニョキっと飛び出していたらしいのです。

「なんや!アホくさ~~!!」
「ワハハハ!」


そんな馬鹿な事をしながらも夜は更けて行き
寝る時間になりました。

その夜にまさかの展開が待っていようとは
この時、誰も予想だにしていませんでした。

(つづく)
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