前回のブログで藤子不二雄Ⓐさんのことを
書きました。
ここ数年で、マンガ界の巨匠といわれる方々が
他界されましたが、昨年9月に亡くなった
さいとうたかをさんもその一人ですね。
さいとうたかをさんと言えば、『ゴルゴ13』で
有名で、私もよく読みました。![]()
子供の頃は、「ごっつい絵だなあ」と思って
いましたが、大人になるにつれ、子供向けの
マンガに物足らなくなって、さいとうさんの
描く世界に魅力を感じるようになりました。
もともと、さいとうたかをさんは大人が
楽しめるマンガを目指していたようですね。
さいとうさんの作品には、自分自身の実体験を
通して培ったような、筋の通った哲学のような
ものがあったと思います。
テレビのインタビューでも、『ゴルゴ13』が
長期連載になった理由を「その時代その時代で
変わりますもん常識なんてのはね。
善悪もそうです。その時代のそういう常識とか
観念みたいなものに囚われなくて済んだことが、
長続きした一つの理由」と語っています。
私の本棚にさいとうさんのエッセイ集『鬼平流』
(宝島社)という本があります。
その中に「自分の中にルールを作れ」という
章があるのでご紹介します。![]()
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人間社会は約束事で成り立っている。
その約束事を守れない人間は社会で
生きていくことが許されない。
ただしここで勘違いしないでほしい。
約束事が正しいわけではない、
約束事=正義ではない、ということだ。
例えば、六法全書には「人を殺しては
いけない」とは書かれていない。
「人を殺したらこのような罰を受けますよ」
と書いてある。
人間社会が未熟だった頃には、
殺しはむしろ正当化された。
(中略)
約束事、善悪は時代によって変わるのだ。
私は、車も来ないのに赤信号でじっと
止まっている人間を見ると、こいつは
バカなのか、と思ってしまう。
頭が悪い、ということではない。
何も考えていないことに愕然として
しまうのだ。
赤信号で何も考えずに止まっている人間は、
青信号になったら周囲を確認せずに飛び出す
ような人間ということだ。![]()
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これでは犯罪が起きるのは当たり前だ。
法律やそれに伴う刑罰はあくまでも約束事に
過ぎない。
約束事を守っていればいいと、
何も考えずに行動していれば、犯罪は
なくならない。
なぜそのような約束事が生まれたのか、
そもそもこの約束事とは何なのか、
この「そもそも」を考えなければ
犯罪はなくならないのだ。
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この章の冒頭には「車が来ない赤信号で
止まるバカ」というタイトルがついています。
「赤信号で何も考えずに止まっている人間は、
青信号になったら周囲を確認せずに飛び出す
ような人間ということだ」という部分には
ドキッとしてしまいます。
ボーッとしていると、ゴルゴ13に狙撃されて
しまいそうです(笑)![]()
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日本人はルールを守る真面目な国民と
いわれいています。
その点は素晴らしいと思います。
私は維摩会 春秋館で東洋哲学を学んで
いますが、立派な先人が説かれた事を
鵜呑みにするのではなく、自分の心で
思考して自分の心で会得することの大切さを
教わっています。
恥ずかしながら、有名な学者が言ったからとか
法律にそう書いてあるからとか、無思考に
いろいろな考えを受け入れてしまっている
ところが私にあります。![]()
「世間の常識」といわれるものが善なのか
悪なのか、価値あるものかそうでないのか、
その常識が生じた背景は何のなのか…。
仏教に「正見」や「正思惟」という言葉が
ありますが、正しいものの見方というのを
維摩会 春秋館で学んでいきたいと思います。
皆様の思考が健全でありますように。
合掌![]()