階段。これを何回上り下りするのだろう。

階段や廊下以外の各部屋は使用時間は長いだろうけれど、使う回数は階段の方が圧倒的に多いでしょうし、2階に生活の中心を持っていったので、上にも下にも階段1階分で楽。とはいっても、結局は3階まで何回上り下りするのやら。


とうことで部屋以上に気合を入れて取り込まなければならない階段。 

設計にあたっての要望は、安全で楽に上れること。 簡単なようでこれが結構頭を悩まします。 そして、その前に我が家は3階建てなので、建築基準法をクリアしておくことが必要となります。 建築基準法では3階以上の住宅の階段は、「直通階段」にしなければなりません。 この直通階段、定義が中々難しいようですが、「2階あるいは3階から1階まで、途中に障害がなく経路が明確で迷うことなく容易に到達できる階段」ということでしょうか。 要は避難が容易に出来るためですが、どういうのが直通階段かは、インターネットで事例を勉強した上で、建築士に相談するしかありませんでした。 その上で、安全・快適となるのですが敷地や間取りとの兼ね合いがあり、そうそう理想的なものが作れる訳もなく、ポイントを3点お願いしました。


1)曲がり部に出来る三角形の階段は作らない。

気をつけていても、どうしても内側に寄って階段を上り下りするので、踏み板が小さな三角地帯に足がついつい向いてしまい、足を下ろす面積が小さくなり危険であること。 この地帯では当然歩幅の変更を強制するので、足を踏み外す原因となり危険なので、この要望は始めから必須にしていました。


2)下の階から上の階に直線で結ばれる「ストレート階段」は作らない。

これを鉄砲階段というようですが、踏み外すと一気に転げるように転落してしまう危険があります。 コの字型やL字型の階段は転落時に曲がり部分の壁で止まり、怪我の程度を軽くすると思ったのでそうお願いしました。


3)最後は快適あるいは楽の部分ですが、公庫融資住宅技術基準のバリアフリー住宅の仕様あたりを参考にしました。 年を取ってからのことも考えると、できるだけ楽な階段としておかないと、上るのがおっくうになりそうなので、お願いしました。


因みに基準は、階段は大体同じ勾配ですので、階段一段でいうと、踏面(足の裏をおくとこ)と蹴上(一段の高さ)の関係が、

踏面≧195mm

(蹴上÷踏面)≦ (22/21)

550mm ≦(踏面+2蹴上)≦ 650mm

となりますが、間違っているかも知れませんので、余り信じないでください。


我が家の場合でいうと、コの字型で曲がり部は踊り場で、踊り場内での段差なしなので、5段+5段+4段の勘定となりますので、


踏面=0.5間(910mm)÷4分割=228mm           + (段鼻30mm)=258mm

階高=2738mm、14段


蹴上=階高÷段=2738mm÷14段=196mm         200mm未満

蹴上×2+踏面=196mm x 2 +228mm=620mm       640mm以下

蹴上÷踏面=196/228=0.859649                約6/7


数字的にはこうなるのですが、実際に出来上がってみて、どうなることやら。

家を建てる、あるいは、家を設計する時に、最も重要な知識の一つが、敷地境界線。

せっかく新しい家を建てて新しい生活が始まるのに、最初からご近所とトラブルになったとしたら、サー大変。 後から引っ越してくる新参者としては、ご近所とは無用な揉め事は避けたいところ。 古代から続く土地のトラブルの大半は境界線に関することなので、敷地境界線と建物の関係は十分過ぎるほど建築士に確認しておく必要があります。 因みに民法では、どう規定されているかというと;


第234条 (境界線付近の建築の制限)

第1項

建物を築造するには、境界線から五十センチメートル以上の距離を保たなければならない。


第2項

前項の規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。ただし、建築に着手した時から一年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる


第235条

第1項

境界線から一メートル未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む。次項において同じ。)を設ける者は、目隠しを付けなければならない。


第2項

前項の距離は、窓又は縁側の最も隣地に近い点から垂直線によって境界線に至るまでを測定して算出する。 


要は、境界線から少なくとも50cmは離して建物を建てないといけないということですし、1m以上離さないと、窓の外側に衝立を設けるとか、窓をFIX(開かない)ようにして更にすりガラスにするとか、しないといけないという制限が加わるということになります。 建ててからは、もうどうしようもなくなってしまうので、要注意です。

3階建なので階段が大変。 真っ先に思い浮かぶのはエレベーターや階段の勾配。 この点については、別に書くとして、今回は吹き抜けのこと。 階段自体については何となく吹き抜け部分があると良いなと漠然と考えていて、コの字のような階段にしてもらいました。 コの字の真ん中が吹き抜け部分。 


でも、良~く考えてみると、3階から1階を見下ろしたら、怖いだろうナと思いだした。 それに階段を歩いている時に小さい子供が落ちて怪我したり、物を落として下にいる人が傷つかないのだろうかと思い始め、各階の吹き抜け部分にネットでも張らないと安心できないナとも。

そうこしている内に吹き抜けは空調が効きにくいとの話も出て、冬は暖房が効かず寒いので皆さん何らかの対策を取っているようなブログの書き込みも発見。


さてどうしようと、何時ものようにネットサーフィング。 やはり同じようなことを考えている人はいるもので、吹き抜け部分を透明床にしようというもの。 FRPグレーチング(半透明)を張ってその上にアクリル板(透明)を乗せる構造。 これなら採光にも影響があまりなく、安全な上、暖房効率もあがりそうなので、早速採用しようという気に。 ブログにあった写真を建築士の方に見せて、同じようなものに仕上げて下さいと頼みました。


そして一週間後に再度建築士の方との打合せ。 彼が提案してきたのは、何とそういう物が既に商品化されてあって、これを使いましょうということになりました。 グレーチングと透明板で手作りかな・・・と思っていたのですが、やはり強度の問題で、市販されているものを使うのが安心できる、ということなのでしょうか。


この商品「ひかりゆか」というそうです。 別に床自体が光るわけではありませんが、上からの光が通るという意味の「ひかりゆか」なのでしょう。


2009年1月発売

AGCマテックス: 吹抜け補強材「ひかりゆか」


この姉妹商品に「ひかりかべ」というのもあります。 未だ実物を見たことがないので、どの程度 光が通るのか判りませんが、早く見てみたい気がします。

ランドリーシューター。洗濯物シューターとか呼び方が決まっているわけではありませんが、海外でダストシューターのありがたさを経験した妻は、このランドリーシューターを密かに考えていたようで、私の意見など何処吹く風の有無を言わせぬ設備とあいなりました。

我が家の間取りプランは、ざくっと言って、


3F:居室・シャワー・洗面室・トイレ・ベランダ

2F:LDK・      家事室・トイレ      (主婦の階)

1F:居室・バス・   洗面室・トイレ


といった配置。 要は3Fと1Fに居室があり、2FはLDKと家事室・トイレのみ、の配置。 洗濯物が出るのは3Fが主で、1Fからは余り出ない。 ということで、ランドリーシューター用に3Fから1Fまで直線上に貫通する穴を設けてこの穴を板で覆うという、いたってシンプルな構造。 ただ、このために1F~3Fまでのトイレの位置を同一場所に配置するとか、ここに至るまでに間取りの設計は何回もやり直しました。


さて、ここから先、想定しなくてはならないのは、何処で洗濯するかの点ですが、洗濯物を干すのは、家事室の中での室内干しとしていますので、当然2Fの家事室に洗濯機を置き、ここで洗濯します。 そうなると、3Fから落ちてきた洗濯物は2Fで受け止めなくてはなりません。 

一方、将来とか都合によって、1Fで洗濯することも考えられますので、3Fから1Fへ(2Fから1Fへも)落とすことも考えなくてはなりません。 

こういう事情を建築士の方に説明して、どちらにでも対応できるように、通常は3Fからの洗濯物を2Fで受け止めるための、2Fの穴を塞ぐ板(扉兼用)を作ってもらいました。 

これで1Fで洗濯するようになった場合でも、2Fの板を上げておけば、3Fからストレートで1Fまで落ちるといった構造になっています。


2Fの家事室と1Fの洗面室の双方に洗濯機を置けるようにスペースと水道・電源を確保していますが、妻に満足してもらうには中々お金のかかることです。