熱が下がり、目眩も程無く収まつた午間、
近所のよろづ屋にラムネを買いに向かう。
よろづ屋にはラムネは置いて居らず、
代わりに三ツ矢の炭酸水を手に入れる。
燦々と高き処にて輝く太陽が
家路の花に彩りを添える。
満開の桜は基より、
秘めやかに立ち竦む黄水仙や
熟れた果実を想わせる様に
花弁に染みを這わせつつある
淡き紫の木蓮にまでも。
目蓋を突き抜けて眼を射抜きかねぬ陽をかわし
青褪めた空に意識を奪われかけつつ
今を咲き生きる彼らに
レンズを向け、シヤツターを切る。
幾度も、幾度も。
まーさか死角でおばあちゃんが日向ぼっこしてたとはねー。
脅かしちゃいますた。
悪い事したなー。
