順天堂大学加齢制御医学講座准教授の青木晃先生監修の本をご紹介します。


 子どもたちを守るためのいちばんわかりやすい放射線対策の本 (MARBLE BOOKS)


青木先生は防衛医科大学卒で元医官でもあり、あの地下鉄サリン事件の救護にもかかわった方です。

防衛医大では放射能汚染から体を守るための研究などが以前からされています。

「大量のアスコルビン酸(ビタミンC)前投与は放射線大量被曝を受けたマウスの胃腸障害を予防する」という内容の論文などもあります。

Yamamoto T et al: Pretreatment with Ascorbic Acid Prevents Lethal Gastrointestinal Syndrome in Mice Receiving a Massive Amount of Radiation.J Radiat Res (Tokyo). 2010 Mar 25;51(2):145-56.


放射線関連の本は原発事故以来いろいろと出版されています。情報もいろいろと出ていますが、「どこどこの放射線量がいくつだ。」とか「こういう食品からセシウムが検出された」というような事実が多く、「だからどうすればよいか。」という情報は少ないように思います。

被曝を避けるための方法とともに、放射性物質によるDNAの障害を改善、軽減させるためのビタミンC摂取や抗酸化食品の摂取なども、将来起こるかもしれないガンなどの疾患の予防として知っておいていただいた方がいいと思います。

福島や被災地以外の場所では今までと同じような日常がくりかえされていますが、放射性物質は出続けているわけですから、原発事故以前よりは確実に放射線量を浴びる量は増えています。 もちろんガンを引き起こす原因になるものはたくさん存在するので、将来放射線のせいでガンになったのかどうか、特定はできないでしょう。

 事故が起こる前もガンは予防していきたい病気だったわけですが、事故後はますます予防に心がけるべきでしょう。

 事故の後にも書きましたが、引っ越したり、子どもだけ疎開したりする方法もありだと思います。でも、現実的にそれができない方がほとんどでしょう。それがよい方法なのかどうかも、何十年かしてみないとわからないと思います。答えはないのです。

 選択肢はいろいろあって自由だと思います。引っ越す方を非難してはいけないし、引っ越さない人を「あきらている」と決めつけてもいけないと思います。

自分のできることから「DNAの修復を促すような生活」を心がけるのがよいのではないでしょうか。

小さなお子さんをお持ちの方々はいろいろと試行錯誤しながら生活していることでしょう。この本は字も大きくてとてもわかりやすく書いてあります。 何をしたらよいか迷ったら参考にしてみてはいかがでしょうか。

 前橋温泉クリニックでも取り扱っていますし、全国の本屋さんで購入できます。

まだ事故は続いていて、現場で働いている方もいて、窓も開けずに生活している方、避難している方がいることを忘れずにいたいと思います。