昨日のお昼~夕方は「まちかど映画会in浅草」というイベントに行っていました。
場所は「浅草見番」。
始めていく会場です。落語に出てくる吉原の「お二階へご案内」っぽいつくりになっており、舞台もちゃんとある。観光客相手の人力車がこの建物の前でお客さんの写真を撮っていました。穴場的な名所のようです。
内容は落語映画上映会。
第1部:落語会(仙栄亭三語郎、入船亭遊京、橘家圓十郎)とトークショー。
第2部:映画 : 『ねぼけ』上映
で、さらにお弁当とお茶付きで、1,500円なり。(笑)
あまりにも安すぎるので行ったら何か買わされたり勧誘されたりするのかなと思ったら、どうやら台東区が文化事業としてやっているイベントのようです。
信じられないほどお得な会だったためか、告知して数日して定員80名に達し完売になっていました。
因みにお弁当は2段重ねの「下町昭和おもひで弁当」。
検索したらこの弁当はお茶付きで1,080円……マジかよ。
太っ腹だね、台東区!
https://www.funaben.jp/products/detail/200
第1部の落語会は
・仙栄亭三語郎さん(友部康志さん)
噺は『短命』。本物の落語家ではないけれども映画『ねぼけ』PR活動で100回以上、落語披露の場数を踏んでいる友部さん。映画館で上映前に一席やった時等と同様に明るく元気に。役者さんだけあって表情がとても豊かです。プロの落語家さんの前にやるので恐縮していたと思いますし、この後に上映される映画の主役でもあるので、自分の責任として場を盛り上げようと必死だったと思います。本当にお疲れ様でした。
・入船亭遊京さん
噺は『子ほめ』。遊京さんは、映画『ねぼけ』では誰もが驚き見とれるほど見事な「師匠」を演じていた入船亭扇遊師匠のお弟子さんです。笑いをガツガツ取ろうとせず落語の美しさを伝えようと綺麗な語りで、という印象を受けました 。そういうところはやはり扇遊師匠のお弟子さんだからなのでしょうか。このような落語家さんも貴重かと。
・橘家圓十郎師匠
噺は『饅頭こわい』。先の遊京さんとは全く違うタイプ。雰囲気からしてどっしりした落語かなと思ったら、テンポの良さとパワーと独自のギャグで会場を引き込んで行きます。聴いていて「あぁ、友部さんの落語はこの師匠の影響を強く受けているのかな」と思わされました。圓十郎師匠は落語の弟子入り前に落語家ではなくお笑いの方を目指していたそうです。聴いていていろいろ「なるほど」と思わされました。
トークショーではやはり圓十郎師匠がリードして盛り上げていました。
第2部の映画会では『ねぼけ』を上映。
この会は「下町コメディ映画祭in台東区」という冠の後に「まちかど映画会in浅草」となっています。
この冠をみて、コメディ映画の上映会だと思ってやってきたお客さんはびっくりしたかも。(笑)
会場では、やはり後半ですすり泣く音が聞こえてくる。
ラストシーンが終わっても席を立つ人はなく、エンドロールが流れきり蛍光灯が灯るまでお客さんは全員残っていました。
私がこの映画見るのはもう……何回観たのか、よく覚えとらん。
飽きるどころか見る度にいろいろと考えさせられ、見るたびに引き込まれる映画。
真っ直ぐな気持ちでつくられていると思われるのに、その思いが少しも押し付けがましくなく、心地よく見ていられる映画。
今回もいろいろなことを感じ、いろいろなことを思い、また想いました。
この映画を初めて見たのは去年の12月。
映画館に行くことなんてほとんどなくなっていた私が、宮崎を通した様々な不思議な縁により、宮崎出身の壱岐監督が落語と宮崎の神楽が絡んだ映画を上映する事を知ってこの映画を見に行ったのが去年の12月17日。
この映画のおかげで日本映画というものをもう一度見直す気になり、落語や講談に対して改めていろいろ考えさせられました。
さらに、信仰心がほとんどなく、去年の1月まで宮崎のことを嫌いだった原因の一つが宮崎に神話や神楽などという古臭くて迷信めいたものがたくさんあることだったという私なのに、そんな私が宮崎の神楽を見直し、この映画で描かれていた新田神楽を見るために新田神社まで行き、そこで神楽というものの凄さを知り、宮崎の新田地区の方々との有難いご縁もできました。
去年の1月に33年ぶりに宮崎に戻ってから変わりつつあった俺の人生が、この映画と出会い、壱岐監督や出演者の友部さん、村上さん、緒方さんたちの事を知ったことでさらに大きく変わりつつある。
この映画を初めて見たのも、監督や出演者の方々を知ったのもたった半年前なのに、ずっと前から知っていたような気がする。
映画そのものの内容・美しさに惹かれながらも、この映画と出会ってから半年間の事をいろいろ思い出し、様々な思いがこみ上げてきました。
今回は落語や映画そのものも良かったけど、会場の雰囲気、お客さん、スタッフの方々も良かったなぁ。
落語や講談の会に行くと時々客席にマナーの悪い変な・嫌なジィさんとかがいる時もあるけど、そういう人は見当たらず、良いお客さんばかり。
また、スタッフの方々はほとんどボランティアだったようで良い雰囲気。
良い会に満足して帰ろうとしたら、いろいろと不思議で有難いご縁のおかげで、終演後にスタッフの方々とお話をすることができました。
この会をやるには、本当に大変な苦労があったようです。
でも、結果的に会は大、大、大成功だったのではないでしょうか。皆様、本当にお疲れ様でした。
私は映画『ねぼけ』を何度も見ています。
帰りに
「そんなに何度も見たら、さすがに飽きてきませんか?」
と訊かれました。
私自身もどうして飽きないのだろうと考え
「良い古典落語は同じ人の同じ噺を何度聴いても飽きないので、それと似ていますかね」
と答えました。はっきりした答えになっていませんが。
良い音楽は何度聴いても飽きないし、心地よい場所は何度行っても心地よいし、美人は何度見ても飽きないし……いや、美人をかみさんにもらうと三日で飽きるんだっけ? 私にはよくわからんけど、まぁ、そんなところだろうと思っています。
上映会スタッフの皆様、『ねぼけ』関係者の皆様、良い時間を本当に有難うございました。


