3月宮崎滞在3日目は土曜日だったこともあり、宮崎県内で様々なイベントがありました。
この日の私はみやざき犬の出るイベントにも行きましたが、やっぱりMRT(宮崎放送)主催の落語会「てらす寄席」が忘れられません。
宮崎では奇跡的とも言える不思議な縁が次々と繋がっていますが、今回もそのことを思い知らされました。
私はあまり神仏を信じていないけど、やっぱり神話の国・宮崎の神様は凄ぇのかな。(笑)
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3月宮崎滞在3日目の昼は、MRT(宮崎放送)のテラススタジオで行われた「てらす寄席」へ行った。
てらす寄席は、MRTのエースアナウンサーである粉川真一アナが中心となって行われている会。
その粉川アナ、なんと、私も通っている(最近休んでいるけど)立川志らく師匠の落語教室「らく塾」の1期生なのだ!
つまり、私の大先輩。「立川らく生」という高座名も持っており、MRTのラジオで「立川らく生『笑いの殿堂』」という番組も持っている。(毎週日曜日16時45分から15分間)
 
「てらす寄席」観覧は抽選で多数の申し込みがあったそうだ。「俺は県外の人間だしなぁ。視聴率に貢献しない人間だし」と思っていたら、幸いなことに当選。これも新田神社の神様のご利益?
 
会場に入ると、着物を着た出演者の方が受付をされており、私が駐車場の場所を訊くと丁寧に教えてくださる。
 
受付が始まり、暫くすると粉川アナがいらっしゃった。お知り合いの方々に御挨拶をされている。
私は一般人だが、とりあえず「らく塾」の塾生が東京から来てますということをお伝えしても良いかなと思い、粉川アナの様子を暫く見ていたら。
私と目が合った粉川アナが、「寺西さんですか?」と声をかけて下さった!!
 
え?
何で俺のことを??
 
まぁ、宮崎に行く前に、Facebookの粉川アナのページに御挨拶代わりのコメントを書き込ませてもらっていたのだが。
わざわざ俺のコメントなんか読んでいないだろうなぁと思っていたら、読んでくださっていたのだろう。
東京の「らく塾」と宮崎がこんな形で繋がるとは……不思議過ぎる!!
 
さらに、会場には映画『ねぼけ』に子役として出演していた椎井蘭さんとそのご一家がいらっしゃっていた。
椎井さんご一家も抽選に当選されたとのこと。
前の日記に書いた通り、様々な奇跡的なご縁で『ねぼけ』関係者の方々とFacebookで繋がってもらっている。椎井蘭さんのお母様とも繋がってもらっていたのだ。

この場には、本当に奇妙・奇跡的・有難いご縁が、ふたつも!!

それにしても、地方局でアナウンサー等が集まり落語のイベントを行うって全国的に珍しいのではないだろうか?
どうしてこんなことになっているのだろうと思ったら、MRTは幹部の中に落語好きな人がいらっしゃるそうで。
そんなこともあり、粉川アナのような人もいて、落語の普及にも力を入れているとのこと。去年の10月に立川談春師匠が宮崎県立芸術劇場で初の独演会をやったのもその幹部の人の力によるところもあったようだ。
また、宮崎では子供落語教室等も盛んなようで、7月末には宮崎県日向市で「こども落語全国大会」が行われる。(これには椎井蘭さんたちも出場)
宮崎は私が想像していたよりもはるかに落語が浸透しているのかもしれない。
というか、粉川アナが落語のラジオ番組をやったりしているおかげで浸透しているのかもしれない。
私が住んでいた頃には何も無く長い間見捨てていた宮崎が、私が宮崎を離れていた三十年以上の間に、こんなことに……泣けてくるほど嬉しい。
 
それはともかく。
今回の内容と感想を、出演順に。
 
開口一番は浮世亭快男児さん(伊賀透浩アナ)。
話は古典の『金明竹』っぽい新作。日大文理学部落研出身とのことで、話の落とし方などはさすがに慣れたもの。やはりアナウンサーらしい発声だがリズムやメロディはプロの若手二つ目さんっぽい。マクラからしっかり笑いを取っている。開口一番からなんだかすごいぞMRT。
宮崎滞在中に快男児さん(伊賀透浩アナ)が出ている番組をちょこっとだけ見る機会があったが、高座とは違いキリッとした調子でスキのない報道だった。さすがプロ。
粉川アナと一緒に宮崎の落語をよろしくお願いします!

二番目はてらす家ひなたさん(甲斐蓉子アナ)。
噺は『饅頭こわい』。一昨年の12月が初高座だったとのこと。若くてとっても綺麗。もちろん綺麗なのは見た目だけでなく声も。ニュース原稿を読むような冷たい語りではなく、抑揚が大きく表情豊かな語りで。朗読やアナウンスのテクニックを使って落語をやっているという印象で、朗読だとしたら「さすがプロ!」。いろいろな番組に出ていてかなり忙しそうだしアナウンサーになってまさか落語をやらされるはめになるとは思ってらっしゃらなかったのかもしれないが、できれば落語をもっと好きになってもらって、落語のリズムとメロディを身につけて宮崎の視聴者の皆さんに落語の面白さを広めてもらえるとうれしいな。

3番目は子ども落語で、ひむか亭いちごさん。
中学2年生。噺は『お見立て』。中学2年生の女の子から遊郭の噺を聴かされるとは。(笑)
宮崎で行われたこども落語全国大会の中高生の部で優秀賞を獲っただけのことはあり、声の出し方、リズム・メロディ等はきっちり。先が楽しみ。

4番目は、元・プロの柱(はしら)大黒さん。
噺は『時そば』。諸事情により宮崎に帰郷し、地元で落語愛好会をされているとのこと。さすがに元・プロ。プロフィール写真では変な顔をして写っていたが芸はキッチリ。いろいろなテクニックを見せ・聴かせ、とっても勉強になる。宮崎のアマチュア落語家さんの良いお手本となるのではないだろうか。大黒さん、宮崎の落語をよろしくお願いします!

ここでお仲入り(途中休憩)。

5番目は子ども落語で、にこにこ亭陽之助君。
噺は『平林』。彼は小学校4年生。ゆっくり・はっきり・大きな声で、とても聴きやすい。そこに時々古典にはなさそうなギャグがバンバン入る。とても子供が考えたとは思えん。さすがに自分で考えたギャグじゃないだろうから、いったい誰のを覚えたんだろ、と思って後で彼に訊いたら、何人かのプロの落語家の『平林』を聴いてミックスしつつ、自分でこさえたんだとか。先が楽しみ……というか、末恐ろしい。

6番目はめぐっ亭かん好さん(日高千明さん。ラジオパーソナリティ)。
噺は『反対車』。元々はバズガイドさんだったそうです(因みに、私の母も鹿児島・宮崎でバスガイドをやっていた)。その後リポーターをやった時も観光地を巡ることが多く「めぐって 観光」をもじった高座名にされたとのこと。マクラではラジオパーソナリティをやっている時の面白い話をし、宮崎のご当地ネタを入れながら、明るく楽しくにぎやかな高座。東京のベテラン前座~二つ目の女流落語家さんとそんなに変わらん。プロの落語家としても普通にやってそう。

トリは立川らく生さん(粉川真一アナ)。
話は新作で防災落語。立川志らく師匠のお弟子さんである立川志ら乃師匠の作った新作を、志ら乃師匠の許可をもらいアレンジして作った噺とのこと。
粉川アナは防災士の資格を取得しているそうで、落語の普及と防災活動の両方で宮崎に大きく貢献されているのだろう。鼻に響かせるような声の出し方はアナウンサーだが、リズムとメロディ、間の取り方はベテラン二つ目~若手真打か。バラエティ番組で経験豊富な粉川アナだけあり、高座後の他の出演者との掛け合いもシャレがきいている。このへんはやはりMRTのエース。
さすが、学生落語選手権3位、何よりもらく塾の大先輩!!(笑)

こんな様子で。
とっても楽しく、たっぷりな会だったため、終演後、気がついたら思ったよりも時間が経っている。近くのMRTmiccで買い物をすると駐車場代が無料になる時間も過ぎそうになっており、ケチな私はちょっと慌ててしまった。(笑)

てらす寄席そのものも楽しかったが、粉川アナに会えたこと、そして『ねぼけ』の椎井蘭さんご一家に会えたことがほんっと嬉しかった。
 
私が長い間忘れようとしていた故郷・宮崎と、私が趣味としてやっている落語。
この二つが不思議な形で繋がった不思議なご縁を強く感じたこの会は、何もかもが嬉しかった。
 
これからもMRTが宮崎に落語の良さを伝えていってくれますように。
楽しく実のある番組を通して宮崎を楽しく住みやすい土地にしていってくれますように。
東京の自宅にて、radikoのエリアフリー・タイムフリーでMRTラジオ「GO!GO!ワイド」を聴きつつ。

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粉川アナ、本当にありがとうございました。これからも宮崎を、宮崎の落語をよろしくお願いします。
そして、椎井さんご姉妹、7月29日・30日はこども落語大会に応援に行きます。頑張ってくださいね!!