今朝は9時30分からお江戸日本橋亭で行われた朝練講談会に行ってきました。
出演者は、出演順に一龍斎貞寿さんと神田松之丞さん。
いつもはそれほど混まない朝練講談会ですが、このお二人が出る時には開場前に行列ができることはわかっていたので、開演時間の45分前の8時45分頃に行ったら。
既に長~い行列ができていました。お客さんは98人だって。
夜や祝日の昼でもこれだけ人が集まる講談会ってそんなに多くはないと思います。朝の開催でこの集客。すげえな。

先に出てきたのは一龍斎貞寿さんで『中村仲蔵』。
この話は長いのでマクラは短めでしたが、それでも明るい調子でちゃんと笑いを取るのはさすが。
この話、貞寿さんが師匠(一龍斎貞心先生)から上げ(最終)稽古をつけてもらった時、貞心先生が最後に「この話の最後に、仲蔵の師匠が仲蔵にかける言葉が、俺が本当にお前に言いたい言葉だ。早く、そう言わせてくれ」と伝えられたとのこと。
マクラや前半ではいつもの明るい調子で時折笑いも起きていましたが、後半になるにつれピーンとしつつも優しい人情噺の調子になってゆく。
ラストで仲蔵の師匠が仲蔵に伝えた言葉。それは、貞心先生が貞寿さんに伝えたい言葉。
弟子が「守・破・離」を経てやがて自分を超えてくれることを望む師匠の言葉に、泣きそうになっちゃいました。
私も今まで何人かの落語家さんや講談師さんのでこの『中村仲蔵』を聴いていますが、貞寿さんのは私が聴いた中で一番優しさと愛情にあふれた『中村仲蔵』でした。

そして神田松之丞さんの『淀五郎』。
この淀五郎には大成しベテランとなった中村仲蔵が出てきます。
松之丞さんの『淀五郎』は前に聴いたことがありますし、先月のあかぎ寄席でも聴きましたが、やはりそのパワーに引きこまれちゃいます。でも、そのパワーが年をとった仲蔵の優しさ・柔らかさを引き立てているような。
仲蔵が淀五郎に優しくかける言葉「恥ぃかいて、恥ぃかいて、そして……少しだけ、上手くなるんだよ……その繰り返しさ」。
貞寿さんの師匠の貞心先生も、松之丞さんの師匠の神田松鯉先生も元々役者さん。
この噺を松之丞さんは松鯉先生から直接教わったのかどうか、直接教わったとしてもそのままやっているのかどうかわかりませんが、先の貞寿さんと同様、この噺にも「師匠から弟子へ」の気持ちが込められているように思えます。

いやぁ、今回も朝からこってりな2席でしたねぇ。
これで千円はほんっと安い。
この会は2日連続で明日(月・祝)も行われます(やるのはそれぞれ別の話。ただし松之丞さんは今日貞寿さんがやった『中村仲蔵』)。
明日も行きたいけれども、明日の朝は仕事なので行けない。残念。
明日行かれる方は私の分まで楽しんできてください。