昨日の日記の続きです。
10月6・7日に箱根湯本で行われた俳句合宿について。
16時になり、いよいよ選評会開始。
温泉旅館に到着して席題(その場で出されるお題)を聞いてから、我々らく塾男部屋では3人とも汗だくになりながら句をひねり出していましたが。
志らく宗匠は選評会前に温泉に入ってきた様子。
席題は毎回その場でルーレットのような形で決めるので、宗匠が他の人よりも早くから席題を知っているわけではありません。
さらに、我々は一つのお題につき1句ですが、宗匠は一つのお題に対して2句ずつ。
宗匠はさすがの余裕です。
今回、私が詠んだ句はこちら。
兼題(予め出されていたお題。課題)
【鈴虫】 鈴虫の 声は幽(かそけ)し 一人床
【薬草】 父と子は 背向け薬草 掘つてをり
席題(その場で出されるお題)
【秋色】 秋色を 映す湖 舟一隻
【柿】 嫁が逝き 仏前の柿 やわらかく
選評では、誰が詠んだ句かわからないようにシャッフルし、自分の詠んだ句以外から点数の高い順に「天」「地」「人」を1つずつと「佳作」を3つ、そしてマイナスポイントである恐怖の「駄」を1つ選びます。
自分以外の句は誰が詠んだのかわからないので、宗匠の句や仲のいい人の句に「駄」を入れて大変気まずい思いをすることもあるわけで。(笑)
「駄」を選ぶのが私にとっては一番難しいのですが、でも、自分がダメな句、未熟な句を詠まないために、そして「どうすれば俳句らしい句を詠めるか」を考えるには、この「駄を選ぶ」というのはとても勉強になると思っています。
皆さんの意見はとても参考になるし、何より宗匠の選評・コメントはとても勉強になります。
私も自分なりに初心者向けの俳句の本で勉強していますが、実際に出された句に対しての宗匠からのコメントは添削指導のようにもなっていて「ああ、なるほど!! そうすればよかったのか。そうだからイマイチだったのか!!」などと思わされ、とても得ることが多いです。本を読んでいるだけではなかなか得られないことだと思います。
自分の句に少しでも点数が入ると点数発表と同時に点数を入れてくれた方(駄をつけた方からはその方)、そして宗匠からのコメントをいただけます。
前回の句会までは「暫くは、点数はつかなくてもいいから駄は食らわないように、±0点狙いで。前座修業のように、地味だけど自分の身の丈に合ったきちんとした句を」と心がけていました。
今も「前座修業のように地味で手堅い句を」というのは変わりませんが、ちょっとでも点が入ると、皆さん、そして宗匠からのコメントをいただけるので、今はちょっと欲を出して「4句とも1点狙い」でやっています。
今回、【薬草】【秋色】【柿】については通常ルールですが、【鈴虫】に対しては特別ルールでした。
通常ルールの【薬草】【秋色】【柿】では、【秋色】【柿】の句で点数を頂き、そして、宗匠からもコメントをいただきました!!
【秋色】 秋色を 映す湖 舟一隻
では、立川談四楼師匠、そして宗匠から
「『舟一隻(せき)』というのがいまひとつ。『舟一艘(そう)』または『舟ひとつ』がよかったのではないか。この場合、『ひとつ』が一番いいのでは」
という添削をいただきました。
私も「隻(せき)」は良くないなと思ったので「艘(そう)」にしようと思ったのですが、字が難しかったので避けました。
そうすると「舟ひとつ」が、柔らかい表現だし、ぽつんとひとつ浮かんでいる様子にぴったりなので一番いい、ということになりますね。
うーん、「言われてみれば」なのだけれども、こういう適切な言葉がすぐに思いつくかどうかに、やなり圧倒的な腕の差が表れるように思えます。
この句は宗匠から「佳」(全ての句の中で4~6番目にいいという評価)をいただきました!
他の方々からも点を頂き、この句で7点獲得。
【柿】 嫁が逝き 仏前の柿 やわらかく
でも、志らく師匠と談四楼師匠から
「『嫁』ではなく『妻』とすべきではないか」
という添削をいただきました。
確かに……以前「妻」という言葉を入れた句を詠んだのに、何で今回「嫁」ってやっちゃったんだろう。
談四楼師匠から「関西など(関西以西)では『妻』を『嫁』というようですが」とお言葉を頂き「ご出身は?」と訊かれました。
私は鹿児島で生まれてすぐに宮崎に移って幼少期~15歳まで宮崎で過ごし、それからは東京。
私が『嫁』とやっちゃったのは、まだ宮崎の方言が残っていたのか、それともTVで関西の漫才とかで聞いたフレーズとかが頭に残っていたのか。
この句は宗匠から「地」(全ての句の中で2番目にいいという評価!)をいただきました!!
かなり喜んでおります。
他の方々からも点を頂き、この句で13点獲得。
こうやってコメント・添削をいただくと、俳句としての勉強になるだけでなく、自分や他の方々の物の見方や言葉のセンス等が見えてきて、とても面白いです。
この句会では、宗匠の句に点を入れると、その点が自分に返ってきます。(宗匠は点数レースに参加していません)
私は、選評するときに「誰が詠んだ句か」をなるべく考えないようにしています。
「誰が詠んだのか」を考えて点数を加減するのはフェアでないように思えるし。
「そういえば、この前志らく師匠が独演会でこんな話をしていたから」とかそんなことばかり考えてしまい俳句そのものをじっくり評価することができなくなってくるし。
それに私の場合は「誰が詠んだか」を考えず、句会で宗匠がコメント・添削でおっしゃっていた「良い俳句を詠むための心がけ・評価の仕方・目の付け所」等を思い出しながら選んだ方が宗匠の句を選ぶ頻度が高くなったからです。
今回、私は、宗匠の句
「【柿】 信州路 どの経(みち)行くも 柿農家」
に「地」をつけて4点ポイントバック。
前回、前々回は宗匠の句に「天」と「地」をつけていたのでポイントバックで点を稼いだのですが。次回の選評で頑張ろうっと。
結局、私が選んだ句は、こちら
【天】 道のべの 薬草知らず 行き過ぎぬ (内藤監督)
【地】 信州路 どの経(みち)行くも 柿農家 (志らく宗匠)
【人】 秋色は 寺の祭事の 幕おもふ (根本監督)
【佳】 薬草茶 飲んで並んだ への字口 (作者をメモし忘れました)
【佳】 薬草の 干されし軒に 眠り猫 (作者をメモし忘れました)
【佳】 外の湯に そっと置かれた 柿ひとつ (酒井莉加さん)
「駄」に選んだ句をここに書くのは控えます。
【鈴虫】については、今回特別ルールでした。
各々が自分以外の句に1位~14位まで順位をつけ、与えられた順位で点数が入ります。
1位~9位はプラスポイント、10位~14位はマイナスポイント。
このルールだとものすごい点数が入ることもあれば、逆に大量のマイナスポイントを喰らうくともあり、今年度第1回(3月)からの累積点順位が一気にひっくり返ることもあります。
私の
【鈴虫】 鈴虫の 声は幽(かそけ)し 一人床
は、私と同じような情景の句で遥かにいい句があった(その句は談四楼師匠の句でした)。
腕の差を思い知らされ「……参りました」という気持ちでその句を1位に選びつつ、私の句には点があまり入らないか、マイナスポイントが積み重なるかなぁと凹んでいたら。
ラッキーなことに57点獲得!
さらに、志らく宗匠の句の一つ
「鈴虫を 鳴かせているよな 古書店主」
を3位に入れて8点ポイントバックできたものの、師匠のもう一つの句を12位に入れていて-3点で、結局こちらのポイントバックは 8-3=5 点。
そんなこんなで、今回の句会で、計86点獲得しました。
今回の1位は立川談四楼師匠で点数はちょうどピッタリ100点!!
さすがです。
……と、選評会の様子を一気に書いちゃいましたが。
選評会の時間が夕食時間を挟んでいたため、途中で移動して夕食タイムとなりました。
私の横は内藤監督となり、映画などの大変興味深い話をいろいろと聴くことができました。
食事会は宴会に近い雰囲気となり、お酒が入って「大丈夫かな」という状態の人も。
選評会に戻った時には酔いつぶれてそうになっている方も2名ほどいらっしゃいましたが、自分の作品の話になるとパッと目が覚めるのは神秘です。
選評会の様子はこんな感じで、とても充実した楽しい会でした。
箱根湯本での2日間は、選評会以外にもいろいろと楽しく得ることがたくさんあり、最近、どういうわけか外へ出ることも人と話すことも億劫になることが多くなってきた私も、高校生や大学生・大学院生の頃のように、楽しい合宿気分を味わうことができました。
選評会後のこのについても書きたいのですが、ここまででかなり長くなってしまったので、選評会後のことについては、また後日。
(今回、選評会で私が点を入れた句をこの日記の中で紹介・引用していますが「引用しないでほしい」という方はご一報ください。すぐに本文中から削除します)
(ちなみに、公表された作品は著作者の許可がなくても必要・常識的な範囲で「引用」できますが、未公表の作品については「引用」する場合でも本来なら著作者の許可が必要です)
10月6・7日に箱根湯本で行われた俳句合宿について。
16時になり、いよいよ選評会開始。
温泉旅館に到着して席題(その場で出されるお題)を聞いてから、我々らく塾男部屋では3人とも汗だくになりながら句をひねり出していましたが。
志らく宗匠は選評会前に温泉に入ってきた様子。
席題は毎回その場でルーレットのような形で決めるので、宗匠が他の人よりも早くから席題を知っているわけではありません。
さらに、我々は一つのお題につき1句ですが、宗匠は一つのお題に対して2句ずつ。
宗匠はさすがの余裕です。
今回、私が詠んだ句はこちら。
兼題(予め出されていたお題。課題)
【鈴虫】 鈴虫の 声は幽(かそけ)し 一人床
【薬草】 父と子は 背向け薬草 掘つてをり
席題(その場で出されるお題)
【秋色】 秋色を 映す湖 舟一隻
【柿】 嫁が逝き 仏前の柿 やわらかく
選評では、誰が詠んだ句かわからないようにシャッフルし、自分の詠んだ句以外から点数の高い順に「天」「地」「人」を1つずつと「佳作」を3つ、そしてマイナスポイントである恐怖の「駄」を1つ選びます。
自分以外の句は誰が詠んだのかわからないので、宗匠の句や仲のいい人の句に「駄」を入れて大変気まずい思いをすることもあるわけで。(笑)
「駄」を選ぶのが私にとっては一番難しいのですが、でも、自分がダメな句、未熟な句を詠まないために、そして「どうすれば俳句らしい句を詠めるか」を考えるには、この「駄を選ぶ」というのはとても勉強になると思っています。
皆さんの意見はとても参考になるし、何より宗匠の選評・コメントはとても勉強になります。
私も自分なりに初心者向けの俳句の本で勉強していますが、実際に出された句に対しての宗匠からのコメントは添削指導のようにもなっていて「ああ、なるほど!! そうすればよかったのか。そうだからイマイチだったのか!!」などと思わされ、とても得ることが多いです。本を読んでいるだけではなかなか得られないことだと思います。
自分の句に少しでも点数が入ると点数発表と同時に点数を入れてくれた方(駄をつけた方からはその方)、そして宗匠からのコメントをいただけます。
前回の句会までは「暫くは、点数はつかなくてもいいから駄は食らわないように、±0点狙いで。前座修業のように、地味だけど自分の身の丈に合ったきちんとした句を」と心がけていました。
今も「前座修業のように地味で手堅い句を」というのは変わりませんが、ちょっとでも点が入ると、皆さん、そして宗匠からのコメントをいただけるので、今はちょっと欲を出して「4句とも1点狙い」でやっています。
今回、【薬草】【秋色】【柿】については通常ルールですが、【鈴虫】に対しては特別ルールでした。
通常ルールの【薬草】【秋色】【柿】では、【秋色】【柿】の句で点数を頂き、そして、宗匠からもコメントをいただきました!!
【秋色】 秋色を 映す湖 舟一隻
では、立川談四楼師匠、そして宗匠から
「『舟一隻(せき)』というのがいまひとつ。『舟一艘(そう)』または『舟ひとつ』がよかったのではないか。この場合、『ひとつ』が一番いいのでは」
という添削をいただきました。
私も「隻(せき)」は良くないなと思ったので「艘(そう)」にしようと思ったのですが、字が難しかったので避けました。
そうすると「舟ひとつ」が、柔らかい表現だし、ぽつんとひとつ浮かんでいる様子にぴったりなので一番いい、ということになりますね。
うーん、「言われてみれば」なのだけれども、こういう適切な言葉がすぐに思いつくかどうかに、やなり圧倒的な腕の差が表れるように思えます。
この句は宗匠から「佳」(全ての句の中で4~6番目にいいという評価)をいただきました!
他の方々からも点を頂き、この句で7点獲得。
【柿】 嫁が逝き 仏前の柿 やわらかく
でも、志らく師匠と談四楼師匠から
「『嫁』ではなく『妻』とすべきではないか」
という添削をいただきました。
確かに……以前「妻」という言葉を入れた句を詠んだのに、何で今回「嫁」ってやっちゃったんだろう。
談四楼師匠から「関西など(関西以西)では『妻』を『嫁』というようですが」とお言葉を頂き「ご出身は?」と訊かれました。
私は鹿児島で生まれてすぐに宮崎に移って幼少期~15歳まで宮崎で過ごし、それからは東京。
私が『嫁』とやっちゃったのは、まだ宮崎の方言が残っていたのか、それともTVで関西の漫才とかで聞いたフレーズとかが頭に残っていたのか。
この句は宗匠から「地」(全ての句の中で2番目にいいという評価!)をいただきました!!
かなり喜んでおります。
他の方々からも点を頂き、この句で13点獲得。
こうやってコメント・添削をいただくと、俳句としての勉強になるだけでなく、自分や他の方々の物の見方や言葉のセンス等が見えてきて、とても面白いです。
この句会では、宗匠の句に点を入れると、その点が自分に返ってきます。(宗匠は点数レースに参加していません)
私は、選評するときに「誰が詠んだ句か」をなるべく考えないようにしています。
「誰が詠んだのか」を考えて点数を加減するのはフェアでないように思えるし。
「そういえば、この前志らく師匠が独演会でこんな話をしていたから」とかそんなことばかり考えてしまい俳句そのものをじっくり評価することができなくなってくるし。
それに私の場合は「誰が詠んだか」を考えず、句会で宗匠がコメント・添削でおっしゃっていた「良い俳句を詠むための心がけ・評価の仕方・目の付け所」等を思い出しながら選んだ方が宗匠の句を選ぶ頻度が高くなったからです。
今回、私は、宗匠の句
「【柿】 信州路 どの経(みち)行くも 柿農家」
に「地」をつけて4点ポイントバック。
前回、前々回は宗匠の句に「天」と「地」をつけていたのでポイントバックで点を稼いだのですが。次回の選評で頑張ろうっと。
結局、私が選んだ句は、こちら
【天】 道のべの 薬草知らず 行き過ぎぬ (内藤監督)
【地】 信州路 どの経(みち)行くも 柿農家 (志らく宗匠)
【人】 秋色は 寺の祭事の 幕おもふ (根本監督)
【佳】 薬草茶 飲んで並んだ への字口 (作者をメモし忘れました)
【佳】 薬草の 干されし軒に 眠り猫 (作者をメモし忘れました)
【佳】 外の湯に そっと置かれた 柿ひとつ (酒井莉加さん)
「駄」に選んだ句をここに書くのは控えます。
【鈴虫】については、今回特別ルールでした。
各々が自分以外の句に1位~14位まで順位をつけ、与えられた順位で点数が入ります。
1位~9位はプラスポイント、10位~14位はマイナスポイント。
このルールだとものすごい点数が入ることもあれば、逆に大量のマイナスポイントを喰らうくともあり、今年度第1回(3月)からの累積点順位が一気にひっくり返ることもあります。
私の
【鈴虫】 鈴虫の 声は幽(かそけ)し 一人床
は、私と同じような情景の句で遥かにいい句があった(その句は談四楼師匠の句でした)。
腕の差を思い知らされ「……参りました」という気持ちでその句を1位に選びつつ、私の句には点があまり入らないか、マイナスポイントが積み重なるかなぁと凹んでいたら。
ラッキーなことに57点獲得!
さらに、志らく宗匠の句の一つ
「鈴虫を 鳴かせているよな 古書店主」
を3位に入れて8点ポイントバックできたものの、師匠のもう一つの句を12位に入れていて-3点で、結局こちらのポイントバックは 8-3=5 点。
そんなこんなで、今回の句会で、計86点獲得しました。
今回の1位は立川談四楼師匠で点数はちょうどピッタリ100点!!
さすがです。
……と、選評会の様子を一気に書いちゃいましたが。
選評会の時間が夕食時間を挟んでいたため、途中で移動して夕食タイムとなりました。
私の横は内藤監督となり、映画などの大変興味深い話をいろいろと聴くことができました。
食事会は宴会に近い雰囲気となり、お酒が入って「大丈夫かな」という状態の人も。
選評会に戻った時には酔いつぶれてそうになっている方も2名ほどいらっしゃいましたが、自分の作品の話になるとパッと目が覚めるのは神秘です。
選評会の様子はこんな感じで、とても充実した楽しい会でした。
箱根湯本での2日間は、選評会以外にもいろいろと楽しく得ることがたくさんあり、最近、どういうわけか外へ出ることも人と話すことも億劫になることが多くなってきた私も、高校生や大学生・大学院生の頃のように、楽しい合宿気分を味わうことができました。
選評会後のこのについても書きたいのですが、ここまででかなり長くなってしまったので、選評会後のことについては、また後日。
(今回、選評会で私が点を入れた句をこの日記の中で紹介・引用していますが「引用しないでほしい」という方はご一報ください。すぐに本文中から削除します)
(ちなみに、公表された作品は著作者の許可がなくても必要・常識的な範囲で「引用」できますが、未公表の作品については「引用」する場合でも本来なら著作者の許可が必要です)