昨日は立川吉笑さんの勉強会(前座・二つ目さんの独演会)に行って来ました。
吉笑さんは立川談笑師匠の1番弟子。
入門してから5年~10年はかかると言われている前座→二つ目昇進の内定を、わずか10ヶ月でとった天才肌の超特急ボーイ(この呼び方はマイミクのネーミングはすみティーにさんから)。
新しいことに、真剣に挑戦するその姿勢に私は好感を持っています。
吉笑さんは今までご友人のバーで2回勉強会をやっていますが、お客さんは1回目に7人ぐらい、2回目に十数人ぐらい。
今回の会場は、いつも師匠の一門会が行われている上野広小路亭。
果たして客席が埋まるのか。

入口前の列では、すみティーにさんが先頭で私が二番目でした。
すみティーにさんは寒空の中、開場の2時間近く前に来ていたそうです。
でも……実は中に入って待っていてもよかったみたいで、既にお一人、会場内にいらっしゃいました。

開演時間が近づくと人が増えてきて、全部で42人のお客さんだったとのこと。
開場も程よく埋まっていました。
前座さんの勉強会でこれだけお客さんを集めるというのは大したものです。

開演30分前に太鼓の音が聞こえてきました。これがなかなか上手。叩いていたのは吉笑さんかな?

そして開演。

開口一番は弟弟子の立川笑二さん。
入門は今年の6月とのこと。
入門してまだ半年かぁ。受付に座っていた顔を見ても「不器用で無骨そう」という感じだし。
ちゃんと出来るのかなぁ……と心配をしているうちに、入った話は「たらちね」。

う……上手い。

「不器用」どころか、入門してわずか半年とはとても思えない。らく塾で1年実技クラスに出ている私なんかよりずっと上手い。やはりプロは違うなぁ。
ぶっちゃけ、古典落語は吉笑さんよりも笑二さんの方が上手かも。
「無骨そう」に見えた顔も、高座に上がると愛嬌があり、特に笑った顔が可愛らしい。
語りは柳家小さん師匠の型で(サゲ方は私が知っている音源とは違いましたが)、ところどころオリジナルのギャグなども入れて会場をしっかり温めていました。
これは、意外な掘り出し物!!
談笑師匠のところに入ったということは新作もやるのだろうけれども、笑二さんは古典のきっちりできる本格派としてもやっていけそうです。

そして、立川吉笑さん登場。

最初に「狸の恩返しすぎ」。これは「狸札」の改作です。やはり、視点が吉笑さんらしい。才気を感じさせる一席でした。

次は「テレスコ・序」。これは、古典落語「テレスコ」のエピソード0みたいな話。私は1回目の勉強会でこの話を聴いて吉笑さんのことを「お、すげえ!」と思いました。
でも、吉笑さん自身も言っていたように、なぜか「狸の恩返しすぎ」より笑いが起きない。私は面白いと思ったのですが。
先の「狸の恩返しすぎ」もこの「テレスコ・序」も、言葉で表されるものの曖昧さや言葉で表現されることの「ズレ」の繰り返しからくる混乱により、不思議な世界に引き込んでいく作品といえるのでしょうか。映像化できない、言葉がつくり上げる面白さがあります。思いつきだけでなく洞察もなければこんな話は作れないはず。吉笑さんは「落語という話芸で何が出来るのか、何が面白いのか」というのをいつも考えていらっしゃるのでしょう。
こんな話を創り上げるのはすごい才能です。

ここで仲入り(途中休憩)。

3つ目の話は「カレンダー(2011年12月26日バージョン)」という新作。
カレンダーに関する勘違いがどんどん見つかって大変なことになる話。これも、映像化するよりも言葉で聴いて想像しながら聴くからこそ面白い話といえそう。
やはりアイデアはとっても面白い。
吉笑さん自身も言っているように「普通、途中で気がつくだろ」というボケの積み重ねで最後まで突っ切る難しさがあるそうで、それは「粗忽長屋」と同じなのかなぁ。「粗忽長屋」は聞いている人に最後まで「そんな馬鹿な」としらけさせずに語り切るのにかなり技術が要る話らしいので、もっと古典落語の技術が身についたときに時にもう一度聞いてみたいところ。
まだ完全にネタが固まっていない状態でかけたとのことで、途中でダメになったら笑二さんが舞台袖からタオルを投げてセコンド・ストップということになっていたそうですが、最後まで見事に語り終わって一安心……したところにタオル投入で会場爆笑。
笑二さん、ナイスなタイミングでした。

最後は、古典の中で一番慣れているという「道灌」。
吉笑さんの「道灌」は2回聴いていますが、だんだん落ち着いて、安定してきているように思えます。

今回も吉笑さんの才能を見せてもらいましたし、笑二さんという掘り出し物も見つけることが出来て、私にとって今年最後の落語会となった今回は良い感じで終わりました。

吉笑さんは、斬新な視点で練りこまれた新作を作る能力が凄くて、笑二さんは古典を語る技術の潜在能力が凄そうだなぁ。
まだ二十代半ばぐらいの若いお二人。これからがとても楽しみです。

ということで。
吉笑さん、笑二さん、お疲れ様でした。
そして、いい落語会をありがとうございました。
良いお年を。

すみティーにさん、今回も色々と貴重なものを頂き、ありがとうございました。