土曜、日曜に、マーク・ストランド 「犬の人生」を読んでいました。
村上春樹訳です。
「インテリジェントで、優しく、そして夜の闇のように深い、奇妙な味の短編集」というのが、村上春樹の書評です。
長文の詩というか、散文というか、このところ私が目指している、「身体ーイメージー言語」が使われているようなそんな感じを受けました。
マーク・ストランド氏は、どうやら、これを読むと、アダルトチルドレンの一人だと思われます。
訳者あとがきに載っているストランド氏の短い詩を載せておきます。
Keeping Things Whole 物事を崩さぬために
In a field 野原の中で
I am the absence 僕の分だけ
of field. 野原が欠けている。
This is いつだって
always the case. そうなんだ。
Wherever I am どこにいても
I am what is missing. 僕はそのかけた部分。
What I walk 歩いていると
I part the air 僕は空気を分かつのだけれど
and always いつも決まって
the air moves in 空気がさっと動いて
to fill the spaces 僕がそれまでいた空間を
where my body’s been. 塞いで行く。
We all have reasons 僕らはみんな動くための
for moving. 理由をもっているけど
I move 僕が動くのは
to keep things whole. 物事を崩さぬため。
声を出して、英文を読んでいると、彼の透明な悲しみが伝わってくるように感じます。。
アダルトチルドレンであるという事は、こういう手触りなんだなぁと言葉と言葉の重なりの中で明確に伝わってくるものがありますね。。